初めての死に挑戦!?
今回は、かなり短いです。
ですが、この短さで重要な部分でもあるので、ご了承ください。
俺 棚部 亮は、絶体絶命の危機に陥っていた。
聖女の依頼でその娘、カルラの聖都侵略を阻止するように言われたんだが、交渉は、決裂。そのまま、戦闘に入ったものの開幕5分足らずで盗賊団の援軍が到着し、俺とクサリさんが分断され、拘束することもできなくなった。
もう、気絶させてその間に連れて帰るしかないって考えたが、
「さっそく『デュランダル』かよ!」
何でも切り裂く伝説級の武器『デュランダル』を顕現されちまった!
カルラが持っていた剣は、刀身カルラ自身の背丈より大きくなり、白い靄のようなものがかかっている。
……迂闊に近づいたら、バッサリ斬られる。
もう、打つ手無し。希望があるとすれば、クサリさんが戻ってくるまで持ちこたえることくらいか。
「やってやるよ!こんちくしょー!!」
とりあえずは、攻撃を避けるのに専念しないと!
「速攻で終わらせるわ!」
一気に距離を詰められ、デュランダルを横に振る。
間一髪のところをカルラの頭上を飛び越えて、これを回避する。
あんなバカでかい剣を簡単に振りやがった!
「どうなってんだよ!?」
「デュランダルの重量でも動けるように特訓したのよ!」
そういいながら、回転をする。
丁度、カルラの真後ろなので攻撃は、かなり危ない。
すかさず、俺は、地面を転がって回避する。
「ちょこまかと逃げないで、戦いなさいよ!」
「無茶言うな!!」
こっちは、回避するのに手が一杯だっての!
けど、いつまで回避し続けられるか。『炎の鎧』が切れたら、マジでやばい。
今度は、縦振りだ!避けるなら横か!
「ふんっ!」
縦振りが来る前に横に飛ぶ。
案の定、衝撃波が地面を伝わり、木が、綺麗に2分割されていた。
「あ、危ねぇ…………。」
後方に跳んでたら、今ごろ俺も真っ二つだった。
「なかなか、やるわね。」
「ぜぇ……はぁ……。」
まだ向こうは、余裕かよ!
もう、集中力が切れそうだ。
「くっそ!」
「次で終わりよ!」
カルラの声が、聞こえたのと同時に目の前から姿が消える。
まずい、後ろをとられたら確実に死ぬ!
そんな危機感に迫られていた俺だが、事態は、さらに悪化した。
「なっ!!」
炎の鎧が、解けちまった!
そして、
グシュ…………。
「マジかよ……。」
腹部からデュランダルの剣先が出ている。
どうやら、背中から刺されたみたいだ。
カルラは、デュランダルを引き抜いて、刀身についた俺の血を払う。
「魔王を……倒したわよ!!」
その声を完全に聞き取ることなく、俺は、死んだ。
『全く、死ぬの早くないか?』
『まぁ、激闘ばかりだったから仕方がないんじゃないの?』
『………………どうする?…………』
『私がいきましょう。黒が居なくてよかったです。』
…………




