再び、反乱に挑戦!
「あくまでも、抵抗されるのですね?」
シェリーさんが、俺へと問い掛ける。
「なんの説明も無いのに、無抵抗でいられるかよ……それに」
なによりもーー
「オルの……あの状態のオルを見て、素直についていけるかよっ!!」
ガスターに連れられてたオルの表情は、まさに人形のようだった。顔色とかはいつも通りだったが……眼に光が無いって感じだった。
「……そうですか。残念です」
シェリーさんを先頭に、後ろに居るメイドさん達も、各々の武器を構えーー
「「「「『アンリミテッド』!」」」」
武器の形態を変える。
それに応えるように、俺は距離を詰める。
「悪いが、先手必勝だ! 『剛打』!!」
大きな盾を鎧のように着込んだシェリーさん。彼女の腹部へと、右拳を叩き込む。
ドラを叩いたような轟音が響くが、シェリーさんは、1歩も後ろへと下がらない。
「『シールドハンマー』!」
そんな俺に容赦なく、頭から叩き付けるように巨大な盾を降り下ろしてくる。
「『轟小砲』!!」
拳を当てたまま、必殺の一撃を叩き込む。……不発のようだけどな。
たけど、理論上最強の一撃を警戒してか、シェリーさんは技を中断して、後ろへと下がる。
「『サンダーボルト』」
代わりにレムちゃんが、飛び回っている水晶から魔法を放ってくる。本来の『サンダーボルト』よりも、幾分か強力そうだ。
「『水の羽衣』! 『水の盾』!!」
体中に水を纏って、左手を正面へかざす。かざされた左手からは、直径50センチほどの透明な盾を形成する。
レムちゃんが放った魔法は、この盾によって完璧に防がれた。普通の盾だったら、間違いなく感電していただろう。
『水の羽衣』は、魔力の流れを良くしてくれるからな。
「『アクアパレット』!」
空いている右手を拳銃のようにして、レムちゃん達へと発砲する。
戦闘経験を積んできたおかげか。今では厚さ2センチの鉄板も貫通させるほどの威力になった。
「『フリーズ』」
背丈よりも大きい杖を構えたメイドさんが、俺の放った水鉄砲へと氷の弾をぶつけて相殺する。
さすがに、4人も居ると手強いな……。
「アハハッ!」
「っ!? あぁ!?」
後ろから声が聞こえた。その直後に、死神が持っていそうな真っ黒の巨大な鎌で、俺の背中を切り刻んでくる。
「『炎の鎧』!」
比較的、斬撃、打撃に強い『炎の鎧』を発動し、鎌のメイドさんを視界でとらえる。
後ろを見ようと、完全に振り返ったのが間違いだった。
「『シールドハンマー・二式』!!」
がら空きの背中から、内蔵を吐き出しそうになるほどの衝撃を加えられ、俺はそのまま気を失った。
魔王が強いのか弱いのか、全く分からない。




