お望み通り、全力で相手してあげるわよ!
かなり先行していたのか、回りの風景が単なる色の線に見えるほどの速さで走っているのに、全然見つからない。
「道は合ってるのに……!」
旦那から娘のピンチを聞かされ、慌てるように飛び出した。
それはもう、障害となるものは、たとえ旦那だろうと引き殺してしまうほどにだ。
それでも、カルラの後ろ姿が見えない。
見えるのは、伐採されたばかりの太い丸太と株だ。恐らく、野蛮な神界の奴等がやったのだろう。
「……………………」
あたしは、詳細なデータが入ってこないように、足の動きを速めた。
魔界に入ってから30分ほど走った。
そして、娘の姿を見つけたのだけど…………滅茶苦茶ピンチだった。
なんせ、ヒョロヒョロなお爺さんに、あたしの娘がズタズタにされているところなのだから。
「………………………………」
あたしの娘に手を出す奴には、死をもって償って貰わないとね♪
「『グングニル』!」
金色の槍を出現させたあたしは、高々と突き出して、全身の魔力を注ぐ。
途中、武器の方が悲鳴をあげたけど、お構いなしに注ぐ。
うるさい。まだいけるでしょ。もっとよ。もっと。あのジジイを一瞬で消すほどの魔力が必要なの。黙って魔力を蓄えなさい。
神器を黙らせると、あたしは魔力をさらに注いでいく。
あとになって思ったけど、たぶん人生で一番魔力を消費したと思うわよ?
「『ジャッジメント』!!!!!」
消し飛べ……ジジイ!!
あたしが投げた槍は、地面すら蒸発させながら、ジジイへと向かっていく。
さすがのジジイも、突然現れた莫大な魔力に振り向く。
しかし、もう遅い。
気づいたジジイは、あたしの技により蒸発させられ、空気へと溶けていった。
「あたしの娘を傷付ける奴等は、万死に値するわよ!」
あたしは、今にも気絶しそうな娘の元へと駆け寄る。
「ママ……」
「よく頑張ったわね。あとはママに任せなさい」
カルラは、頷く代わりに瞳を閉じた。
寝息を起てているカルラをオンブしようと抱き上げるが……体に力が入らない。
右腕を見れば、シワシワな枯れ枝のようになっていた。
「……ふふふ」
思わず笑ってしまったわよ。
結果的には、後からやって来たファルによって、2人共運ばれたんだけどね。
ほんと、ファルには怒られるし、散々よ!
話が飛びまくって分かりづらいですよね?
ごめんなさい。その場その場で書いてるので、計画の「け」の字すらないんです。
もう少し続きますけど、収束方向に向かっていきますんで、頑張って読んでください。
ではでは(^-^)/




