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三代目魔王の挑戦  作者: シバトヨ
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成長したあたしが挑戦なの!!

「ふぅー」

 ひとまず片付いたかな?

 お爺ちゃんを倒した後。神界の兵士たちが撤退するまでの間。あたしは適当に『デュランダル』を振り回して相手をした。

 ただ、ここまでずぅーーーーっと戦っていたから、魔力も体力も使いきっちゃった。

「お疲れさまです、カルラ様」

 負傷した兵士達が、あたしの方へと歩いてくる。

「他の人たちは?」

「無事、避難所へとたどり着きました。あとは、私達だけです」

「さぁ、カルラ様。皆にも無事な姿を見せてあげてください」

「うん。分かったの」

 兵士のおじさん達に頷いたあたしは、避難所として提供されている魔王城へと足を踏み出した。

 その直後――

「カルラ様っ!!」

「きゃっ!?」

 突然、あたしの後ろに居たおじさんが、背中を強く押してきたの。体力を消耗していたから、軽く押されただけで倒れてしまった。

「いたたたぁ……なにす……る…………」

 起き上がりながら、おじさんの方へと顔を向けると……

「おじさん!!?」

 背中をぱっくりと開いて地面に倒れ込むおじさんの姿があった。さっきまで普通にお喋りしていたのに……なんで…………。


「……外してしまいましたか」

「っ!?」

 神界の兵士!? それにしても、魔力が多すぎるの。

「おじさんを殺したのは、アンタなのっ!?」

 あたしが問うと、カリカリに痩せ細った長身の男は溜め息を吐き出した。

「えぇまぁ。本来ならば、君を殺すつもりだったのですが……まぁいいでしょう」

「…………」

 まぁいいでしょう……?

「『デュランダル』!」

 人一人殺しておいて……

「『フルプレートモード』!!」

 そんな言い草……

「ふざけるんじゃないわよ!!!」

 あたしの体が、白金(ぷらちな)の鎧に包まれたのと同時に地面を蹴る。

 宙に浮いたあたしは、太剣をまっすぐ構えて体ごと回転する。

「『龍突(りゅうとつ)』!!!!」

「『鎌鼬(かまいたち)』」

 無数の無色透明な刃とあたしの新技がぶつかり合う。

「ぐっ!」

 しかし、あたしの魔力が劣っていたため、刃の壁に弾き飛ばされてしまった。さらに白金の鎧も消えてしまった。

 本調子のあたしなら、なんの障害にもならない中級魔法なのに……!

「疲弊している君には悪いですが、これも我々の目的を達成するためですから」

 『デュランダル』が当たれば一撃で死にそうな男は、あたしへと突き出した右手に魔力を注いでいく。

「死んでください」

 淡々と告げられ、圧縮した空気の弾丸をあたしへと撃った。


「『ジャッジメント』!」

 左側から轟音を響かせながら、見慣れた金色の槍が飛んでくる。

「あたしの娘を傷付ける奴等は、万死に値するわよ!」

「ママ……」

 ビリビリに裂けたローブを着ているママの姿を見て、あたしは意識を失った。

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