初めての全面戦争に挑戦!
大陸一のリゾート地を満喫した俺とオルは、よく翌日には魔王城へと召集された。
「クサリさん、状況は?」
書斎で地図を広げて難しい顔をしているクサリさんに訪ねる。
「……あまり芳しくありません。幸いなのは、死人が出ていない事でしょうか」
「どっちにしろピンチなんですね?」
再度訪ねると、クサリさんはうつ向くような感じで頷いた。
「東方面は勇者領の協力により、なんとかなっています。しかし――」
声のトーンを少し落としながら、地図の左下を指すクサリさん。
「南西側のこの島は、完全に掌握されたと報告を受けております。ただし、避難は終えていたようなので捕虜や死傷者はいません」
南西側は、小さな島が点在しているから、なかなか守りにくい。そのため、1ヶ月ほど前から避難を進めていた。それが良かったみたいだ。
代わりに領土を明け渡したんだけどな。あとで取り返す。
「北西は姫騎士領と連携をとることにより、堪えている状況です。各地から援軍の要請が出ておりますが…………」
さらにトーンを落とすクサリさん。
兵力だと、魔王領が一番乏しい。送りたくても兵士がいないんだろう。
「魔界の方は?」
「魔界の方は戦闘事態が無いようです。増援の要請は済んでいますが、移動に時間がかかるようです。……速くてあと2日だそうです」
そこからさらに遅れるだろうから、場所によっては1週間くらいは見ておかないと不味いな。
「なら、一番遠いところから対処していこう」
そして、広げられた地図の左下――奪われた島国を指差して、
「ここから北上するように対処していく……!」
無謀なことと思いながら、絶対に取り返すつもりで宣言した。
勇者・姫騎士・魔王連合軍VS神界
世紀の大戦が今、幕を開けた!
ってところでしょうか。




