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ぼくに人間の友達はいないから  作者: 柚皮
1、こうしてぼくは、考えて
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よんばんめ、出くわす

ぼくは基本、帰宅部だ。


して、帰り道をぼうっと歩いている。


…やはりぼくに人との接点は必要だと思われる。


しかし、ぼくは人があまり好きじゃない、むしろ嫌いだ。


気分で上を見ると、帰り道にある桜が、葉をゆらゆらと揺らしていた。


人より、こんなささいな自然が好きだ、何も言わないけれど、その静けさが好きなのである。


木漏れ日が差して、さらに並木は綺麗さを増す。


とん、と何かにぶつかった。


ぼーっとしていると、よく人や木にぶつかるが、それはいつもと何かが違かった。


前を見る、そこにはキラキラとした根っこがあった、そうとしか言いようがない。


やわらかい、でも、しっかりとした根っこだ。


どこからぶら下がっていると上を仰げば、ガラスに囲まれた空のような空間の果てから降りているように見え、再び前を見ると、なんと根っこが動いている。


ふわふわと揺れるそれを見て、なんとなく小枝のような可愛らしさを感じたぼくは、それに触ってみた。


手触りも良く、不思議な感覚がぼくを魅了する。


持ち帰りたいと思うほどまで虜になったその時


根っこは、ぼくを捕まえるように、手に巻きついた。


「え?」


そして、ぼくを引き上げるように空へと縮み始める。


本当に驚いた時は声なんて出ないというが、まさに今、そんな状況だ。


手首が痛い、もうどのくらい上がったのかすら理解できないほど焦った。


そうしてぼくは、それに出会ってしまったのだった。



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