にばんめ、日々を過ごし
ぼくは一人である。
学び舎にいてもそれは変わらず、ずっと、こうして考えている。
耳が痛くなるほどの静寂はここにはない、代わりに耳が痛くなるほどの会話があふれている。
数年前まで孤独を感じていたぼくだが、すっかりこの隔離されたような立場になれてしまった。
「でさー、都市伝説が進化してるってわけ!」
「おぉう、それマジか?」
「まったく、昔と変わらずじゃないの」
「そんなことないよー!ちゃんと根拠があるんだから!」
あるグループがぼくの席の近くで騒いでいる。
そんな時は、よくこうして他人の会話をぼうっと聞く、おもしろいから。
「で?人工予言者ってなに?」
「ラプラスの魔って呼ばれていて、もっぱらネットで噂なのよ、知らない?」
「ネットには疎いからね、親がべんきょーべんきょーうるさいから」
「あ、ごめん…」
「いいよ、それで?予言者ってことは未来が分かるのか?」
「ラプラスの魔と言うと、倫理の授業思い出すなぁ……」
ふと思い出す、次の時間は倫理だった。
「あぁ、小テスト…」
「やっべ、勉強しなきゃ」
「範囲なんだっけ」
いつもこうして休み時間は過ぎる。
相変わらず、ぼくは一人だ。