いちばんめ、ところで
樹木のようにそびえる、ガラス張りの建物の群れ。
桜並木はガラス越しの光に揺れ、そもそもこの光が太陽からきたものなのかも分からない。
宙を飛ぶ車も、今や当たり前な光景となった。
両親の話によると、昔はこんなものなかったと懐かしそうに昔を語る。
蒼い空、広い海、電柱というもの、虫が好き勝手家に入っていた時期があったこと、ある動物の絶滅、魔物の話。
ぼくも幼いころはそんな環境にいたわけで、その話はぼくにとっても少し懐かしい。
でも、もうその光景は目にできないといわれている。
未来都市計画、絶滅したはずの魔物という生き物の襲来……。
でも、大体の原因は人間にあると思う、だって魔物なんて科学力で消し炭にしているほどだし、きっと、何かやらかしてこうなっているんだ。
ガラスは冷たくこの町を飲み込んで、山へ、海へ、広がっている。
自然保護をうたってドーム状に山や森を囲って、動物は完全に人間の管理下におかれた。
ガラスと言っても違うというけれど、ぼくはそこまで未来都市については詳しくない。
一般人という枠の中に、ぼくはいた。
はじめてこの場所に小説を書き始めました、ゆずごろもと申します。
井の蛙である私がこんなところにいてはいけないと思いつつ、やはり始めなきゃ始まらないと思い、書き始めました。
こんな者ですが、よろしくおねがいします。