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第9話 青年の悩み事?

歩いてる内に夜の帳が下りてきてしまった。


「少し急ぐか……」


「そうですな」


俺は歩く速度を速めた。


そんな時、草の茂みの中から何かが飛んできた。


「危なっ!!」


俺はとっさに神槍を出して、飛んできた物を弾いた。


「主、大丈夫ですか?」


「あぁ、しかし今のは一体……?」


そんな事を言ってるとまた何かが飛んできた。


「はぁっ!!」


今度は水姫が防いだ。


そして俺は槍を構えて、茂みに向かって言った。


「さて、姿を見せて貰おうか」


「……また会ったわね」


茂みから出てきたのはルーミアだった。


それともう一人。


「この人なの? ルーミア」


「誰だ?」


「私はミスティア・ローレライ。ルーミアの友達よ」


「へぇ……よろしくな」


とりあえずいつも通りに振る舞った。


「主、知り合いですか?」


「お前と会う前、金髪少女の方に喰われそうになった」


「……主を襲うなんて不届き千万!! 成敗してくれます!!」


なんかやる気出してるよ……この子。


「で、戦うつもりなのか?」


「えぇ、もちろん。あの時の復讐をするわ」


「貴方を闇の恐怖に取り込んでるあげる!!」


二人ともやる気だな。


なら俺も参加するとしようか。


「格闘戦をしようか」


「別に構わないわ」


「私も」


「主に従うのみです」


決定だな。


「水姫、守りからスキをつくぞ」


「かしこまっちゃいました。主」


「ミスティ。あれをやるわよ」


「うん、わかったわ」


弾幕ごっこが始まった。


「さぁ、闇に飲み込まれるが良いわ!!」


ルーミアが闇を作りだし、俺達を飲み込んだ。


そして格闘を仕掛けてきた。


「目が慣れれば見えるはず……」


「それまで耐えましょう」


俺と水姫は格闘の直撃を避けながら、耐えた。


そして闇に目が慣れてきた。


「よし、これで何とかなる」


「そんなに甘くないわよ!!」


ミスティアがそう言った瞬間、慣れていた目が見えなくなってしまった。


正確に言えば、微かに見えていた光が見えなくなってしまったのだ。


「また見えなくなった……」


「何なんでやがるか!!」


俺達がそんな事を言っているとミスティアとルーミアの声が聞こえた。


「私は人を鳥目に出来るの」


「そしてこれが私達のコンビネーションよ!!」


このルーミアの台詞と同時にまた攻撃が始まった。


「クッ!!」


「きゃっ!!」


闇の中で爪のような斬撃が舞う。


俺達はしばらくの間、闇に翻弄されて何も出来ずにいた。














一時的に攻撃が止んだ。


「はぁ……はぁ……。水姫、無事か?」


「えぇ、……主こそ大丈夫ですか?」


「意外と……マズイかもな」


俺はここで打開策を探すため考え込んだ。


「水姫。お前って力を感知する事って出来るか?」


「まだ完全に感知出来るわけではありませんが……」


「周囲20m以内ならどのくらい精度が上がる?」


「大体……素早い動きの物体を3個捕らえるくらいですな」


「それぐらい出来れば充分だ。良いか? まず…………」


俺は水姫に耳打ちした。


打開策を伝えるために。


「出来るな?」


「もちろんでございますです」


「よし、ならば背中合わせで行くぞ」


「かしこまっちゃいました」


俺と水姫は背中を合わせた。


「どんなに策を練ったところで……」


「私達に勝てるわけがない!!」


闇の何処かからか声が聞こえてきた。


「……水姫」


「はい、3と7……4と8……5と9……」


「『サイキック・インパクト・ブラスター』」


俺は技の構えをした。


例えるならか〇はめ波みたいな構えだ。


しかし放つ訳では無い。


しっかりと狙わないと駄目だからな。


「7と11……8と12……」


水姫のタイミングに合わせる。


そしてその時が来た。


「11と3!!」


「発射ぁぁぁ!!」


俺は真っ正面に極太ビームを放った。


「きゃあぁぁ!!」


誰かに当たったようだ。


声からしてミスティアだ。


「水姫!!」


「かしこまっちゃいました!! 『迅雷・時雨の型』!!」


水姫は双牙を取り出し、周囲20m以内を切り裂いた。


「くっ!!」


「きゃあ!!」


今度は二人当たったようだ。


まぁ避けるにしても、『迅雷・時雨の型』は斬撃速度が速いから避けにくいんだよな。


「お、闇が消えた」


「作戦成功でござんすな」


「やっぱり強い……!!」


「ここまでやられるなんて……!!」


ルーミアとミスティアは損傷を負いつつも戦闘態勢だ。


「もうやめておけ。もう傷付けたくない」


俺はそう言って、戦いを止めようとした。


しかし、


「せめて一太刀!!」


とルーミアが斬りかかってきた。


「はぁ……"せめて一太刀"ねぇ……」


俺はルーミアの剣を槍で受け止めた。


そして弾き飛ばした。


「くぅっ!!」


ズザァァ!!


「ルーミア!!」


ミスティアがルーミアに駆け寄った。


「水姫、二人を治療してやってくれ」


「よろしいのですか?」


「構わない。怪我を治してやってくれ」


「かしこまっちゃいました」


水姫は二人に駆け寄り、治療した。


「……水姫に頼ってばかりだな……強くなりたい……」


俺は夜空を見ながら呟いた。


正直、頼るのは良い事だと思う。


しかし俺には抵抗がある。


抵抗がある理由は頼る事に恐怖があるからだ。


頼り過ぎて、誰かの足を引っ張るのが怖い。


頼るばかりで自分が弱体化しそうで怖い。


そしていつか、俺はいらない存在になってしまうのが怖いのだ。


だから余り頼るような事はしたくない。


「主、治療が終わりました」


「……あぁ、ありがとう」


「どうかしやがりましたか?元気が無いようでございますですが…………」


「いや、なんでもない」


「? ……それなら良いのですが……」


水姫には情けない姿を見せられない。


情けない姿を見せたら、俺のところから離れていくかもしれない……。


「……帰るか。腹減ったし……」


「かしこまっちゃいました。主」


「また……会いましょう」


「今度は負けないからね!!」


俺と水姫はルーミア&ミスティアと別れて自宅に向かった。










家に着いた頃には星がくっきり見えるぐらいになっていた。


「さてと夕飯はどうするかな?」


「山菜ならありますたい。あとお米も」


「なら、今日はそれで乗り切るとするか」


「あと少しの辛抱でございますからな」


とりあえず夕飯決定。


「よし、作ってきてくれ」


「かしこまっちゃいました」


水姫は川へ向かった。


俺は一回、家の中に入った。


そして床に座り、考える。


(力を察知する技か……どうやるんだろ……)


まぁ考える内容は水姫が使った技だったりする。


力を察知することが出来れば、強い相手に気づかれる前に逃げる事が出来る。


(水姫にやり方でも教えてもらうか)


俺は水姫に頼る事にした。


抵抗はあるが、自らが強くなるなら我慢する。


そして………自分だけでは無く、仲間を守れるようになる為だ。


(絶対に……家族は守るんだ)


そんな決心を俺は固めた。


するとナイスタイミングで水姫が


「夕飯出来ましたでございますで〜す!!」


と言ったのが聞こえた。


「腹ごしらえして今日は寝るとしよう」


俺は河原へ向かった。



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