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第7話 霊・妖・魔・神

「説明はこれぐらいだけど、質問はあるかしら?」


と紫が扇子を持ちながら言った。


「無い」


「無いです」


俺と水姫は一言で返事を済ませた。


「……俺からも以前話せなかった事を話すとしよう。紫なら覚えているだろう?」


「えぇ。もちろんよ」


「それじゃあ一言で済ませるとしよう。俺は…………人間でも妖怪でもない」


「え!?」


「ん? どういう事だ?」


「いや、聞いた通りでしょ」


水姫を除いて紫は驚き、魔理沙は理解出来ず、霊夢は突っ込んでいた。


まぁさっき紫の説明だと幻想郷にいるのは"人間""妖怪""妖精""魔法使い""天人"…………色々らしい。


しかし俺の記憶にはどの言葉もピンと来なかった。


"化け物"の方がピンと来る……。


全く……俺は何なんだろうね?


「そしてもう一つ。霊力についてだが………多分、俺が霊力を持つ何かを取り込んでるんだと思う」


「取り込んだ? 一体何を?」


霊夢が尋ねてきた。


「……まだそこはわからない。しかし何かを取り込んだのは事実だ」


「でも……取り込むってどうやって?」


「ん〜……食べた? …………いや、"助けるために食べた"の方が正解かな?」


「助けたってどういう……」


「それは色々と思い出してからだな。まだ不確定な事が多いし……」


俺は話を打ち切った。


これ以上は、話してもわからないからな。


「……わかったわ。色々と調べるのに使わせてもらうわね」


「あぁ、了…………え? 調べるって何を?」


危うく了解しかけた…………。


「貴方の事よ。一応、妖怪達の味方か、否かをね」


「……それなら構わない。もし敵だとしても幻想郷(ここ)の妖怪には手を出さないだろう。多分」


「多分って……随分と曖昧ね」


「記憶回復とその後の俺次第だからな。未来は分からないのさ」


「まぁ敵対したら私達が吹き飛ばしてやるから安心するんだぜ!!」


「いや、安心出来ないよ!?」


「全くです。いざとなれば私が主を……」


「やめて!?」


俺達はこの後も楽しく会話していた。


時を経つのも忘れて。










気がつくと空はあかね色に染まっていた。


「そろそろ私は帰るとするぜ」


魔理沙は箒に乗り、浮いた。


「あぁ、またな」


「おぅ!! 次戦う時は負けないからな!! 覚悟するんだぜ!!」


「まぁ、その時にはスペルを完成させて今より強いだろうな」


「ははっ。楽しみにしてるさ!! ……んじゃ、またな!!」


「じゃあな」


魔理沙は箒に乗り、物凄いスピードで飛んでいった。


「主、そろそろ……」


「あぁ、帰るとするか」


「また来なさいよ。どうせ暇だし」


「わかった」


「あ、そうそう。響介、もう人里に入れるようにしたから活用すると良いわ」


「了解した。これで自給自足の生活が楽になる……でも金が無い」


せっかく人里に入れるようになったのに買うお金が無いって…………悲しいな。


しかし紫はとある策を教えてくれた。


「…………人里とかで仕事の手伝いでもして稼ぎなさい」


「まぁ水姫と頑張るさ。……それじゃ、またな」


「失礼致しちゃいます」


「えぇ、またね」


「ごきげんよう」


「『瞬間移動』」


俺と水姫は家へと瞬間移動した。










俺達は自宅の目の前に出現した。


「さてと……明日は色々と大変だな……」


「記憶探しと仕事探しでござんすよね?」


「あぁ。とりあえず俺と明日人里に向かう。可能なら水姫もついて来てくれないか?」


「えぇ。私は構いません」


「よし。なら今日は早く寝て明日に備えよう」


俺と水姫は保存していた野菜と釣った魚で夕飯を済ませて、眠りについた。










「…………ん? ここは?」


気がつくと俺は謎の空間にいた。


先が見えない程に広くて白い世界。


足元には俺が大の字になって寝れるぐらいの床がある。


そして後ろを見ると丸くて光る物が4つ、並んで浮いていた。


「なんだろ……これ」


4つの塊はそれぞれ別々の色を放っていて、その光は見る者を引き付ける。


塊の光の色は赤、紫、青、白だった。


その時!!


カッ!!


「ま、眩しっ!!」


塊は急に輝きだして、形状が変化していく。


紫の塊は銀の狼に、青い塊は黒い龍に、赤い塊は白い天使に、白い塊は赤い鳳凰の姿になった。


そして狼が喋りだした。


「……また会ったな」


聞き覚えのある声だった。


ルーミアに襲われた時に助けてくれた声だ。


「お前……もしかして銀狼?」


「あぁ、そうだ。儂は銀狼。お主の妖力の源なり」


「これが俺を拾った奴か……中々な力がありそうだ」


その隣の黒い龍は俺を見ている。


龍と言っても蛇みたいな体じゃなくてレッ〇アイズ・ブ〇ックドラ〇ンみたいな感じだ。


「で、黒い龍の名前は?」


「俺の名前は黒龍(こくりゅう)。お前の魔力の源だ」


(名前って……そのままなんだね……)


俺はそんな事を考えた後、黒龍の隣に視線を向ける。


そこには白くて大きな羽、金髪ロングヘアー、我が儘ボディの女性がいた。


「で、さらに隣の人は?」


「はいは〜い!! 私の名前は天星(あまほし)!! 貴方の霊力の源は私よ!!」


元気な印象を与える天使だった。


「確か……取り込んだんだよな」


「そうよ。消えかけてた私を助ける為に貴方は私を取り込んだの」


「あぁ……そんな感じの記憶があるような……」


一部分の靄が少しずつ晴れていくのを感じた。


「で、鳳凰は一体何?」


これは……一目瞭然だと思う。


「我は鳳凰……まだ力は解き放っていないが、お前の神力の源だ」


「……っていう事は……神様なのか?」


「そういう事だ」


正直俺は驚いた。


まさか神様まで取り込んでたなんて……。


「なんか俺って色々と取り込んでるみたいだな……」


「でも〜……気にしなくて良いんじゃない?」


天星が笑顔で言った。


畜生、天星。


笑顔が兵器じゃないか……。


「……しかし何故俺はここに?」


「うむ。簡単に言うならお主の取り込んだ力を再度認識してほしかったのだ」


銀狼が説明した。


「まぁ神様を取り込んでるのは驚いたもんなぁ……」


「そしてもう一つ。我の力を解放する報告だ」


「力を……解放する? それって一体……」


俺が質問しようとした時、銀狼が何かを察知したように喋った。


「む……そろそろ時間のようだ」


「え? 時間って?」


「貴方が起きる時間って事よ」


「何? もう朝なのか?」


「そういう事になる」


黒龍が答えた後、鳳凰が別れの言葉を言った。


そして銀狼、黒龍、天星はそれに続くように言った。


「それでは響介よ……頑張れ」


「儂達はいつでもお主の中にいる」


「……強くなれ」


「それじゃあ、まったね〜!!」


それぞれが言いたい事を言ったら、目の前が光に包まれた。










目を開くと家の天井があった。


「夢? …………違うか」


「おはようございましたりしまする。主」


水姫が布団の横に来た。


「あぁ、おはよう」


「ちなみにもうすぐ朝食です」


水姫は立ち上がり、家の裏口から出ていった。


「……さてと、今日一日頑張るとしますか!!」


俺は布団から出て、伸びをしてから水姫の後を追った。



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