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第48話 神霊大量発生異変

野道をゆっくりと歩きながら家へと帰ってる。


「神霊か……。ここまで大量に出てくるようなものだったか?」


「それは無いでしょう」


「幽霊とは違うのですか?」


ウィルが質問してきた。


そういえば神霊ってなんだろ……。


「難しい質問だな……少し情報を集めてこよう。水姫達は家に居てくれ」


「何故でしょう?」


「家の安全を守ってほしいのと……何か嫌な予感がする。二人はお互いに守りあってほしい」


「わかりました。ですが早めに帰ってきて下さいね」


「わかってるさ。んじゃ行って来る」


「いってらっしゃいませ」


俺は空高く飛んだ。


そしてある程度離れると俺の近くの空間が開いて中から柚希ねぇが出てくる。


「ねぇ響ちゃん」


「どうした? 柚希ねぇ」


「出来るだけ急いでね。ここ一週間の内に奴等が動き出すわ」


「あぁ。わかってるさ」


俺は加速した。


「それともう一つ」


「何?」


「響ちゃんは……これから情報集めするみたいだけど行く当てあるの?」


「まぁ霊繋がりで冥界かな?」


「凄く単純………まぁそれが響ちゃんらしいけどね」


「とりあえず聞くが……柚希ねぇはついてくるのか?」


「そのつもりだけど?」


「じゃあその中から出てきなよ……ややこしいから」


「は~い」


柚希ねぇは空間の裂け目から出てきた。


「柚希ねぇは飛べるのか?」


「あんまり飛べないって前に言ったよ?」


「仕方ない……俺に捕まってな」


「響ちゃん優しいね。んじゃ背負って~」


「手早くな」


「うん」


俺は柚希ねぇを背負い、冥界へと飛んだ。










俺は冥界に入り、白玉楼を目指して飛んでいるのだが……


「……なぁ柚希ねぇ」


「何? 響ちゃん」


「いつまで俺の上に居るんだ?」


柚希ねぇがまだ俺の上にいる。


「だってまだ飛んでるからしょうがないじゃない」


「そろそろ降りてくれ。もう白玉楼の門だからな」


「……わかった。…よっ」


「ふぅ……さてここの主人は居るのかね………夜分遅くに悪いが誰か居ないのか?」


扉の前で言ったら、


「あら、響介じゃない……お隣さんは初めてね」


「お客さんですか? ……響介さんと初めての方ですね」


幽々子と妖夢が出てきた。


「はじめまして。神代柚希よ。響ちゃんとは昔からの友達なの」


「……腕にくっつきながら言っても勘違いされるだけだろ……」


「大丈夫よ~。別に狙ったりしてないもの~。で、用件は?」


「霊繋がりで、神霊について聞きにきた」


「そうね……私を倒したら教えてあげるわよ!! 妖夢は手出ししないでね」


「わかりました」


「しょうがない……やるか。柚希ねぇは下がってくれ」


「頑張ってね~」


俺は武器を構えた。


さて、始まった……。


どうするべきか……。


「まずは撃ちまくる」


とりあえず弾幕を展開して、幽々子にダメージを与える。


すると幽々子がスペルを構えた。


「中々やるわね」


「符蝶『死蝶の舞』!!」


蝶の形をした弾が飛んでくる。


「なら俺もスペルを使うか……」


「念砲『サイキック・インパクト・ブラスター』!!」


俺は極太レーザーを放つ。


それは幽々子の弾を全て消し去り、幽々子を捕らえた。


「きゃあ!?」


念砲が消えた後、蝶が出て来なかった。


「まず一つ……さて次だ」


俺は少し後ろに下がる。


幽々子はまたスペルを構えた。


「まだまだよ〜」


「幽蝶『ゴーストスポット』!!」


また蝶が飛んでくる。


さっきより量が増えてる。


「中々の量だな。グレイズしておこう」


まぁ流石にスペルを使い過ぎると後々危ないからな。


温存しながら頑張っていこう。


しばらくして幽々子のスペルが切れる。


「これで二つ目。さて、どうなるかな?」


「次はこれよ~」


「冥符『常夜桜』!!」


幽々子は様々な方向に蝶を放つ。


しかし、俺に当たらない方向に撃っている。


「どうした? どこを狙っている?」


「ふふふ〜、心配しないで〜。ちゃんと響介を狙ってるから〜」


俺は蝶を見た。


すると蝶は結界にぶつかり弾幕となって跳ね返ってきた。


しかもしっかりと俺の方向に。


「なるほどな。そういう技か」


「まだまだいくわよ~」


幽々子は少しずつ放つ弾幕の量を増やしていった。


これ以上長引かせるのはまずいな……。


「こいつで決めるぜ!! 念砲『サイキック・インパクト・ブラスター』!!」


「きゃあっ!?」


俺はスペルを使って全ての弾幕もろとも幽々子を吹き飛ばした。


そんなこんなで幽々子を倒した。


柚希ねぇは白玉楼の縁側でお茶を飲んでいた。


「まったく……時間かかり過ぎだよ」


「お茶飲みながら言うな」


「あいたたた……負けちゃったわね」


「さて、教えて貰おうか。神霊について」


「約束だものね。……神霊は亡霊とは関係無いわ。そして神霊は欲を形にしたものよ」


へぇ、欲を形にした姿=神霊なのか。


「ヒントをあげる。お寺の墓地は怪しくないわ」


「怪しくないんだ……」


「わかった。ありがとう。邪魔したな」


俺は命蓮寺に向かって飛んだ。


「この【桜符『西行桜吹雪』】は使わないで正解だったかしら?」


という幽々子の呟きを残して。










俺は今は命蓮寺に居る。


ついさっき着いたばかりだが凄い量の神霊が集まってるのがわかった。


「さて……どうする?」


「見て回るのが一番でしょ?」


俺と柚希ねぇは境内を歩きながら呟いた。


すると


「見て回るのが一番でしょ?」


声が跳ね返ってきた。


「む……山彦にしてはおかしい…」


「妖怪の仕業っぽいかもね」


俺は槍を構えた。


「お寺の中では殺生禁止だよ!」


箒を持った緑髪の少女が出てきた。


「ただの威嚇だ。それより名前を名乗って貰おうか」


「私は幽谷 響子。幽谷響(やまびこ)の妖怪よ」


「響ちゃんと同じ「響」が入ってるみたいね」


「まぁここは通り過ぎても……」


「何となくここを通す気は無いよ。私との勝負に勝てば良いけどね」


なんとなくかい……。


もうさっさと倒すか。


「はぁっ!!」


俺はいきなり弾幕を連射して当てる。


「きゃあ!!」


響子はそれを喰らって吹き飛んだが、立て直してスペルを放った。


「響符『マウンテンエコー』」


弾幕が結界に触れて跳ね返ってくる。


跳ね返るのがブームなのか?


まぁ、避けやすいけど……。


充填砲(チャージショット)!!」


低速移動しながらチャージして威力の高まった弾を放った。


威力が高めなので響子のスペルが終了。


するとすぐに響子がまたスペルを構える。


「響符『パワーレゾナンス』」


今度は結界に触れずに弾が跳ね返っている。


少し避けにくくなったが、まだまだ余裕である。


「もう一発!! 充填砲(チャージショット)!!」


「ひゃう!!」


パワーレゾナンスを終わらせ、響子は新たにスペルを構えた。


「山彦『ロングレンジエコー』」


響子は前、右、左に弾を撃った。


するとその方向から弾が飛んできた。


しかも後々の弾ほど大きくなっている。


ただ、見た感じの欠点は弾と弾の間隔が広い事。


まぁ避けやすいよな。


ロングレンジエコーはしばらくしたら終わった。


まぁ威力が低くても大量の弾幕を当てまくったからだと思う。


「大声『チャージドクライ』」


弾が一箇所で反射しながら迫ってくる。


そして、弾が散らばる。


一般にいうランダム弾幕だ。


ランダムなので回避しにくい。


「ほう…………中々だが、甘いんだな。これが……念砲『サイキック・インパクト・ブラスター』!!」


「きゃあぁぁぁぁぁ!!」


はい、終了。


………断末魔がうるさい。


「お疲れ~」


「さてと、先に進めるな」


と言うと響子が、


「さてと、先に進めるな」


と真似した。


「山彦ってオウム返しだろ?」


「そうだよ。だから虐めないでね」


虐める気は全く無いんだが……。


俺は響子を休ませて命蓮寺の墓地へと向かった。










取り合えず響子を倒したので、色々と見て回っている。


墓地を歩いていると一人の少女が立っていた。


「ち~か~よ~る~な~!」


両腕を前に出し、額に札を貼った少女だ。


「君はキョンシーってところかな?」


「私、キョンシーって映画とかでしか見たこと無いなぁ」


「あ〜た〜り〜だ〜! 私の名前は〜宮古 芳香だ〜」


何か面白いかも。


「まぁ君には悪いけど、ここを通らせてもらうよ?」


「駄目だ〜。我々(キョンシー)の仲間になるなら良いけどな〜」


「柚希ねぇ。戦ってみる?」


「ん~……どっちでもいいよ」


「ならお願いします」


「わかった。……でスペルは1種類だけ?」


「そうだよ」


「わかった。がんばるよ!!」


柚希ねぇがやる気出した。


俺は離れて戦いを見ることにした。










【side out】




「とりあえず弾幕は出せるし……何とかなるよね?」


私は夢操の矛を異空間から取り出した。


「お前が相手なのか~」


「まぁね。響ちゃんのための道を作らせて貰うから」


私は弾幕を打ち込んで、キョンシーの……なんて名前だったっけ?


まぁ損傷を与えていく。


するとキョンシーはスペルを発動させた。


「回復『ヒールバイデザイア』」


周りに魂みたいのが現れた。


邪魔だったので、それを破壊したらキョンシーの傷が癒えるのが見えた。


「どうやら人魂を破壊すると回復するみたいね」


私は魂っぽい物を破壊せずに、直線的な弾幕で損傷を与える。


しばらく弾を当てていると、


「ぐわぁぁ!」


回復スペルが終わったみたい。


確かに回復されたら厄介だね……。


「毒爪『ポイズンレイズ』」


またスペルが来た。


「よっ……ほっ……」


このスペルは回避が難しい………。


弾は小さいのだが、量が多い。


「スペルを使おうかしら?」


「超術『次元切断』!!」


次元を切り裂いて空間に穴が開き弾を消し去った。


そして空間の穴から消し去った弾と同じ質量の巨大な弾が放たれてキョンシーに直撃する。


「ぬおぉぉぉぉ!!」


何か、笑いそうなんだけど……。


まぁスペルは終わらせたから良いか。


「欲符『稼欲霊招来』」


またスペル……しかも今度は回復量が多い……。


長期戦は不利と考えたから、私はスペルを使う事にした。


「もう面倒ね……だから吹き飛ばしちゃおうっと」


「超術『次元切断』!!」


一撃の威力を上げた弾をキョンシーに撃ち込む。


「や〜ら〜れ〜た〜!!」


「ふぅ。それじゃ、先に行かせてもらうわね」


私はキョンシーを座らせた。


「柚希ねぇ。お疲れさま」


「良い運動になったよ。だから抱きしめて」


「なにゆえ?」


「響ちゃんの頼みを聞いたから」


「仕方ない……飛び込んでこい」


「うわぁい!! 突撃ぃ!!」


「ちょっ!? 柚希ねぇ!?」


私が響ちゃんのお腹に突撃した。


すると響ちゃんと一緒に吹き飛んで転がりながら洞窟の中に落ちていく。


「また"あの宗教戦争"が起こるのかぁ!? ……ってなんだっけ?」


というキョンシーの何とも言えない発言を聞いた気がするが気にしない。





【side out】



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