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第34話 朝起きて→森の先へ

「…………う、う〜ん………朝か?」


よくわかんないが目が覚めてしまった。


日差しは確認出来ない。


まぁ良いや。


「……さて今日は付近の探索をするんだったな……準備をしないと……」


「主、おはようございます」


水姫が割烹着を着て部屋に入ってきた。


どうやら料理していて、ちょうど手が少し空いたから俺を起こしに来てくれたようだな。


「あぁ……おはよう。……まだ眠いな……」


「寝ちゃ駄目ですからね」


「わかってる……ちょいと顔を洗うか……」


俺は立ち上がり、洗面所へ向かった。


まぁ洗面所と言っても台所に向かう。


洗面所は風呂場の脱衣所にあるのだがそこだと………まぁ女を敵に回す事になる。


だから台所で顔を洗うのだ。


「そういや、魔理沙は?」


「朝早くから"紅魔館の図書館に用事があるから出かけてくるぜ"って言って飛んでいきました」


「…………防犯とか大丈夫なのか?」


「知りませんよ」


「仕方ない………あとで鍵を渡しに行こう……」


俺は顔を洗い始めた。


隣では水姫が野菜を切りはじめた。


「ですが紅魔館まで距離があるのでは?」


「……水姫……俺には転移する技があるだろ?」


「そういやそんな技もあったりしましたな。その技で届けるのですか?」


「鍵だけな。手紙付きで」


「なるほど……まぁ鍵は主に任せます。面倒なので」


「水姫………それで良いのか?」


「特に問題はありません。これが私なので」


「………わかった」


俺は台所から離れて筆ペンと紙を出現させて机に向かう。


「"魔理沙へ……鍵を渡しておく 風戸響介"……。そういえば封筒忘れてたな…………この中に入れてっと……宛名書いておくか」


「ふわぁ………おはおうございます……」


ウィルが起きてきた。


「おぉ、おはよう」


「……何をされているのですか?」


「この家の鍵を預かったから後で返さないといけないから用件の紙を書いてた」


俺は紙をウィルに見せた。


「魔理沙さんは防犯とか考えていらっしゃるのでしょうか…………」


「ある程度は考えてるだろう。ただ今は考えが甘いだけさ…………で、もう一人の方とはどうだったんだ?」


「仲良く話せましたわ。とても面白い方でございました」


「そうか………そういえばいつか人格同士が統合されたりするのか?」


「出来れば統合したくないですね。話すの楽しいですし」


「まぁ自分の意思で決めるのが一番だろ」


「そうですよね。あ、顔洗ってきます」


「あぁわかった」


ウィルは洗面所へ向かった。


「……今日も平和だな。戦いが無いと良いけど……」


「主、ご飯が出来ました。さっさと運びやがって下さい」


「……扱い荒い……一応上司的な地位なのに……」


「いつもの事じゃないですか。今さら何を言ってやがるんでございますですか? さっさと運んで下さい」


「はいはい。わかったよ」


俺は二つ返事で料理をテーブルに運んだ。


それと同時にウィルが戻ってきた。


「あら、もう朝ご飯ですのね。私もいただきますわ」


「ま、今日はさっさと食べて出かけないとな」


「それじゃ食べましょうか」


「「「いただきます」」」


俺達は朝ご飯を食べ始めた。






















ガチャ


魔理沙の家の鍵を閉めて鍵を封筒の中に入れた。


「"瞬間移動"」


封筒は一瞬で消えた。


ちゃんと魔理沙に届くかな?


「さてと……二人とも? 準備は良いか?」


「問題無いです」


「大丈夫ですわ」


「あ、その前に一個だけウィルに確認しないと……」


「なんでしょう?」


「お前………空飛べるか?」


「…………はい?」


ウィルは首を傾げた。


どうやら俺が言った事が理解出来てないようだ………。


まぁ予想は出来てた。


いきなり「空飛べる?」って聞かれたら、「なんの冗談?」みたいになるだろう。


「あ、冗談じゃないからな? 空飛べる? Can you fly?」


「無理です。私は飛べません。っと言うより飛べるはずがありませんわ」


「なら仕方ないな。"サイコキネシス"」


俺はウィルに手を翳してサイコキネシスを発動させた。


「え? ひゃあ!?」


するとウィルは浮いた。


その後、しばらく同じ高度を維持する。


「これでウィルも飛べるな」


「きょ、響介様!? これは一体!?」


「俺の力。飛べるようになるまでこうするしか無いだろ?」


「それじゃ魔法の森の奥へ行きますか」


「そうだな」


「え? ちょっと……」


俺達は森の上に浮いた。


「とりあえず奥に行ってみよう」


「了解です」


「響介ぇ!! 私の話を聞いてよぉ!!」


ウィルの口調が変わった。


元々ウィルの口調は今の感じなのだが、親の影響で姫様的な口調にされているのだ。


日頃は頑張って元の口調を出さないようにしているが、慌てたりするとすぐに口調が戻ってしまう。


「とりあえず後で聞く」


「そんなぁぁぁ!!」


俺達は香霖堂とは反対側へと飛びはじめた。


「結構魔法の森って広いな」


「そうですね」


「もう少しマシな飛ばし方してよ!!」


ウィルが文句言ってきたが、正直言って全く怒る気にもならない。


だって慌て過ぎてるからな。


恐らく萌えの部類に入るだろう。


「今のところ無いから無理だ。我慢してくれ」


「スカートの中見えちゃうよ…………恥ずかしい」


「安心しろ。幻想郷だとみんなスカートで飛んでるからな」


「全く安心出来ないよ!?」


「大体、結構なスピードで飛んでるんだ。見えないよ」


「……むぅ……」


ウィルは黙りこんだ。


「主、そろそろ降りましょう。森の端に着くみたいです」


「わかった」


俺達はゆっくり降下していった。


スタッ


「ふぅ……念を出し続けるのも疲れるな」


「お疲れさんです」


「もう……口調が戻ってしまいましたよ………」


「ま、気にするな。それにしても森の奥にこんな場所があるとは思わなかった」


俺は周りを見渡した。


道のような所の左右に何かの芽のような物がある。


今は夏で草木が一番盛んになるはずだが、ここの植物はまだ成長段階だ。


「水姫。ここの芽で花を特定できるか?」


「やってみます……」


水姫は植物に触れて調べ始めた。


「…………恐らく"全て"彼岸花でしょう。秋にならないと咲かないのでこの状態だと思われます」


「これ全て彼岸花ですか? それならば是非秋になった時に見に来たいです」


「……ん? まだ奥があるみたいだ。行ってみるか」


俺は道を歩いて、奥へ歩きだした。




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