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第33話 それぞれの夜

【響介】


魔理沙の家でご飯が食べ終わり風呂も入った。


貸して貰った一部屋で俺は寛いでいた。


水姫は風呂、ウィルは外に居る。


「さて…………明日はどうするかな……」


俺は少し考え込む。


魔法の森の奥には彼岸へと繋がる三途な川があるようだ。


師匠が友人を増やしておけって言ってたから三途の川まで明日歩こうかな。


しかし生きてる生命体が三途の川に行って大丈夫なのか?


……あ、既に冥界に行ったから大丈夫だよな。


死後の世界に生きてる間に行くなんて誰も思いもしないし、元の世界よりは良い刺激だと思う。


「今日の月は確か……半月から少し削れた月だったっけな。……あと大体5日。さてと、寝るか」


俺は明日の行動の予定を決めて布団の中へ潜ったら部屋の扉が開いた。


















〜side out〜



【水姫】


私は体も洗ったので風呂に浸かりました。


「ふぅ……………今日は疲れちゃいましたな」


魔理沙殿の家の掃除やら主の機械弄りの手伝いやら大変…………。


でも主から離れるつもりはありません。


"山姫様"の頼みという事もありますが、主と行動を共にすると楽しいですから。


ちなみに山姫様は妖獣の私に人間の姿を与えて下さり、禁じられた山の神様です。


声は聞いた事はありますが、姿は見た事ありません。


ただとても美しい方だと聞いています。


「山姫様……心配してくれちゃってますかな……?」


私は天井を見上げました。


そして風呂の中へ沈んでいきます。


………………。


ザバァ!!


「はぁ………。さてと素早く着替えて明日に備えなければならなかったりしちゃいます」


私は浴槽から出てタオルを持ち、着替え始めました。


















〜side out〜



【ウィル】


私は外で神に祈りを捧げていました。


「やっと響介様に会えました―――父なる神よ、ありがとうございました」


祈りを終えて立ち上がり、空を見上げてみます。


魔法の森は空が見えにくかったのですが、魔理沙さんの家の周りは空が見えました。


「それにしても随分と魔力が森を漂ってますわね………」


魔女の私と感覚を共有してるからなのかもしれませんが、魔力が漂っているのがわかりました。


時間も時間ですし、そろそろ戻った方が良いみたいですね。


「とりあえず戻ったらお風呂に入って寝ると致しましょう。夢ではもう一人の私と会わなければなりませんし…………」


私はルンルン気分で魔理沙さんの家の中へ戻りました。


そして部屋の扉を開くと目の前には布団に入った響介様がいました。


「ただいま戻りましたわ」


「おう、おかえり。風呂入っておけよ」


「わかっていますわ。響介様、もしかして今から眠ろうとしておられましたか?」


「ん? まぁ半分当たりだな。今布団に入ったばかりだが、まだ寝るつもりは無い」


「そうなのですか……」


私と響介様が話していると


「ただいま上がっちゃいました。ウィル殿、次どうぞ」


水姫さんがやってきました。


なんか濡れた髪が綺麗に見えますね……。


「あ、はい。わかりました」


「おや、主。もう寝やがりますのか?」


「ただ寝転がってるだけだ。水姫は髪を乾かしておけよ」


「わかってますの事です」


「それでは私はお風呂に入ってきますね」


私は部屋を出てお風呂へと向かいました。

















〜side out〜



【神代柚希】


「はぁ………あと5日ね。早く5日経たないかしら……」


私は木の上に座り、空の月を見上げながら呟いた。


約束の日まであと5日。


響ちゃん………弟子(仮)の響介は今頃何やってるかしら………。


……まぁ響ちゃんなら約束通りに来てくれるでしょ。


私の大好きな響ちゃんだもんね。


「さてと……寝ようかな…………」


「見つけたぞ!! 山姫……神代柚希!!」


突然、木の下の方から男の声が聞こえた。


「あちゃー……見つかっちゃったかー」


「お前は包囲されている!! 降りてこい!!」


私は木から飛び降りて、男の前に立った。


見た感じ部隊長と言ったところね。


周りには10人ぐらい退魔士がいて、私を狙っている。


「意外と早いわね。退魔陰陽連合軍」


「入るのには苦労したが、お前が幻想郷へ転移した後の空間の歪みを解析して同世界の中でなら転移が出来るアイテムが出来てな」


「で、こっちに来た……と」


「そういう事だ。あの方ももうすぐこの世界にやってくるだろう」


「へぇ……で、私に何か用かしら?」


「お前を殺しに来た」


男がそういうと退魔士達は力を高めた。


「殺せるなら殺してみせて? 貴方達程度の退魔師じゃあ、私を苦しめる事すら無理だろうけどね」


「っ!! お前ら!! やってしまえ!!」


男はイラッと来たみたいで、すぐに攻撃を仕掛けてきた。


怒りっぽい男は嫌ね………やっぱり響ちゃんみたいな人が好きね。


私は木を利用して飛んでくるお札とかを全て避ける。


「ふふっ。ほらほらこっちこっち〜」


「き、貴様ぁ!!」


「あら、怒ってばかりだと女性に好かれないわよ?」


「う、うるさい!! 早く奴を仕留めろ!!」


やっぱり挑発は楽しいわね。


良い感じに動いてくれるから笑っちゃうわ〜。


「でもそろそろ決めちゃいますか!! "夢操の矛"!!」


私は空間を裂いて中から夢操の矛を取り出した。


ちなみにこの矛は名前の通り、夢を操れる。


悪夢を普通の夢にしたり、夢の中へ入れたり出来るのだ。


この槍で響ちゃんの夢に入ってるのよね。


「"憑依装術・魔"!!」


私は憑依装術を使って魔力を纏う。


すると矛が剣になった。


ちなみに響ちゃんの憑依装術と私の憑依装術は違いがある。


響ちゃんのは体の中にある力の持ち主と憑依装術を行うのだが、私の場合は体の外にある力を取り込んでその力に対応した姿になるのだ。


霊力なら天使、魔力なら堕天使、妖力は今は無い。


そして神力だけど、私は神様だから憑依装術・神は使えないの。


まぁそんな事は置いといて……っと。


「暗黒の斬撃!!」


私は一回転して剣を振った。


すると剣から黒い衝撃波が発生して退魔士達を吹き飛ばす。


「ぐっ!?」


「「「……!?」」」


そして吹き跳んでる退魔士達に向かって力を発動させる。


「"ワームホール"!!」


「うわぁぁぁぁ!?」


すると退魔士達は開いた空間の中に吸い込まれた。


ワームホールは空間と空間を繋ぐ穴だ。


某猫型ロボのポケットから出てくるピンクの扉みたいなものだと考えたら良いと思う。


……まぁそんな感じで退魔士達を元の世界へ帰した。


「やっと終わった………で、そこらへんで私を見てるんでしょ? 幻想郷を作った妖怪の賢者……八雲紫さん?」


私は憑依装術を解きながら言った。


すると空間を裂いて中から紫が出てきた。


「いつから気づいていたのかしら? 気配を消してスキマから見てたのに……」


「そのスキマって空間に穴を開けてるでしょ? 私は空間の異常に敏感でね。紫がスキマを開いた時からわかってたわ」


「貴方の能力は一体何?」


「次元と空間を操る程度の能力。……って紫は私の事を知ってるでしょ?」


「…………とりあえず名前を聞きましょうか」


「あそこの山の山姫よ。数百年前に幻想郷へ遊びに来たはずだけど?」


「う〜ん………何か引っ掛かるわね」


リアルに忘れてるみたいね…………たった数百年しか経ってないと思う。


「神代柚希よ。まだ思いださない?」


「…………あぁ、久しぶりね。随分と姿が変わってたからわからなかったわ」


「酷いわね。……まぁ良いわ。これから紫に頼みたい事があるんだけど…………」


「幻想郷に関わる事?」


「そうよ。最悪の場合は幻想郷の妖怪達が消え去るわ。でも私の弟子で大好きな彼が居るから問題ないと思うけど」


「…………一応話を聞きましょうか」


「えぇ。まずは…………」


私は紫にこれから幻想郷で起こりうる事態を話していった。















〜side out〜



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