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第32話 現世の私と前世の人格

日が沈んだ。


それと同時ぐらいに魔理沙が店から出てきた。


「んじゃ、私の家に案内してやるぜ」


「あぁ、頼む」


俺達は魔理沙の後ろについていった。


そして魔法の森に入る。


「かなり暗いですわね…………何か出てきそうで怖いです……」


「ここは昼でも暗くてな。キノコが育ちやすいんだ」


「何故キノコ? 食べれたりしますのか?」


「まぁ食べれる奴は食べれるな。ただし毒キノコもあるから気をつけろよー」


「見分ける方法は?」


「私が見る事だ。私はこの森のキノコなら大体知ってるからな」


「わかりました」


魔理沙がそう言った直後に目の前が開けた。


そこには洋風の家が建っていた。


「ここだぜ。私の家は」


「中々広そうじゃないか」


「片付ければな」


「……かなり汚いのか?」


「まぁ足の踏み場はあるぜ? 色々と物が散乱してたりするがな」


魔理沙が家の中に入った。


「とりあえず入ってみるか」


「そうですね」


俺達は魔理沙についていき、家の中に入った。


そしてまず魔理沙本人の部屋を覗く。


「これは……散乱しすぎだな……本ばかり……予想以上だ」


部屋が大量の本で埋まっていた。


足の踏み場はなんとかあるが寝るには無理がある。


「水姫。全力で片付けたら何分かかる?」


「……大体1時間ですね。片付けますか?」


「頼む。……すまないな。世話ばかりかけて」


「いえ。構いません。私は好きで主の世話やらなんやらをやっちゃってるので」


「本当に助かる。んじゃウィルの力の制御を手伝ってくる」


「今ですか? まぁいいですけど」


「いってらっしゃいまし」


俺はウィルを連れて少し離れた位置に移動した。




















〜side out〜



私は響介様についていき、特訓する事になりました。


「響介様? 何から始めるのですか?」


「まずはウィルともう一人のお前を会わせる」


「………正気でございますか?」


「あぁ、ウィルにはもっと強くなってほしいからな。とりあえずまずはもう一人の自分に会ってほしい」


響介様に真剣な眼差しで言われてしまいました。


そんな眼差しで見られたら承諾しちゃうではありませんか!!


「……仕方ないですね。やりましょう。ところでまずどうすれば良いのですか?」


「座って気持ちを落ち着けた後に、心の中でもう一人の自分を呼ぶんだ」


「わかりました。それではやってみますわ」


私は地面に座り、目を閉じて集中します。


「…………………」


すると私の意識は一瞬途切れました。


そして目が開くと真っ白な世界に居ました。


「ここは…………?」


「貴方と私の精神世界よ。ようこそ、そしてはじめまして」


後ろから声がしたので後ろを向くと黒い翼を持って白銀の鎧を着た人がいました。


「貴方は……もしかして?」


「貴方の予想通りよ。私は禁じられた力で大量に吸収した魔力が貴方の力を超した時に出る貴方の別の人格………転生して貴方の身に残った貴方の前世」


「わ、私の……前世なのですか?」


「まぁ色々とあって私の人格も残っちゃったの。ちなみに種族は魔女だからね」


「そうなんですか………」


私はもう一人の私をじっと見ました。


私よりスタイルが良い私なんて………。


もしかして禁じられた力を使った時の痛みって体が変化してるからなのでは? と思いました。


「で、貴方は何をしにきたのかしら?」


「………貴方の事を知りに来ました」


「私について? 例えばどんな事が知りたいの?」


「貴方の全てと言っておきましょう」


「へぇ。そうなの。なんか響介に頼まれたっぽいわね」


彼女は見透かしたような口調で言った。


「!? …………何故わかりました?」


「彼にもね、もう一つの人格があるみたいだから。まぁ彼の場合はもう一人の彼とは知り合いみたいだし問題無いけどね」


「なんか回答になってない気が………って響介様にももう一つの人格が!?」


「そう。彼の内側をほんの少しだけ覗いたら、赤いオーラを纏った彼と普段の彼が居たの。ここからは憶測だけど、赤いオーラの彼と普段の彼は元々同一人物で彼自身が人格を分けたんだと私は思うわ」


「初耳ですわ………」


「あ、内緒にしておいてね? 色々とややこしくなっちゃうから」


「は、はい」


「で、本題に戻るけど私の事を知りたいなら条件があるわ」


「な、なんでしょう……」


「貴方の事も教えてちょうだい。私は貴方に残った人格とはいえ、大半は貴方の中で眠ってるから何も知らないのよ。まぁ姿とかは知ってるけど」


「良いでしょう……あ、でも時間が時間ですから夢の中でよろしいですか?」


「構わないわよ。んじゃまたね〜」


「はい。また後でお会いしましょう」


私の意識は精神世界から瞑想した場所に戻りました。


そして目を開くと目の前に響介様が座っていました。


「…………ふぅ」


「どうだ? 精神世界に行けたか?」


「えぇ。もう一人の私は悪い人ではなかったのですね」


「そうみたいだな。もう一人のウィルの魔法は使えるから、お互いに理解しあえばウィルは強くなると思う」


「もう一人の私の力が使えるようになるのですか?」


「いつか使えるようになる。まぁ毎日練習しても最低で一ヶ月はかかるだろう」


「一ヶ月ですか………」


私は少し安心しました。


そんなすぐに使える訳でも無く、そんな全然使えない訳じゃないからでしょう。


ですがなるべく早く習得したいと思います。


響介様の力になりたいですからね。


「新月の日から練習するから、それまでにもう一人のウィルとお互いを知っておけば楽になる」


「わかりました」


「それじゃあ戻るか。そろそろ1時間経っただろうからな」


「え? もうそんなに経ったのですか?」


「あぁ。意外と時間が経つのが早いだろ?」


「はい。まだ15分20分ぐらいしか経ってないと私は思ってました」


「だが実際に1時間ぐらい経っている。精神世界は夢を見てる時と似たような時間の進み方してるんだよ」


「そうなのですか………なら早く戻りましょう」


「ほら、ウィル。俺の片手を持て」


「? はい。これで良いですか?」


「それで大丈夫だ。絶対に手放すなよ?」


「わかりました」


「"瞬間移動"」


「ひゃう!?」


いきなり目の前が一瞬だけ光に包まれました。


そして目を開くと魔理沙さんの家の前に立っていました。


「さてと……到着だ」


「きょ、響介様!? これは一体どんな芸当ですか!?」


「技だよ。まぁ行った事のある場所しか行けないがな」


「あ、お帰りなさいませ。ちょうど片付けが終わったところでございましちゃいます」


「そうか。ありがとう」


「今から料理を作りますので少々お待ち下さい」


「水姫さん。疲れていないのですか?」


「大丈夫です。山に居た時よりは楽ですから」


「だが余り無理するなよ?」


「わかりました。倒れない程度に頑張ります」


「んじゃ中に入るか」


「そうですわね」


私達は魔理沙さんの家の中に入りました。









〜side out〜


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