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第27話 地底への探索

日付が変わり、守矢神社で朝ご飯を食べた。


そして今から山を降りる。


「今日一日世話になったな」


「いえいえ。また守矢神社に来て下さいね」


「わかった」


「もしも来なかったら……祟るよ?」


諏訪子がそう言った。


「マジ?」


「嘘だよ」


「お〜怖い怖い」


「では主。そろそろ……」


「あぁ、じゃあな」


「はい。それではまた」


「また来るんだよ」


「またね〜」


俺達は守矢神社を後にした。


























妖怪の山の川を通った時、早苗から聞いた事を思い出した。


「そういえばここの川には河童が居るらしいな」


「あぁ、そういえばそんな事言ってやがりましたね」


「少し探してみるか」


俺は川の岸に降り立った。


するとどこからか声がした。


「う〜ん……上手くいかないなぁ……理論上問題は無いんだけど……」


「なぁ水姫……今の聞こえたか?」


「はい。そりゃあしっかりと聞こえました」


「場所を特定出来るか?」


「あの洞穴です」


水姫は川岸の奥の洞穴を指差した。


「よし。ちょっと偵察に行かせるか」


「私が行くのですか?」


「いや。小型の動くロボットさ。それなら特殊な力が無いからばれないと思うし水姫に苦労掛けたくないからな」


「そうですか。それではさっさとおやり下さいませ」


「あぁ。"SPT"召喚っと」


俺はスモールパーソナルトルーパー……略してSPTを呼び出す。


こいつは本格的な機動兵器でプラモデル並に小さいから偵察用として良く使われる。


「よし。行け」


「…………」


ビューン


SPTは洞穴の中に入った。


「さて、あとは戻ってくるのを待つだけ…………」


「あー!!」


「もう見つかった!?」


「イライラするぅ!!」


「脅かされた……なんだ、ただイライラしてるだけなのか」


「ん? 何この小さくて動く物は……もしかして、もしかしなくてもロボットォォォ!?」


「ばれたぁ!?」


「いやっほぉぉ!! これで私の研究もはかどるぅ!!」


「ちっ!! 緊急ブースト!!」


SPTの緊急ブーストを使い、俺のところへ引っ張った。


それに釣られるように少女が洞穴から出てきた。


もしかしてその少女が河童?


「あ、逃げないで〜……げっ!? 人間!!」


「……俺、人間じゃないよ」


「同じく」


「みたいだね。で、そんな事より……そのロボット貸してくれない?」


「あぁ……そういえば研究がはかどるやらなんやら言ってたなぁ……」


「ロボットを私の研究発展の為に分解して解析して……」


「まぁ良いや。SPTは貸しても構わないがあまり無茶させるなよ?」


「わかってるって!! ありがとうね〜」


少女は元気よく洞穴に向かった走った。


「俺は風戸響介〜。お前の名前は〜?」


「河城にとりだよ〜」


「それじゃまたな。にとり」


「うん。またね〜」


俺は河原から空中に浮く。


「主、良かったんですか? SPTを渡してしまって」


「まぁ問題は無い。あれは最も性能が悪い機体でな、最高の機体はまだ俺が持ってる」


「なるほど……ではちゃっちゃと進みますよ」


「あぁ」


俺と水姫は山の麓へ速度を上げて飛んだ。





















スタッ


山の麓に降り立った。


「到着っと」


「で、次はどこへ向かいやがるのですか?」


「そうだな……少し地底でも行くか」


「地底……ですか。何故地底なんですか?」


「上に行ったんだから次は下だろう?」


「適当ですね」


「まぁ良いだろう? んじゃ入口を探すか」


「入口を知らないのによくも行こうと思いやがりましたね」


「気にしない気にしない」


俺は山の麓の近くを探し始める。


そしてすぐに巨大な穴を見つけた。


「穴だ……」


「穴ですね」


「よし、飛び込めー」


「お待ち下さいませ」


水姫と俺は階段やエレベーターを使わないで飛び降りた。


ヒューン


「そういえば下に着地出来るぐらいの足場あるのか?」


「知りませんよ」


「まぁ足場が無かったら浮けば良いよな」


「ですね」


そんな事を言いながら落ちていく。


底が中々見えない。


ってか眩しい。


それに落ちていくにつれ温度が上がってく。


まるで地下に太陽があって、近づいてるみたいだ。


うむ……これ以上入ったら危険だな。


「主、そろそろマズイと思いますが……」


「水姫、上に戻るぞ」


「了解です」


俺達は上に引き返した。


それにつれて温度が下がっていく。


「危なかったな……焼け死ぬかと思った」


「全くです。でまた、地下の入口はまだ探しますか?」


「もちろん」


「それじゃさっさと見つけましょう」


「わかってるさ。……よっ…と」


入ったところに戻ってきた。


「主、手がかりとかはあったりなかったりするんですか?」


「無い。まぁ地道に辺りを探してみるか」


「了解です。主」


俺達は山の麓辺りを調べる事にした。


そして入口を探し始めるのだが………。


「また穴だ……」


「穴ですな」


俺達の目の前に穴がある。


というか洞穴?


「……行ってみるか」


「行ってみましょう」


俺と水姫はその洞穴の中に入った。


「暗いな………それにかなり深い……こいつは当たりか?」


「しかし……危なそうでやがりますな」


「おや? 見かけない奴だね。こんな洞窟に何の用だい?」


「…………」


目の前に逆さになった人とつるべに入った人が現れた。


逆さになって糸にぶら下がってるのか……って事は蜘蛛?


もう一人は釣瓶落としか?


「まずは名前を聞かせて貰おう。俺は風戸響介だ」


「私は水姫と申しちゃったりいたします」


「私は黒谷 ヤマメ。病を操る妖怪で……」


「…………」


「この子はキスメ。釣瓶落としさ」


「で、ここは通って良いのか?」


「別に構わないよ。門番やってる訳じゃないし」


「なら通らせてもらうよ」


「まぁ地底を楽しんで来ると良いよ」


「…………」


ヤマメとキスメに見送られて奥へ進んだ。


「戦わなくて良かったですね。主」


「あぁ、何事も無いのが一番だな」


奥へ奥へと歩いていくと目の前に橋があった。


そして橋の端に人がいた。


「あぁ……妬ましい妬ましい……光も巡る風も妬ましい………」


「なぁ橋の上にいる人、ここを通って良いのか?」


「良いわよ………あぁ、そこの妖獣が妬ましい……」


「私の事を妬まれやがれても困ります」


「俺は風戸響介、そして隣は水姫だ。名前は?」


「水橋パルスィ……あぁ、そんな貴方が妬ましい……」


「何故妬む……。まぁ良いや。またな」


「失礼いたします」


俺達は橋を渡り、向こう岸に辿りついた。



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