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第21話 夢に干渉する者?

宴会の後、居間で寝ていた。


だが目が覚めると一面白い世界にいた。


「…………ん? 俺は確か白玉楼で宴会やってて…………」


俺は記憶を整理していると後ろから声が聞こえた。


「儂達が呼んだのだ」


「……銀狼、黒龍、天星、鳳凰………なんで呼んだ?」


「"夢に干渉する力を持つ者"についてだが………」


「私達は完全じゃないけど、その人の情報を持ってるの」


「それをお前に与えるつもりで呼んだ」


「………それは駄目よ」


会話の途中で人影が現れた。


相変わらず影だけで姿を確認出来ない。


「何故だ?」


「響介には私を思い出してほしくないの…………まだ響介の居る世界に行けてないから」


「しかし思い出せば行けるんじゃないの?」


「それが無理なのよ………響介の能力である"念動力"は有効範囲があって幻想郷の中しか駄目みたい」


「なるほどな……会うなら完全な状態が良いのか」


「…………俺は放置か」


人影と銀狼達が俺を放置して会話していたのでそう呟いた。


「拗ねないでね。響介」


「拗ねてないさ。"師匠"」


「う〜ん………師匠か……なんか恥ずかしいなぁ」


「仕方ないだろう。名前も思い出せないんだから」


「なんか遠回りに教えろって言ってる感じね」


「ま、近い内に思い出させてくれよ?」


「もちろんそのつもりよ。まぁ近い内って言っても次の満月の後になると思うけど」


「了解。楽しみに待つとするさ」


そう言った直後、目の前が光に包まれた。


















〜side out〜



響介は帰っていった。


それについていくように黒龍、天星、鳳凰は帰っていく。


それを見届けて影から姿を戻す。


「全く……あんな事言われたら教えたくなっちゃうじゃない……」


私は頬を膨らませて言った。


その直後に残った銀狼が話し掛けてきた。


「だが本当に良いのか? 響介に秘密のままにしておいて」


「良いのよ。これは響介は次の満月まで生きるためだから」


「目標を作ってやったのか。やはりお主は優しいな、"神代 柚希"」


銀狼がそう言った。


そう、私の名前は神代柚希(じんだいゆき)


半人半妖だ。


幻想郷と繋がる山の守り神的な存在"山姫"と人間のハーフである。


「そうでも無いわ。実際に私は響介に隠し事をしてるもの」


「隠し事? それは一体?」


「本当は幻想郷にいるのよ。私は」


「!? それは本当か!?」


「えぇ。とある山の中の洞穴にいるわ」


「しかし何故言わなかったのだ?」


「私が追われているからよ。あの"退魔陰陽連合軍"にね」


"退魔陰陽連合軍"。


それは世界の妖怪・魔法使い・神を滅ぼす野望を持つ集団。


世界各国から退魔師、陰陽師を集めている。


私はそんな奴らに追われている。


「……お主の両親と響介の父親の命を奪いとった輩か。しかし幻想郷なら全く問題無いのでは?」


「そうでもないのよ。奴らは今、戦力を溜めているわ。………恐らく幻想郷に入る手段を知ってるのでしょうね」


「そして奴らは幻想郷を滅ぼすつもりか…………」


「それに奴らは次の満月の夜の明け方に進行してくるって情報があるの。出来れば巻き込みたくないけど……奴らを倒すには神化・リミッター解除を自らの意志でコントロール出来るようにならないと駄目だから」


「……目標を作ってやったのか」


「問題は響介がそこまで一ヶ月で習得出来るか………」


「響介ならやるだろう。あいつは……儂達が認めたほどだからな」


「………えぇ、信じてるわ。だからその間のサポートは頼んだわよ」


「承知した」


そう言って銀狼は消えた。


全く……早く私を超えてほしいわね。


貴方本来の力は……神をも倒せるもの。


霊・妖・魔・神…………そして念。


全てを自由自在に操る事が出来れば………貴方は父親の仇を倒せる。


だから響介、頑張ってね。


外の世界での二つ名であった"全能なる調停者の使い"の名に恥じないように。


幸運を祈ってるわ。




















〜side out〜



「う、う〜ん…………」


精神世界から帰ってきた俺の意識は白玉楼の居間に戻ってきた。


体をゆっくり起こして周りをみる。


「藍と橙は先に帰ったんだよな……紫も帰ったのか」


「あ、やっと目覚めやがりましたか」


水姫がやってきた。


「あぁ、今起きた。酒を飲んでた訳じゃないけどいつの間にか寝てたな。……妖夢達は?」


「妖夢殿は先ほど料理の仕度に。幽々子殿はまだそこで寝ておりますたい」


「おう。……とりあえず冷えた水飲みたいな……」


「そう言うと思い、持ってきました」


水姫が水の入った湯呑みを取り出した。


「準備がいいな…………ありがたく飲むか………………!?」


その湯呑みの中身を飲んだ時、俺は異常状態になった。


異常状態と言っても毒やら麻痺ではない。


口から吹き出し、俯せてむせたのだ。


「…………やっぱり主は酒は駄目でやがりましたか」


「ケホッ!! ケホッ!! 俺が酒苦手なの知ってるよね!?」


「もちろん。でもとりあえず試してみたんでごさいますのですたい」


俺は酒を飲んですぐに意識が朦朧としてきた。


「水姫………もう駄目だ。俺はしばらく寝るわ」


「酒がもう効いたんでございますですか…………普通の5分の1に薄めてるのに効くって弱すぎでしょう?」


「そんなん知らんがな…………」


「なんか口調が変わってませんか?」


「いや知らないって………だからとりあえず早く寝かせて……」


「寝るならこれを飲んでからにして下さい」


「あぁ…………これを飲めば寝れる…………」


俺は水姫が別の湯呑みを差し出したので口をつけた。


「どうですか? 主」


「っつ……苦いな…………あれ? 眠気が消えた?」


「外の世界と幻想郷に生えてた薬草を調合して作った薬をお茶に混ぜてみましたの事です」


「水姫ってそんな事出来るんだな」


「伊達に長生きしてないんでございますです」


その時、襖が開いた。


「皆さん。朝ごはん出来ましたよ〜」


「ごはん!? 食べるわぁ〜」


ご飯と聞いた瞬間に幽々子が飛び起きた。


食べるの好きだな〜。


「それじゃあ俺達も頂くとしようか」


「そうですな」


「「「「いただきます!!」」」」


俺達は朝食を食べはじめた。

















朝食を食べ終わり、白玉楼の門に立っている。


「いや〜食べた食べた。……そろそろ行かないとな」


「あら〜もう行っちゃうの? もう少しゆっくりして行けばいいのに〜」


「悪いな。また近くを通ったら寄るよ」


「次はどこへ?」


「さぁな。気まぐれだからわからない」


「大丈夫なんでやがりますか? それで………」


「大丈夫だ、問題無い。……水姫も来るか?」


「行きますよ。主が心配ですから」


「そうか、ならしっかりとついてこいよ」


「了解致しちゃいました」


「これはお弁当の握り飯です。道中でお食べ下さい」


妖夢が布に包んだおむすびを差し出した。


俺はそれを貰った。


「おう、すまないな」


「それでは道中気をつけて」


「また来てね〜」


「それでは」


「またな〜」


俺達は白玉楼を後にした。




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