第12話 狂気の妹
「一回スペルをやめて、純粋な格闘戦をしようじゃないか!!」
「私は構わないよ!!」
「それじゃ……いざ尋常に!!」
「勝負だ!!」
俺とフランは空中で神槍とレーヴァテインをぶつけあう。
そのシーンを例えるなら、トラン〇ムライザーとス〇ノオがぶつかり合う感じだな。
「はぁぁぁぁ!!」
「うぉぉぉぉ!!」
お互いの攻撃は防がれ、中々ダメージが与えられない。
「フランは凄く強いなぁ!!」
「えへへ!! そう!?」
「あぁ!! でもな………まだ甘い!!」
「きゃぁ!!」
俺はレーヴァテインを受け流し、そのままフランの背中を蹴った。
そしてフランに向かって、槍の先を向ける。
「喰らいな!!」
俺は槍の先からレーザーを放った。
余り太くは無いが、中々の威力を持っている。
「くぅっ!?」
ドォォォン!!
フランが落ちたところに煙が広がる。
「……少しやり過ぎたかな?」
俺は床に降りた。
そしてフランが出てくるのを待つ。
その時、煙が全て吹き飛んだ。
「アハハハハハハハ!!」
狂ったように笑ったフランが立っていた。
さっきの体制なら背中から落ちてるはずなのだが、フランはしっかり仁王立ち。
しかも無傷。
一体どうやったら、あんな一瞬で体勢を直せるんだろ………っとそんな事よりフランが豹変した。
まるで狂気に飲み込まれた感じだ。
「おい? フラン? どうした?」
「イイネェ!! キョウスケトタタカウノタノシイヨ!!」
「これが咲夜が言ってた事か………とりあえず止める!!」
俺はフランに斬りかかった。
しかしフランはレーヴァテインを持つ片手で止めた。
「サァ!! モット……タタカイヲタノシモウヨ!!」
「あぁ。ただし、俺が勝つ!!」
俺は一回距離をとった。
そして槍を消してスペルを構える。
「念剣『サイコソード』!!」
これは念動力を固形化させて、剣を作り出すスペルだ。
槍だと一撃の威力が剣より弱い。
だから一撃の威力を上げるため、日本刀を作りだした。
「それじゃ、行くぞ!!」
「イイヨ!! キテ!! ソノヨユウ、ワタシガコワシテアゲル!!」
俺はフランの真っ正面から突っ込んだ。
するとフランはレーヴァテインを横に振ってきた。
「瞬間移動」
それを瞬間移動で避けて、フランの後ろに回り込む。
「キョウスケハスゴイナァ!! サクヤトニタヨウナコトガデキルナンテ!!」
「へぇ〜咲夜も瞬間移動が出来るんだな」
「キョウスケ!! スペルイクヨ!!」
「来い!!」
「禁忌『スターボウブレイク』!!」
フランがスペルを構えた後、パァン!!という音がなった。
その音の後、フランの弾幕が飛んでくる。
「密度が高いな………うぉっ!?」
頑張ってステップして避けていたのだが、俺の肩を弾が掠った。
「アハハハハ!! シッカリヨケテヨ!! マダマダアソビタインダカラサァ!!」
「まぁ死なない程度に頑張るさ」
俺は少しずつタイミングを掴んできた。
音が鳴り、弾幕が飛んでくる。
そしてまた音がなる。
俺が目指すのは音がなった直後だ。
理由はフランの弾幕を良く見ると、出した直後は少しだけ止まってから俺の方へ向かってくる。
俺はその止まる僅かな瞬間を狙って瞬間移動して攻撃を仕掛けるつもりなのだ。
そしてその瞬間がきた。
パァン!!
「今だ!! 瞬間移動!!」
俺は一瞬でフランの裏に回った。
「念雷『サイコプラズマ』」
俺は体から雷を放った。
この技は周囲4mに念で作り出した雷を放ち、当たると短時間だが痺れるのだ。
フランは直撃して痺れた。
「ビリビリシテ、ウゴケナイヨ………」
「少しおとなしくしてな!!」
俺はさらにスペルを構えた。
「移山『大山重圧撃』」
俺は印を結び、部屋の天井に巨大な岩を出現させる。
そしてフラン目掛けて落とす。
「当たれぇぇ!!」
俺はこれで決まったと思った。
しかし、決まらなかった。
バゴォォォォォン!!
岩がぶつかる前に爆発したのだ。
そして俺の体に激痛が走った。
「ぐぁぁぁぁぁ!!」
ドサッ!!
俺は床に倒れ込んだ。
力を振り絞って体を見ると一閃された後があり、血が流れ出ている。
「キョウスケハツヨイナァ。マサカイッシュンノスキヲツイテクルナンテサ」
「………」
「キョウスケ? ナンデシャベッテクレナイノ? コワレチャッタノ?」
「……壊れては……無いよ……まだやる気だ……」
俺は力を振り絞り、声を出した。
「ヘェ……。ナラマズハソノケンヲコワスネ」
パリィィィィン!!
「なっ!?」
フランが手を握ると俺の念剣が砕けた。
そしてフランがレーヴァテインを構える。
「ソレジャ……サヨナラ」
思いっきり振り下ろしてきた。
「星穿の……神槍!!」
俺はなんとか槍で受け止めた。
「ソノヤリモコワシテアゲルヨ……………アレ? テガニギレナイ……」
フランが俺の槍を破壊しようとしたが、手が握れなかった。
「壊させて……たまるかよ……」
理由は俺が念動力でフランの手を止めていたからだ。
「キョウスケハフシギナチカラガアルンダネ……」
「まぁ……な……ゴホッ!! …………ヤバいな」
「ケンガダメナラ、ダンマクデコワシテアゲルヨ」
フランは使っていない手にスペルを構えた。
「禁忌『過去を刻む時計』」
俺は死んだな……と思った。
しかし、
「おやめ下さい!! 妹様!!」
「サクヤ……?」
間一髪で咲夜が助けてくれた。
「咲……夜か……」
「響介!! 大丈夫!?」
「あぁ……一応な……」
「とりあえず私の後ろに居て。隙を見て逃げるから」
それを聞いたフランは不満そうに言った。
「ジャマシナイデヨ。ワタシハキョウスケトアソンデルンダヨ?」
「フラン……俺は一回……休憩だ……少しだけ……咲夜と……やっててくれ……」
「シカタナイナァ……サクヤ。アソビアイテ、ヨロシクネ」
「かしこまりました。妹様」
(俺は……少し寝ると……しよう)
俺はフランと咲夜の会話を聞いた後、眠りについた。
「………介……響介……」
誰かに呼ばれる事がしたから起きると、俺は全て白に染まる世界の中にいた。
そしてそこには、人の影があった。
「……ん? 誰だ? ……どこかで聞いた事があるんだが……」
「私よ、私。貴方に銀狼を授けた張本人よ」
「うぅ……思い出せそうなんだが……」
「どうやらまだ記憶が治りきってないようね………まぁ良いわ。……響介、貴方はかなりの窮地に立たされてるようね」
「正直、かなりヤバい。今すぐ戻って咲夜を助けないと……」
俺はなんとかして戻る方法を探していた。
「咲夜ってメイドを救いつつ、フランって子を止める方法……教えてあげようか?」
「そんな方法があるのか!? 教えてくれ!!」
「いいけど………そのためには銀狼とかの協力が必要なのよ」
影がそう言うと、周りに銀狼・黒龍・天星・鳳凰が現れた。
「響介にはまだやるべき事がある」
「こんなところで死なれちゃたまんないぜ?」
「響介には未練を残して欲しくないし」
「我等の力を貸そう」
鳳凰達は承諾してくれた。
「なら、私が言う手順に従って。そうすれば出来るわ」
鳳凰達は俺を囲んだ。
そして儀式のような事が始まった。