第11話 真紅の館にて
「わけもわからずヤバそうなところに来てしまったな…………」
目の前には全てが深紅に染まっている館が建っている。
そして門の目の前には寝ている人がいる。
「う〜ん………どうする? ………通りすぎるか」
俺は飛ぼうとした。
しかしその前に
「お待ち下さい」
誰かが話し掛けてきた。
「ん? 誰?」
俺が振り向くと、メイド服を着た銀髪の女性が居た。
「これは失礼しました。私はこの館のメイド長をしております、十六夜 咲夜と申します」
「で、そのメイド長が俺に何の用だ?」
「お嬢様が貴方にお会いしたいそうで、来ていただきたいのです」
「………別に良いよ」
「それではついて来て下さい」
俺はメイド長について行き、館へと入った。
そしてとある扉の前に来た。
コンコン
「お嬢様、お客様をお連れいたしました」
「入っていいわよ」
咲夜は扉を開けた。
するとそこには蝙蝠のような羽を持つ少女が居た。
「はじめまして、風戸 響介。私はこの紅魔館の主、レミリア・スカーレットよ」
「名前を先に言われると自己紹介のしようが無いな………まぁ良い。で、俺に何の用だ?」
「貴方、博麗の巫女である霊夢と魔理沙を倒したそうね」
「ん? まぁ……そうだな」
するとレミリアは真剣な眼差しで用件を言った。
「かなり強い貴方に頼みがあるのよ」
「……頼み?」
「妹のフランを……変えてほしいの」
「………どういう事だ? 詳しい説明をくれ」
「妹様は少々気が触れていて能力を乱用してしまう為、地下で幽閉されているのです」
咲夜が何か違う説明した。
まぁ情報としてはありがたいけどな。
「それで、俺にどうしろと?」
「貴方みたいな人がフランの友達になってくれれば、変わると思うの。………お願い!! フランと友達になってあげて!!」
「…………出来れば家族事には首を突っ込みたく無いんだがな………よし、引き受けた」
「あ、ありがとう!!」
「ただし!! ………条件がある」
「何?出来る事ならなんでもするわ」
俺はある意味、驚く条件をだした。
「とりあえず終わったら昼飯を用意してくれるか? ……今日、昼飯が無くてな……」
「………え? そんな事で良いの?」
「あぁ、別に構わない」
「わかったわ。好きなだけ食べさせてあげるわよ」
「よし。ならその妹さんに会いに行くとするか」
俺は体を伸ばして扉に向かって歩きだした。
「咲夜、彼を案内してあげて」
「かしこまりました」
俺と咲夜は地下へと向かった。
今度は巨大な扉の前にいる。
とりあえずここに来るまでに色々と聞いた。
フランの能力、どんな子なのか………。
聞く限りだと結構ヤバイ子のようだ。
コンコン
咲夜は扉を叩いた。
「妹様、お客様です」
「入っていいよ〜」
俺が入るとそこには不思議な羽を持った少女がいた。
「貴方はだ〜れ?」
「俺は風戸 響介。君と友達になりに来たんだ」
「ふ〜ん。私はフランドール!! 気軽にフランって呼んでね!! 響介!!」
「あぁ、よろしくな。フラン」
なんだ、ただの無邪気な少女じゃないか。
予想が当たらなくて良かった。
それにしても、この部屋は血のにおいがかなり強い。
普通の人なら吐くぐらいのにおいだ。
しかし俺は全く不快を感じずにいた。
やっぱり人間じゃないのかなぁ?
「妹様。それでは失礼致します」
「うん」
咲夜は部屋から出ていった。
「ねぇ、響介」
「ん? なんだ?」
「響介は私が怖くないの?」
フランがそう質問してきた。
「怖くないよ。全くね」
「なんで? 私はたくさん人を殺したりしてるんだよ?」
「そんな事言ったら、俺の方がたくさん殺したりしてるよ。様々な生き物をね。………ん? 俺、今何を?」
今、自分でもわからない事を言ってしまった。
「ん? どうしたの?」
「いや、なんでも無い。で、なんでそんな質問を?」
「えっとね。みんな私を嫌うのに響介だけはそんな様子がないから……」
今までフランは様々な人に避けられてきたのだろう。
「だって俺とフランは友達だろう?だから避けるような事はしないさ」
「ありがとう!! 響介!!」
フランが抱き着いてきた。
むぅ……かわいいな。
「そろそろ遊ぶか?」
「うん!! 何して遊ぶ?」
「う〜ん………フランは何して遊びたい?」
「弾幕ごっこ!!」
「よし、受けてたつ!!」
俺は知らなかった。
フランの強さを。
「星穿の神槍!!」
俺は槍を取り出した。
「レーヴァテイン!!」
フランは剣を取り出した。
「それじゃあ行くよ!!」
「来い!!」
フランはレーヴァテインを振ってきた。
俺はそれを神槍で防ぐ。
ガン!!
フランの一太刀は結構重かった。
このかわいい外見で、こんな重い一撃を放ったのが驚いた。
競り合いながらフランが話し掛けてきた。
「響介って強いの!?」
「多分な」
「それじゃあ試しにスペル行くよ!!」
「禁忌『フォーオブアカインド』!!」
フランがスペルを発動するとフランが4人に増えた。
「4人に増えるか……」
「さぁ響介!!」
「このスペルを!!」
「私の弾幕を!!」
「耐え切れるかな!?」
4人が別々の弾幕を放つ。
俺は何とかステップで避けていく。
しかし中々難しい。
「隙間が少ないなぁ……」
「さぁ、早く攻略してよ!!」
「そうしないとつまらないよ!?」
「響介がどう攻略するか!!」
「凄く楽しみだなぁ!!」
フランが凄く楽しそうだ。
「それじゃ、俺もスペルを使うとするか!!」
「念砲『サイキック・インパクト・ブラスター』!!」
俺はルーミア&ミスティア戦での技をスペルにして使った。
太いレーザーを放ちフランを全員巻き込んで、大ダメージを与える。
「「「「きゃっ!?」」」」
3人のフランが消えて、1人だけ残った。
「さてと、まず一つだな」
「やっぱり強いみたいだね………それじゃあ次はこれだよ!!」
フランはスペルを構えた。
「禁忌『恋の迷路』!!」
フランを中心に凄い量の弾幕が放たれる。
なんとか回避するが、量がハンパじゃない。
「………止まる事を許されないのか」
「恋は鮫のようなもの。常に動いてないと死んでしまうんだよ」
「あ、なんかそれ聞いた事ある」
まぁ弾幕の方も動いてないと当たってやられるもんなぁ………。
とりあえずスペルを終わらせないと………。
「踏み込む!! はぁ!!」
俺はフランの懐に飛び込んだ。
そしてまた武器がぶつかり、競り合う。
「中々やるね!! 今まで私と遊んだ人は多いけど、ここまでやる人は久々だよ!!」
「ん? それじゃあ、ここまで来れなかった人はどうなったんだ?」
「……みんな壊れちゃったの。私が何を話し掛けても答えてくれないんだ」
「!?」
人間が壊れた……これは"狂った"か"死んだ"かのどちらかを意味する。
恐らくこの部屋の血のにおいは、今までフランと遊んだ人がいた証拠なのだろう。
しかし、ここまでにおいが強いなら…………ヤバいな。
「まぁ良いや。その話は後で聞くとしよう。今は………思いっきり遊ぼうか!! フラン!!」
「うん!! 負けないからね!!」
俺とフランは全身全霊の戦いを始めた。