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第10話 習得と旅立ち

夕飯を食べ、家に戻って寝るしたくをしている。


「……なぁ水姫」


「なんでございますですか?」


「あの力を察知する技ってどうやるんだ?」


「それはですね………言葉にするのが難しいので説明が出来ません」


「ん〜……なら音にしてみて?」


俺は少しふざけた質問をした。


すると水姫は真面目(?)に答えた。


「シュピーン!! ……ですかね?」


「シュピーン!! ……かぁ」


なんかシュピーン!!とか聞くと昔見た機動〇士ガ〇ダムのニ〇ータイプの音と時々聞き間違える。


「俺にニュータ〇プになれと?」


「そんな事は言ってないです」


「………まぁ頑張って習得するとするさ」


「練習というか素質の方が重要かと」


「どういう事だ?」


「私は物心がついた時には出来てましたし………」


「妖怪になれたら出来るのか?」


「恐らく」


妖怪になる……って無理があるよなぁ……


(いや、そうでもない。儂の力を使えば妖獣化が可能だ)


頭の中で銀狼の声が聞こえた。


(え? そうなの?)


(あぁ、ただし妖獣化している間は妖力と念動力しか使えない)


(ん〜……まぁ妖獣化してる時は戦うのを避けるさ)


(妖獣化したい時は儂の名前を言えば良い)


(わかった)


「主? どうかされましたか?」


「いや、なんでもない。………妖怪になれるかな? "銀狼"」


俺は銀狼の名前を言った。


すると姿がみるみる変化していく。


まぁ"みるみる"って言っても、一瞬だけど。


「え? ぬ、主!?」


水姫が驚いているが、余り気にしない。


「ふぅ……これで妖怪になれたな」


「主……一体どんな特技でやがりますか……」


「まぁ秘密というやつさ」


「……でも多分これで探知出来るはずです」


「あぁ…………ん?」


俺は"妖力はどこかな〜?"という気持ちで探知を始めた。


すると頭の中に光が走った。


「……人里の方向に妖怪の反応が3つ……」


「正解です。どうやら探知出来たみたいですな」


「あぁ、こんな感じなんだな。問題は元の姿で出来るかどうか……」


俺は人間の姿に戻った。


直後に水姫が欠伸した。


「ふわぁ〜……んにゃ……主〜。もう寝て、明日やりましょう?」


「ん? ………あぁ、わかった。……おやすみ」


「おやすみなさいでございますです」


俺と水姫は布団に入り、眠りについた。
















目覚めると朝日が顔に当たっていた。


「ま、眩しい……」


俺は布団から出た。


すると外から水姫の声が聞こえた。


「覇ぁっ!!」


どうやら修練をしているようだ。


「少し様子を見るとするか……」


俺は水姫の様子を見るために、"水姫を透視したい"と念じた。


すると壁が透けて水姫の姿が見えた。


双牙を持ち、木の棒に藁を巻いた訓練具を相手に格闘している。


「せいっ!! はぁぁぁ!!」


蹴りを放ち、怒涛の連続攻撃をしていた。


「水姫……頑張ってるな」


俺はその姿を見て、努力する決心がついた。


別に迷っていた訳では無い。


ただ、さっきより強く決心出来た。


その決心は揺らぐかもしれないが、崩れることは無いだろう。


俺はその確信を持ち、少し努力する。


「さて……まずは昨日の感覚を思い出しながらやってみるか」


俺は目をつぶり、集中した。


そして力の探知を試みた。


するとあの時と同じ、頭の中に光が走った。


「妖、3……霊、2……魔、2……神、0」


周囲50Mを探索したらこの結果だった。


ってかもう出来るようになっちゃったよ……。


「………腹ごしらえしてからまた挑戦だな」


完成したのに挑戦する理由は簡単。


精度を上げるためだ。


精度が悪いと意味が無いからな。


精度を上げて、対処出来るようにするのさ。


「あ、主。おはようございます。起きていやがったんですか」


水姫がやってきた。


「ついさっき起きたばかりだ」


「もしかして……もしかしなくても声聞いちゃってましたか?」


「あぁ、聞いていた。随分と頑張ってたな」


「しかし……まだ反省してばかりです」


「反省するのが駄目なのか? 反省すれば次に繋がるんだよ?」


水姫は何か言おうとした。


しかし俺は水姫の口に人差し指を縦にして向けた。


「大体、反省する事が無い人生なんて面白みが無い。反省する方が生き物は成長するしな」


「…………」


「今は反省、反省、また反省だ。そうすれば遠くない未来、役に立つ」


俺はここまで言うと水姫は考え込んだ。


そして笑顔で俺を見てこう言った。


「…………そうですよね。ありがとうございます!! おかげで元気が出ちゃいました!!」


「あぁ、どういたしまして。…………ところで水姫?」


「はい?」


「…………凄く腹減った…………」


バタリ


俺は仰向けに倒れた。


「ぬ、主ぃ!? い、今から素早く作りますので耐えて下さいぃ!!」


「た、たのむ…………」


(せめてかっこよく決めたかった…………)


そんな事を考えていた。


余裕と思うかもしれない。


しかし俺はそのまま料理が出来るまで一歩も動く事が出来なかった。













「ふぅ……生き返った……」


俺は危うく冥界へ行きかけたが水姫がその前に食べ物を口に放り込んでくれたおかげで無事に戻ってこれた。


「ま、間に合ってよかったです。……疲れました」


「すまないな、疲れるような事をさせちゃって」


「構いませんよ、好んでやってるんですから」


「そう言ってくれると助かるな」


そのまま箸を進めて、腹を満たしていく。


しかしそんな時、空間が裂けた。


「っ!?」


「!?」


水姫と俺は同時に武器を構えた。


「そんなに警戒しなくても良いわ。私よ、私」


「紫……か」


「全く……こっちは朝食中だというのに……」


俺達は武器をしまった。


「あら、ごめんなさいね。……ところで頼みがあるのだけど……」


「なんだ?」


「一日だけ水姫を貸してほしいのよ」


正直、この言葉にイラッとした。


"貸して"って事は人を物として見てる気がするからだ。


「水姫は物じゃない。本人に聞くべきだろう」


「水姫。どうかしら?」


「私は……主が良いなら構いません」


「ちなみに何故、水姫なんだ?」


「この子にしか出来ない事をやるからよ」


「…………」


水姫は黙り込んでいた。


どうやら俺の指示を待っているようだ。


「水姫、気分転換がてら出かけてこい。ただし夜には帰ってこいよ?」


「………了解です」


「あ、そうそう。水姫、こっちに来て」


「はい、なんでしょうか?」


紫は水姫に耳打ちした。


すると水姫の目の色が変わった。


「やります!! それでは主、行ってきます!!」


「あ、あぁ。いってらっしゃい」


「じゃあ、またね」


紫と水姫は空間の裂け目に消えていった。


「…………結局なんだったんだ?」


俺はまた朝食を食べだした。


(それにしても……紫は水姫に何を吹き込んだんだろうな……。あ、この山菜うめぇ)


ただ家の中には箸が皿に当たる音が響いている。


「………………そうだ。少し飛び回ってみるか」


俺は食器を片付け、出かける準備をした。


「っと、メモをとりあえず残しておこう…………。よし、行くか」


俺は家から飛び立ち、適当に幻想郷を周りだした。



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