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7/13

可能性 1

 今日は薬草を採りに、朝から日の昇る前から、背負子や、お弁当など用意をして薄暗い外の景色をながめ。


 よし、と自分自身に合図するように、声を出しその勢いのまま歩き出した、暫くすると、後ろから、走って追いかけてくるものがあり薄暗い外では、誰が、と言うのは中々判別しずらいので、立ち止まってその足音の主を待っていた。


 従妹が駆け寄って来て、母が一緒に行くようにと。

 道案内も兼ねて、同行を任されたと。

 薬草は、当然、薬のためであり、万能薬らしい、もう一つは、あの反魂呪術の執行の為でもあるという。


 いまだ、帰らない父や、夫、息子、婚約者など、自分たちの縁する人たちだけでなく、地域皆の召喚を執り行うにはこの薬草、今から採取する薬草が絶対に必要。


 だという。


 今度の大きなる月が、狭間に入った時がチャンスだからと。


 どうやら、ここは死と言う概念が無いみたいだ、概ねこうだ、今のこの世界から、別の世界に転移する。世界が、別なだけで、ある条件や、力があれば、この世界にいつでも帰ってこれる。


 それはまるで、隣の部屋から、隣の部屋にドアを開閉していくような事。

 そのドアを開けるために、僕、を呼び出したように、会いたい人を、こちらに招き入れるために、その薬草、そして何より、思いの詰まった、物、此処で言う手紙がそれにあたるのだろう。


 つい先日、従妹は森から確か薪を取ってきた、よく薪や、山菜、薬草を取ってくる、彼女なりに穴場、と言うものがあるらしい、溌溂とした彼女は、鼻歌を歌いながら、小気味良く歩いている。


 僕は、大きいお姉さんや、小さいお姉さんが言っていた、この世界がもうすぐ終わる、と言う言葉が頭から離れなくなっていた。


 チラと、隣で歩く従妹を見ていると、そんなことは、意にも介さず、いつもの毎日が、いつもの様に、変わりなく、明日は必ず来ると言った風にしか見えない、知らないわけではないはずだ。


 強がって、虚勢を張っているようにも見えない。


 そこで、意を決して思い切って聞いてみた。


 この世界がもうすぐ終わろうとしている事を。


 彼女は立ち止り、暫く白々と明るくなりつつ空を見ながら、小さき月と大いなる月をジッと見て。


 いま、生きてるでしょう。生きている限り可能性はある。そう思ってる、みんな。

 あなたのお母さんも、私のお母さんも、小さいお姉さんも。

 私も。

 だから。


 あなたが、蘇ってきたのが、最大の希望。


 それが、もしあなたが、異世界からの転移転生者であったとしても。


 そう言うと、森に向かって、薬草を採りに歩みを進めた。


この拙作に目を通していただいて、大変恐縮です。今しばらく、お付き合い下されば幸いです。

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