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如月の目的

如月化学第一研究所_第一実験室

如月と0の案内によって如月化学の見学をすることになった彩刃と風崎、

「すげぇ、なんというかやべぇ。」

「君は国語何点だったんだ?」

見たこともない機械や技術を見て完全に語彙力を喪失してしまった彩刃、

「まぁそうなるのも無理ないわな、この研究所では俺主導で最先端技術の研究に全力を注いでいるからな。

単純な技術だけで言えば、今世界の最先端と言われている技術よりうちの技術のが数十年は早いな。」

「ここはどっかの学園都市かよ…

にしても、あれは何だ?」

そう言いながら紫電が指を差したのは、巨大な冷蔵庫のような形をした何本ものプラグが刺さっている装置だった。

「はい。あれは、

『試製二〇式座標指定型瞬間物体転送装置一型甲』

といいます。」

「試製…なんだって?」

「まぁ要するにテレポーターだ。」

「ナニソレスゴイ」

「あれがあれば遅刻せずに学校に行けるのでは?」

「希望に満ちた表情でこっちを見てるとこ申し訳ないが、こいつは非生物専用だ。

前にネズミを使って実験してみたが、転送途中で爆発四散、良くても転送完了後に即死してるな。多分臓器の転送位置がずれて体内がぐちゃぐちゃになったんだろう。

まぁ爆発四散するのは生き物以外でもよくあることなんだが。」

「そ、そうなんだ…」

彩刃の夢は粉々に消し飛び、彩刃の頭には嫌なイメージがこびりついてしまうことになった。



如月化学第一研究所_鍾馗専用実験室

如月化学の御曹司であると同時に自らも発明家である如月鍾馗は自分専用の実験室をも持っていた。

「ここが俺の実験室だ。」

「…思ったより綺麗なんだな。

なんかいろいろ散らかってるイメージがあったが。」

「そりゃそうだろ、人呼んでんだから。」

「そこは普通の感性あるのね…」

「バカにしやがって。」

「まぁまぁ、落ち着きなって。

ん?ねぇ鍾馗、これ何?」

「ん?どうした風舞輝っておい待て触るなぁぁぁ!!」

ピッ キュイーン

「あ、なんか動いた。」

「バカ!急いで離れ…」

キィィィィィ…ドゴォォォォ

飛燕の触れた機械から轟音とともに炎が噴き出した。

「熱っ!熱い熱い!鍾馗助けてぇぇぇぇ!!!!」

「はぁ…まったく。」

ピピピピッ

シュゥゥゥゥン ピー ピー ピー

「ほら、止めたz」

「ありがとぉぉぉぉ!!!」

「あーもう鬱陶しい!お前何回勝手に動かすなと言ったらわかるんだ!」

「だってぇ、ボタンが有ったら押したくなるのが人間ってものじゃない。」

「わかる。」

「わかるな。」

「それで、こいつは一体なんなんだ?」

「こいつは、偵察ドローン用の新型小型ターボジェットエンジンだ。」

「偵察ドローン?」

「そうだ、表にはでていないが如月化学はいろいろと武器も作っている。」

「ふ~んどこに売ってるんだ?自衛隊か?米軍か?」

「売ってはない。」

「え?じゃあ何のために?」

「私設軍。」

「…は?」

「私設軍用の兵器を作ってんだ。」

「えーと紫電はわかってるみたいだけどさ、私設軍って何?」

「私兵って言ったほうがわかりやすいかな。

つまり如月化学お抱えの軍隊ってことだ。」

「鍾馗はさらっと流してるがなかなか恐ろしいぞこれは。」

「何が?」

「よく考えてみろ。圧倒的な技術力を持つ如月化学。

それの全面支援を受けた軍隊なんて、小国ぐらいだったら簡単に制圧できるんじゃないのか?」

「た、たしかに。」

「ちなみに軍の規模ってどのくらいなの?」

「常備軍10万予備役30万。」

如月化学の私設軍である『如月軍』は如月化学の持つ技術を外的要因から守るため、また自分たちの持つ技術が外部に与える影響を抑える為に、1945年に創設された私兵集団のことである。もともとは、戦後の混乱に乗じて如月化学の技術がソ連に漏洩することを恐れた当時のアメリカの指示によって創設された軍ではあるが、現在では中小国の軍に匹敵するほどの数を揃えている。しかしその数の人間を一企業が擁するということは難しいため、ほとんどの兵士は0をもとに開発した戦闘用AIアンドロイドとなっており人間の数は全盛期に比べると少ない。(それでも2万人程度はいるが)しかし、一方で数を増やすことには成功したため陸軍、海軍、空軍の3軍がしっかり揃っている世界最強の私兵軍団である。

「…訂正だ、多分主要国以外は全部瞬殺だ。

ところで、さっきから色々話してるが…これ僕等みたいな一般人に話していいやつ?」

「問題ない。今日からお前らは一般人じゃ無くなるからな。」

「「は?」」

「今日をもってお前たちには我が如月化学の一員になってもらうことになった。」

「「はぁぁぁぁぁ!?」」

「そんなに大声出すなよ。」

「出すだろ普通!何?何でいきなり僕達を雇う話してるの!?」

「まぁ一旦落ち着け。これには訳があるんだよ。」

「訳?」

「なぁお前ら、予知夢って知ってるか?」

「予知夢?そりゃ知ってるけども。」

「知っての通り風舞輝は超能力者だ。

そして、超能力の1つとして予知夢をみることができる。

詳細は省くが風舞輝の予知夢によれば君たちを如月化学の一員にすることによってより良い未来になることがわかった。」

「…なるほど、それで僕等を。」

「わかってくれたならそれで…」

「いや、わかったけど納得はしてないからな?

たしかに彼女は、本物の超能力者だし、予知夢も本当なんだろう。だが、そんなものがあったとしてもいきなりここで働くなんてできない。」

「そうだそうだ!」

「ちゃんと雇用するから給料も出るよ?」

ピクッ

「…ち、ちなみに幾らほど…」

「時給二千円。」

「「ここで働かせてください!!」」

「神隠しにでもあったか?

まぁいいやじゃあ早速適正検査やるからまた明日来てね。」

如月の目論見どおり彩刃と風崎は、如月化学の一員となった。

次回は如月軍の詳細を紹介します。

読んでいただきありがとうございます。

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