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作者: ともろ

木枯らしが吹く時、この男諸共を、隣家を越して川を越して、太平洋まで吹き飛ばしてくれても何ら不思議じゃないような、それほど廃れたその家は、この男が父から受け継いだ、唯一の父がいた証である。

男は今日、その家を旅立とうとする。父はもういないから、仕方のないことである。明日、父が帰る渇望はこの男にはもうないから、仕方のないことである。

男は目覚めた旅立ちの朝、まだ明けきっていない空はからからと、冷たい風を運んでいる。2、3羽小鳥のさえずりも聞こえる。そして街道を走る郵便の音も、度々聞こえてくる。近くを流れる川のせせらぎも、際限なく、続いて聞こえてくる。さらには、岸に押し寄せる太平洋の大波でさえ男の耳には聞こえてくる。

男は冬に尋ねた。なぜ私を連れて行かないと。

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