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第8話


「どうしてセシリアはこうも活動的と言うか、おてんばなのだ」


ダリルは困ったような、呆れたような声をあげた。

今日、騎士団での出来事をオルターから聞き信じられないと言い、ハンナとセシリア本人から聞いた。

ハンナは 申し訳ございません と頭を下げて言うとダリルはハンナの責任ではないと言う風に手で制止した。


オリヴィアは少し笑いながら、セシリアの頭を撫でながら お父さんにそっくりね と嬉しそうに言う。

ダリルも今は公爵家との地位はあるものの、昔は王国直属の近衛隊長を務めていた。


「見た目は君に似ているのに、中身は私に似てしまったようだね。」


母親に撫でられてるセシリアを見た。

そんなセシリアは欠伸をして眠そうにしていた。

オリヴィアが 眠い? と聞くと返事は無いが首をコクッと傾けた。

ダリルがセシリアを抱き上げると、そのまま部屋へと向かった。


セシリアは夢の中にいた。真っ白な空間に何もない。

辺を見回すと、あの女騎士が居た。

じっと見ているとその女騎士が近づいて来た。


「剣を振った感じ、どうだった?」


昼間の事を思い出す。あの時の声は貴女ですか?

セシリアが聞くとクスリと女騎士は笑い。肯定した


「あの!私に剣を教えて!昼間の打ち合い、凄く楽しかった!私、剣を習いたい!」


やっぱりあなたわ、、、と女騎士が言葉を漏らす


「いいでしょう。ならば、剣を取りなさい。相手になりますよ。」


そう言うと、セシリアの前に1本の剣を現れた。

その剣を取ると構え一歩踏み出し、女騎士に斬りかかった。

ーーーキィン

乾いた音が響くと同時にセシリアは地面に倒れていた。

何が起きたか分からずに居ると間髪なく女騎士の足が迫ってきた。蹴りを追い打ちで仕掛けてきた。もちろん反応出来ずに顔面に直撃をした。


ハっと起きるとベッドの上だった。

夢を見ていた。けど、リアルな感覚だった。


起こしに来たハンナが身支度を終わらせ朝食を食べに食堂へ向かう。

食堂ではダリルとオリヴィアが席に着いていた。

セシリアも席に着いてパンを千切りながら、夢の事を思い出す。


「お父様に聞きたい事があります」


セシリアがパンを千切るのを止めてダリルに視線を移す


なんだい?とダリルも手を止めて話しを聞く


「お父様は騎士団に居た時に負けて悔しかった時はありますか?」


「もちろんあるよ。訓練の時なんかは特に悔しく感じるよ。もし、実戦だったら私は死んでいたし守るべき者を失っていたかもしれないと思うと弱さも実感するよ」


苦笑いをしながら答え、さらに続けた


「だから、必死に訓練したよ。負けたくないし、死にたくもなかったからね。悔しい気持ちを覚える度に必死に訓練したよ」


ダリルは昔の思い出に気持ちを馳せてるとセシリアに向き直りなぜそんな事を聞くのかを訪ねた。

セシリアは笑いながら 秘密! とだけ答えた。


その日の夜。

セシリアは寝る前にあの夢を思い出しながら眠りにつく。もう一度、剣を振るために。


「いらっしゃい。やっぱり来たのね」


あの声が聞こえたと思うと真っ白な空間に立っていた。

そしてあの女騎士も


「なんでだろう。私に剣術はいらないはずなのに、」



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