第五十四話 販売準備が始まります。
森から帰ってくるとみんなは精力的に動き始めた。
役割分担と担当は既に決められていたらしく夕食にはまだ早いからと屋敷を飛び出していった。テスラも帰り道すがら提案していた折りたたみベッドを試作するための材料を荷馬車で仕入れに行ったし。
さすが新し物好き、もと商業ギルドの番犬だ。明日朝一から作業する気満々だ。
みんなのやる気が漲っているのは悪いことではないけれど、あのマルビスの部下なのだ、働き過ぎには気をつけないといけない。テスラも夢中になると寝食忘れるタイプみたいだし。
そう言えばまだ何人か地方に散っていた人がいたような。その人達はどうするのだろう。
「ああ、他の者達ですか? 一応寮が完成したら手紙を出してみようとは思ってます。他の者に聞いたところ、地元で稼業の手伝いをしているようなので生活に困っていることはないそうですから」
みんなが働きに出ているというのに申し訳ないが、座卓の前でのんびりとロイの入れてくれたお茶をイシュカとキール、ガイと啜りながら尋ねた私の問いにマルビスが答えてくれた。
するとガイはマルビスに向かってチョイチョイと人差し指で寄越せと要求する。それに苦笑してマルビスが懐から一枚の紙をガイに向かって差し出した。
どうやら調査を先にしてくれるつもりのようだ。
「手紙があれば一緒に届けるように手配してやるぞ」
するとマルビスは少し考えてから首を横に振った。
「今呼んでも雑魚寝の人数がこれ以上増えるのはちょっと」
そう言って倉庫一階のキッチンと反対側のスペースに目を向ける。
そこには総勢十名の雑魚寝スペースと荷物置き場が確保されている。
なかなか暑苦しい光景だ。
「どこかに短期で家でも借りたほうがいいと思うんだけど」
決して広いとは言えない場所、これでは気も休まらないのではないかと思うのだ。
「私もそう言ったのですが、ここの方が良いとみんな言ってまして」
マルビスが困ったようにすみませんと肩を竦めた。
それっておかしくない?
こんな狭いところのどこがいいんだ?
「食事ですよ。他所に借りて自分達で自炊するより貴方の作る食事の方が魅力的だそうです」
早い話エサに釣られたということか。
つまりは家賃が勿体無いというのは半分単なる言い訳なのか。
「私が作ったというより、作ったのはほとんどロイだよね?」
器用で物覚えの良いロイは私が一度作ってみせるとほとんど覚えてしまう。
やっぱりそのうち料理の腕でもロイに追い越されるのは間違いない。
嬉しいけれど優秀過ぎる執事兼秘書の存在はちょっとだけ複雑だ。
「ええ。ですが最近のロイの料理は貴方仕込みでしょう? 売り出し前の料理が味わえるというのは私達新しい物に目がない商人からすれば余裕のある寝床よりもずっと重要度が高いのですよ」
と、いうことはテスラが十人増えたと思えばいいのだろうか?
いずれ味わえるというのにその何日かが待てないというわけだ。
「美味しい食事に、美味しい一杯のお酒があって、やり甲斐のある仕事、そして何より仕え甲斐のある尊敬できる主。ゲイルが馬車の中でみんなに話したようですよ。へネイギスの件について。生涯貴方のために精一杯仕えると決めたのだと言っていました。それが自分に出来るせめてもの恩返しなのだそうです」
「そこまで気にする必要ないのに」
あれは元々私達が巻き込んだようなもの、そんなふうに責任を感じる必要はない。
むしろ謝罪すべきではないのかと思うくらいなのに。
「貴方はそう言うだろうなとは、思っていましたけれどね。多くの貴族にとって自分達は使い捨ての道具であると認識されていることを知っている私達平民からすれば対等に扱い、心を砕いてくださる貴方はとても特別なのです」
そんなものなのか?
何故同じ人をそこまで差別する?
たかが生まれた時の環境の違いだろう。たまたま貴族に生まれついただけのことがそんなに偉いことなのか。
私は差別が大嫌いだ。
怠けていた人間の評価が下がるのは当然だ。だが、同じことをしても顔の良し悪し、体格、年齢、出身、性別で差をつけるなど言語道断。私生活ならそれも人の好みというもの、別に構わないが上に立つならその人の人柄を含めた仕事で評価すべきだ。貴族というのは有望な平民を育て、自領の発展を目指すものだろう。平民を見下し、蔑んで、重税を課し、ブクブクと脂肪の塊のような体を重そうに引きずっている貴族こそ蔑むべきだ。自分の力を誇張し、威張り散らすのはやっていることが違うだろう。
舐められてはいけないが粗雑に扱うべきではない。
勿論それは平民の間でも同じこと。
例えば意中の人が見ているところならカッコイイところを見せたいとか、気に入られたいって気持ちはわからなくもないが、それは仕事以外のところでやってくれと思うのだ。そこまで私も口出すつもりは無い。だが他者を虐げている姿を見てトキメクのは変わった趣味の人間だけだろうし、大多数には逆に引かれるのがオチだ。
公私混同絶対反対、本当にカッコイイところを見せたいと思うなら自分の力でのしあがるべきだ。仕事の出来る男というのは凄くカッコイイと思うのだ。背伸びして無理したところでそれが続けられなければ息苦しくなるだけだ。部下を巻き込むくらいならその前に潔く引いた方がむしろその背中がカッコイイと私は思う。
だから本当はここの責任者はマルビスが相応しいのではと何度も進言しているのだが、マルビスに言わせると自分はあくまでも片腕タイプ、上に立つのはこの人についていきたいと思わせられる人間こそ相応しいという。
足りないところはそれを補える人間を側に置けばいいのだからと。
でもそういう人物像は私から最も遠いと思うのだが?
「それから蒸し器と冷蔵庫についてですが、テスラと相談してあれはひとまず商業登録を見送ることにしました」
「なんで? みんな蒸しパンもプリンも気にいっていたみたいだけど」
「だからこそ、ですよ」
何故だ?
「蒸し器の存在を知らない者にあれは作れないでしょう? 蒸しパンもプリンも商業登録はします。要するにレシピを悟らせないようにするのですよ。加熱すると書いて提出しても充分通るそうですからテスラが問題ないと。とりあえず蒸し器の発注はニ十個ほど出しておきました。まずは商業登録と準備が済み次第、フルーツサンドなどと一緒に押さえている店で売りに出します」
作れないこともないのだが、蒸すという調理法は一般的に使われていないようだし、確かに私のようにお手軽にはいかないかもしれない。
成程、よく考えてる。
「じゃあバリエーションも欲しいね」
「はい。ですがまずはシンプルに一種類のみの数量限定で。材料の発注の関係もありますのであらかじめ幾つか試作して頂けると助かります。十日毎に一種類づつ増やしていって再来店客を呼び込みを図り、週代わり、もしくは月代わりで常時三種類から五種類でと考えています」
よくある季節限定品みたいな感じか。
そうなると今が旬のものだけじゃなくて出だしの食材とか果物とかはジャムだけでなく、ハチミツなどに漬けて置いたりするのもいいだろう。
「プリンの入れ物はどうするの?」
「急いで作らせますがどうしても入れ物分だけ価格は高くなります。ですので空いた入れ物を持ってくればその分だけ値引き、もしくは買取をして対応します」
「後は入れ物をオシャレにして食べた後に家でも使えるようにするのも有りかもしれないね」
「富裕層向けや手土産用にはそれもいいですね」
ふむっとマルビスが考える。ガラスが蒸気の熱に耐えられるようなら層を重ねて作ったり、大きな型にして切り分けたりするのもいいかもしれない。大きめの型でも試してみよう。
「それから入れ物や商品に焼印でロゴを入れることにしました」
「良いんじゃない? ウチの商品だってわかりやすくて」
「キールにお願いして描かせても構いませんか?」
早速出番だ。一昨日描いていた絵も数パターンは焼印製作をお願いしたみたいだし、その中から幾つかはウチの商品で使われることになりそうだ。
「出来る? キール」
「はいっ、どんなのがいいか教えて下されば何パターンか描いてみます」
今まで絵柄を担当できる人がいなかったから実際助かっている。
私達のよく集まるこの倉庫の座卓に座り、よく夢中で絵を描いている。
楽しそうに描いてる姿を見ると安心する。
「それとこれなのですが」
出しにくそうにマルビスが私の前に置いた。
それはレイオット領の朝市で買った十個のエメラルド。
色々あってすっかり忘れていたけど。
あの時はみんなテンション高かったしね、今更ながら恥ずかしくなったのかも。
遠慮がちな様子がマルビスらしくなくて私はくすくすと笑ってしまった。
「マルビスは何に加工したいの?」
それでもこの場に出したってことは作りたいのだろう。
「側近の印、なんでしょう?」
「いいんですか?」
何故疑問形?
欲しかったんじゃなかったの?
「いいよ。それでマルビスが喜んでくれるなら充分。
アクセサリーの加工デザインだって。キール、やってくれる?」
私は向かいに座っていたキールに尋ねてみる。
「やってみたいです。俺、そんな高価なもののデザインやってもいいんですか?」
初めてキールに会った時、そういえば露天にアクセサリー並べてたっけ。
そういうことにも興味があるのかな。
だったらやらせてみるのがいいだろう。
人の才能なんてものはどこで開花するかわからない。
「ちゃんと希望を聞いて、使う人に似合うように考えてみてね。良かったね、マルビス。キール、やってくれるって」
「はいっ、では是非ブローチで」
満面の笑み、わかりやすい。
「ロイは何がいいの?」
「私は耳飾りでお願いしたいです」
ロイといい、マルビスといい、やたらと目立つところにつける物を選ぶなあ。
正面に立てば真っ先に目が行くところだよね。
仕事の邪魔にならないとか使いやすいってこともあるのだろうけど。
「ガイはどうする? 欲しい? それともいらない? 売り払うつもりならあげないけど」
一応そう言っておかないとガイの場合、すぐにお酒に変わりそうだし。
装飾品などいらないというかと思ったのだけれど意外な事に自分の左上腕を指差して言った。
「俺は腕輪にしてくれ。人が増えて俺を知らない奴に門前払いされたくないしな」
なるほどと思いつつも、そうなったらそうなったでガイならマトモでない方法で入ってきそうな気がするのだが。欲しいというなら渡さない理由もない。
すると斜め前にいたイシュカがこちらを見ている視線に気がついた。
ある意味わかりやすい。イシュカに尻尾があったなら間違いなく下に垂れているだろう。
「イシュカも欲しいの?」
「私は専属とはいえ正式な貴方の部下ではありませんし」
確かにそうだ。
だけどこれからずっと側にいてくれるのにイシュカにだけないのも変だろう。
「じゃあ二年間だけ、ね。騎士団に戻る時返してくれればいいよ。どうする?」
イシュカのために作るものだから別に返してもらう必要はないんだけどその方がイシュカも受け取りやすいだろう。他の人に改めて渡すにしても他人が使っていた物を渡すのはどうかと思うし、エメラルドを新たに用意すれば済むことだ。別にエメラルドをつけているのは私達だけということではない。緑の瞳を持っている者は他にもいる。実際、身近で言えばテスラの目の色も緑がかっているし、私の瞳の色は母様譲り。エメラルドが好きでつけている人だっているだろう。騒いで大袈裟にするものでもない。
「よろしいんですか?」
「イシュカが欲しいならね」
「ありがとうございます」
と、なれば後一人。
「テスラにも聞いてみないとね。キールには十五歳になっても私の側にいてくれたらあげるよ」
「本当ですか?」
身を乗り出したキールに頷いて応える。
「うん、頑張ってね」
まだ才能も開花するかわからないし、他の仕事に移ってもらう可能性も捨てきれない。それにキール自身も他のことに興味が出てくるかもしれない。結果が出て、母親のためではなく自分がこの仕事が好きだからと言ってくれたなら十五歳前でも構わないけどキールのためにも選択の余地は残しておくべきだ。
本当はランスやシーファにもあげたいけど二人は父様付き、基本的にお願いしない限り、私が出掛ける時以外は屋敷の警備と父様の護衛が仕事、父様を差し置いてあげるのもどうかと思う。
明後日には延び延びになっていた新しい警備や護衛の一次募集選抜も始まるっていうし。
そうなるとランスやシーファはやっぱり父様のところに戻るのかな。
寂しいけど、仕方ない。
二人の都合だってあるだろう。
ロイのようにみんなが私を選んでくれるわけじゃないんだから。
翌日は朝からテスラと折りたたみベッドの試作と並行してロイと売り出し商品の試作に取り掛かった。
できれば寮の完成までにはベッドは完成させたい。
寮の部屋はそんなに広いわけではない。
食堂や娯楽室なども作るつもりだが、それでも使えるスペースは少しでも広い方がいいだろう。折りたたみとはいってもソファのようにして使える物を考えている。できれば使わない毛布などを入れておける引き出しみたいなものもあると便利だ。そうなるとある程度の高さがいる。入口の扉の上に荷物を置ける小さなロフトをつけることも考えてはいるけれど収納は場所を取らなければあって困るものではない。
そこで考えたのは半分の大きさの板を二枚重ねて蝶番で開き、脚を取り付ける方法と、板ではなく、太めの角材を並べ、ソファとして使う時は角材が隙間なく並び、ベッドとして使う時は半分の角材を脚側に簡単に引き出せるようにする方法だ。とりあえず二つ作ってみるつもりではいるけれど上手くいくかどうかはわからないので最初は模型のように作りやすいサイズで作ることにした。実際のサイズの五分の一くらいの大きさだ。
ロイには今日朝市でなるべく色々な種類の野菜や果物を買ってきて貰った。
プリンの型が揃っていないので今日試すのは蒸しパンだ。
固い食材は先に茹でたり蒸してもらい賽の目切りにしてもらい、アクの強い野菜は茹でたりしてから微塵切り、果物は皮を剥いて潰して貰ったり、柑橘系は薄くスライスしてもらったり、色々と下拵えをしてもらう。用意した葉物野菜と果物の三分の二は天日干しにしてみることにした。水分量が多すぎると生地がベチャッとしてしまうこともあるだろうから両方試す事にした。
こういう時、魔法で水分飛ばせれば楽だろうと思ったのだがそこまで繊細な作業はかなり厳しいようだ。洗濯等で衣服の水分を汚れと一緒に飛ばせるのは出来ても果汁に含まれる成分を汚れと認識してしまうため乾燥出来ても美味しくないらしい。乾燥出来ても甘味等も一緒に飛んでしまうのでは意味がない。便利なようで意外に魔法というのは不便なところがあるある。
あくまでも試作なので先ずはもとのタネを作り、小分けにしてそこに野菜や果物を混ぜ込んでみることにしたのだがロイの手際が良すぎて最早私の出番がない。
そうなってくるとノコギリの使い方も下手な私はテスラの手伝いも無理。
当然だが絵心がないのでキールの補佐も不可能だ。
ガイは昨日の夜からふらっと出掛けて戻ってきていないところを見ると、どこかの調査に行ったのだと思うし、マルビスは自分の手足となって動いてくれる人が増えたお陰で仕事がやりやすいらしく店の開店準備はゲイルに任せて他の売り出し商品の生産ラインの確保に力を入れているらしい。
王都出発前に頼んでいたビーズの完成品も出来上がっているのでそれに手をつけてもいいのだが、そうなるとイシュカの仕事もほとんどない。屋敷の中は父様の警備兵達がいるからだ。
ウ〜ン、と、少し悩んで考える。
気候的に暑くなってきたので剣の稽古は夕方からになっている。
そう言えばイシュカは私の使う色々な罠や戦術について学びたいと言っていたんだっけ。それなら空いた仕事の合間に私が読んだ本の中で役に立ちそうなものを読んでもらうのはどうだろう? 父様に確認して借りられるならまずは私が下手な説明をするよりいいかもしれない。わからないことは質問してもらってもいいし、読んでもらった後にこちらから質問して考えてもらうという手もある。
私はイシュカを連れてロイとテスラに一言断ってから父様の執務室にお邪魔して本の持ち出し許可を取り、書斎に向かった。
「すごい蔵書の数ですね」
感心したような声に私は頷いた。
「色々な本があって面白いよ、歴史や文学は勿論、生活の知恵から魔法書まで、父様も本が好きみたいだね」
私は踏み台を持ってくると本棚の中から十数冊の本を抜きとってイシュカに渡す。
それはこの辺りの平民の生活や様々な職業についての基礎知識などが書き記されたもの。
「この中で読んだことのある本はある?」
「いえ、多分ないと思います」
イシュカは渡された本の背表紙を眺めて答えた。
「じゃあ時間がある時に読んでみるといいと思うよ。役に立つことも多いと思うし」
「貴方はこれを全部読んだのですか?」
「コレって、この本棚のこと?」
「いえ、そうではなくて・・・」
「うん、ほとんど全部読んだよ。興味持てなかったもの以外」
異世界の常識と比べるのも面白かったし。
「この本棚全部ですかっ」
「あれ? そういう意味じゃなかったの?」
そういえば父様にも本棚全部目を通したって言ったら驚かれたんだっけ。
小さな頃の私の空いた時間を埋めてくれた本達だ。
「私はよくこの書斎に入り浸って床の上で本を開いていたんだ。色んな面白い事が載ってて楽しかったよ」
「貴方が博学なわけがわかりました」
「博学ってほどじゃないよ。まだまだ知らないことの方が多いし。自分に関係ないって思うようなことの中にも結構役に立つことってあるモンだよ。知っておいて損はないと思うんだ。得た知識は邪魔にならない」
まるで関係ないと思っていたところで使えることも意外とあるものだ。
様々なものは色々なところで繋がっていたり、共通することも多い。
「イシュカは本を読むのは苦手?」
「いえ、そんなことはありません」
それならよかった。苦手だと言われたらどうしようかと思っていた。
「急いで読まなくていいから自分の生活とか戦いに使えるものが何かないか、考えながら読んでみて。わからないところがあれば聞いてくれていいから。それに私が答えられるかどうかは保証できないけど解る限りは教えるよ」
イシュカは頭がいいし、応用もきく。
コツさえ掴めれば私より現場を知っている分だけ、ずっと優秀な軍師にも指揮官にもなれるはず。
「私は人より魔力が多くても戦いのことをよく知らない。だから歴戦の猛者達には到底敵わないし、多数の魔獣達にも正面からはぶつからない。勝てないのは知っているからね。
でも簡単に諦めることだけはしたくないんだ。勝てないならせめて負けない方法を考える。引際は見極めるようにしているつもりだけど上手くいかないことも多いし。イシュカは諦めの悪い私をカッコ悪いって思う?」
「そんなことありませんっ、誰よりもカッコイイと思います」
それはイシュカの欲目かな。
私は結構カッコ悪いと思うけど。
「ありがとう。でも私はあんまり勝負強くはないと思うよ。だから基本勝てない勝負はしない主義だし、逃げられるものなら逃げたいって思うこともある。結構ヘタレなとこも、臆病なとこもあるし、自分のことになると覚悟が決まらなくてつい逃げちゃうこともあるしね。他の人に迷惑かけないならまあいいかって。そういう情けないとこ、変えていかないといけないとは一応、思ってるんだけどね。難しいよね」
カッコイイ男になろうって決めたけど、なかなか上手くはいかないのが現状だ。
周囲の評価だけがどんどん上がってついていけない。
極力上げずにおこうと思っているにも関わらずだ。
幻滅されたらどうしようって思っていることもある。
それでも私を選んでくれた人達に後悔だけはさせたくない。
周囲の評価に釣り合えるよう、今はただ、頑張るしかないのだから。