第二十九話 団長、横暴です。
何やら門番と緊迫した表情で会話をしている団長の後ろ姿に予感は現実になると確信した。
思わず回れ右をして帰りたくなったが、あの様子では自領まで追いかけてきそうだ。無駄なことはしないほうがいいだろう。
何故、こうも次から次へと問題が向こうから列を成してやってくるのか?
せめてあまり大きな問題ではないことを祈るしかない。
門番との話を終えた団長の視線が検問待ちをしているこちらの馬車に向けられ、車列の中にウチの領地の紋章を見つけると即座に馬に飛び乗り、三人の部下を引き連れ駆けてくる。
もしかしなくても結構な大事なのでは?
父様達と顔を見合わせるが事態がわからない以上回避する手段も対策も立てられない。
そうこうしているうちに団長達が近づいてくる。
「ハルトッ、ハルスウェルトはいるかっ」
声を張り上げて名を呼ばれれば、もう出て行くしかない。
とりあえず状況の確認だ。
「こちらです、団長」
馬車の扉を開け顔を出すと、すぐ横に馬をつけられた。
「良かった、近くまで来ててくれて助かった」
「どうかしたんですか?」
周囲から視線を集めつつ余裕のない表情で両手を伸ばし、私をそのまま馬上に引き上げた。
「ちょっ、ちょっと待って下さいっ」
いきなり荷物のように抱え上げられバタバタと抵抗するが腕力が違いすぎる。
「すまないが緊急事態だ、説明は後でするが至急協力を頼みたい。
御子息をお借りするぞ、伯爵」
「その前に状況をお伺いしたいのですが」
そうだよっ、父様の言う通り。
物事には順序ってものがあるでしょうよっ。
「部下を一人置いていく、状況はそいつから聞いてくれ」
「待って下さい、私の事情はどうなるのですかっ」
横暴だっ、勝手すぎる。
「悪いがそんな暇は・・・いや、違うな」
抗議しようと口を開こうとした。が、できなかった。
私を強引に連れて行こうとしたその人は私の脇に手を入れ、馬上で向かい合わせると私に深くその頭を下げたのだ。
嘘っ、この人、家こそ継いでいないが確か侯爵家出身だったはず。
周囲からざわめきと彼の部下の驚いて止める声が聞こえた。
だが団長は駆け寄ろうとする部下を腕で制し、私を真っ直ぐに見た。
「巻き込んですまない。だが俺達を助けて欲しい。
お前が必要なんだ、頼む、力を貸してくれ」
「横暴です、私一人では何も出来ないと前にも言ったじゃないですか」
必要とあらば身分が下の者であっても、まだ子供の私にも潔く頭を下げる心意気は認めるが期待されても私にできる事は多くないのだ。
応えられない。
見上げて反論すると団長は何か思い出したらしく、再び視線を馬車に向けた。
「・・・そうか。そうだったな、ロイと、後もう一人いるんだったか。
そいつは付いてきているのか?」
馬車の中にロイを見つけ、視線を巡らせ、マルビスの姿をとらえた。
「そちらの男か?」
「マルビス・レナスと申します」
スッと立ち上がりマルビスが軽く頭を下げ、名乗る。
「すまないが協力してくれ。一緒に付いてきてくれるか?」
「ハルト様が行かれる場所でしたらどこへでも。
ですが私にも至急片付けたい仕事が一つあるのですが」
「それは他の誰かでは出来ない仕事か?」
例の登録一覧証明書のことか。
確かにあれは急がなければならないものだけど。
するとマルビスが父様に意味ありげに視線を流す。
「マルビス、そちらは私がやっておこう。一応私も商業ギルド登録者だ。
緑の騎士団の御威光はお借りしても構わないんですよね、バリウス団長」
なるほど、向こうの都合をこちらに押し付けるのならこちらの都合もついでに押し付けてしまおうということか。
国王直属の騎士団の名前を利用してゴネられた場合でもそれをタテに急がせるつもりか。
「構わん、威光でも脅しでも好きなように使ってくれ。
謁見は延期だ、先にそれ以外の仕事を済ませておいてくれ。
陛下の許可と書状は取ってある。
ハルスウェルトの協力を得るため必要であれば迷わず使えと。
お預かりした御子息は事が済み次第、責任持って我が騎士団の者が無事送り届けると約束する。勿論、こちらの都合で御子息をお借りする以上、王都での滞在延長に掛かる費用、それに付随する損害等は全てこちらで負担させて頂く」
ちょっと待ってっ!
謁見延期って、陛下の許可と書状って、どんだけ緊急事態の大事なの?
なんでそんなとこに私が呼ばれるのか理由がわからない。
「承知致しました。ではハルスウェルトはお預け致します」
「待ってっ!」
話からするとこれから騎士団に連れて行かれるってことでしょう?
王城や騎士団は貴族が多いと聞いた。そんな中に平民のロイやマルビスを連れて行ったらどうなるかわかったものじゃない。
「ロイとマルビスの扱いと安全も保障して下さい、そうでなければ私は参りません」
「わかっている。
お前の大事な者に絶対危害は加えさせない、俺の名にかけて。これでいいか?」
「その言葉に偽りがあれば私は以降、二度と貴男を信用しませんがよろしいですか?」
口先だけなら幾らでも言える。悪い人間でないことはわかっている。
だが、私はそこまでこの人をまだ信じているわけではない。何があったかは知らないが、悪いけど私には何千人の見知らぬ他人より二人のほうが大切だ。
睨み上げて返事を待つと予想以上のとんでもない言葉が返ってきた。
「その時は俺の首でも、命でも好きに持って行け」
重い、重いよっ、どんだけ一大事なのっ!
「お前らも聞いたな? 俺がハルスウェルトとの約束を違えたときはコイツが俺に何をしても手を出すなよ」
「団長っ、何もそこまでっ」
そりゃあ止めるよね、自分達の団長と得体の知れない子供。
彼らからすれば私達の存在なんてその辺の有象無象と変わらない、納得できるわけがない。
たけど団長はそれ以上の言葉を二人に許さなかった。
「お前らがその二人を守り通せば済む話だ。
ハルスウェルトにはそれだけの価値がある。
今はどうしてもコイツの協力が必要なのだ。わかったな?
今回のことが終息すれば俺の言った意味もわかる。
それまでは何があってもお前らがこの二人を守れ、必要ならば他の団員を動かしても構わん、俺の名前でも、陛下の威光でも使えるものならなんでも使え。責任は俺が取る」
なんかとんでもないことに巻き込まれたことだけは理解した。
どうして嫌な予感というものはこんなに当たるものなのか。
逃げ出したくてたまらない私を無視して話はどんどん進んでいる。
「急ぐぞ。事態は一刻を争う。レスティは残って伯爵に事情の説明を。シエンはロイの、ダグはマルビスの警護だ。
俺はハルスウェルトを連れて先に戻る。
いいか、必ず連れて来い。コイツにはその二人が不可欠だ」
私一人では役に立たない、それは間違いないけれど、もしかしてまた余計なことに二人を巻き込んでしまったかもしれない。
申し訳なくて二人を見ると二人は嬉しそうに笑っていた。
なんでそんなに嬉しそうなのっ?
意味がわからない。
「ハルト、しっかり口を閉じてしがみついていろ。
飛ばすぞ。詳しい話は着いてから説明する」
グッとその硬い腹筋に顔を押し付けられた直後、馬が嘶き、物凄いスピードで走り始めた。
身体強化して走った時とまるで違うスピード感。
ロイと二人乗りした時と速さが桁違いだった。
馬も騎手も一流だとこんなに違うものなのか。
いや、ロイが手加減してくれてたのかもしれないけど。
私は振り落とされないように必死にしがみついていた。
どのくらいそうしていたかわからない。
すごく短かったような気もするし、長い時間だったような気もする。
ただ目的地に着いた時には私はフラフラで車酔いならぬ馬酔いで目が回っていた。
吐きそうになっている私を馬から降ろすとぐったりとしている私を軽々と抱えて団長は走り出した。
勘弁してほしい。
朝食はもう胃袋を通過しているだろうが胃液が口から出てきそうだ。
「イシュカッ、連れてきたぞ。アレは出来ているかっ」
長い通路を抜け、バタンッと扉を開けて団長がそこに飛び込んだ。
「はい、完成してます。できるだけ細かいほうが良いということでしたので地理に詳しい者達に手伝わせ、出来得る限りの情報は集めさせました」
少し高めのよく響く声が耳に届いたが私は顔を上げることができなかった。
俯いたまま、よろよろと数歩歩いたところで地面に情けないがヘタリこんでしまった。
うっ、気持ち悪い・・・
「すみませんが水を一杯頂けますか? 気分が・・・」
「バリウスッ、急がなければならないのはわかっていますがこれではまともに話が出来ないでしょうっ、少しは考えて行動して下さいっ」
団長が怒られている。庇う気はないが顔を上げられずに俯いたまま、視線だけを前方に向けるとそこには以前団長と土で作った縮尺地図の模型もどきが鎮座していた。
これが用意されているとなると恐らくどこかでまた魔物や魔獣に関する事件が起きたということか。
それも騎士団だけでは対処しかねるような事態に。
仕方ない、ここまで来てしまったのだし、団長の命まで賭けられてしまっては逃げるわけにもいかない。
私は座り込んだまま顔を上げるとガミガミと説教されている団長の姿が見えた。
団長を怒鳴っているのは彼と比べると幾分か細身の、だがしっかりとした筋肉に覆われていると思われる、所謂細マッチョの部類の青みがかった銀髪、藍色の瞳をした男の人。綺麗というより端正という言葉が似合いそうな美丈夫。
こんな状態でなければ一瞬くらいは見惚れてたかもしれない。
ロイの顔立ちの方が私の好みだが、この人もなかなか美形だ。
周囲には総勢二十名ほどの団員がこの地図を取り囲んでいる。
急ぐというならまずは二人の口喧嘩を止めるのが先か。
「すみません、大丈夫です。動くのは厳しいですが話を聞くことは出来ます。
椅子と水を頂けますか?
少し休めば調子も戻ると思いますのでまずは私が呼ばれた事情と解決しなければならない事態をその間に説明して下さい」
話を聞いて私がここに呼ばれた理由は納得した。
大量の魔物や魔獣が押し寄せてくるだろう事態、これは正攻法で当たれば騎士団全滅も免れない。
スタンピード、魔獣達の暴走だ。
原因は様々ある。魔獣達が恐れるような魔物の来襲であったり、異常気象や異常繁殖による食料確保のためのものであったり、他にも様々だ。原因が判明している時もあればない時もある。
今回のソレは所謂天変地異、自然現象。火山の噴火による溶岩の流出とその地震だ。
我がシルベスタ帝国の北北西に位置するイビルス半島、別名魔獣の森と呼ばれる地域の西側にある火山が噴火し、それから逃れるための大移動が始まったということだ。
それを目撃したのは国の海上警備隊、船で見回っていたところ大地を揺るがすような音がいきなり響いたかと思えば次の瞬間、火山が爆発したそうだ。それでその報告をするために岸に向かおうとしたところ、半島の沿岸を走る魔獣達の群れを目撃したと。
イビルス半島は帝国と細い陸地で繋がっているためにこの国の一部となっているがほとんど不干渉地帯。
高く、厚い外壁と切り立った崖で遮られていて辺境警備隊が交代で監視する以外、今まではたいした脅威ではなかったらしい。実際に大型の魔獣が激突した程度では揺らぎもしなかったということだ。外壁は海岸から百メートルほど沖に向かって伸びているので泳ぎができる魔物であってもこちら側に辿り着く前に大抵海に住む魔物の餌食となっていたため海からの侵入も難しい。
なのに何故か?
答えは簡単、数の桁が違うからだ。
現在半島近くの海岸沿いでは辺境警備隊と沿岸警備隊が浜に上がってきた魔獣の退治に当たっているらしい。まだ数も少なく、大体が泳ぎ疲れて弱っているらしいので手間取ることは今のところないようだが数が増えてくれば手も足りなくなるし、兵が疲弊すれば討ち漏らしも発生してくるだろう。
そして一番の問題は外壁だ。
高さ三十メートルに及ぶ堅牢強固なはずの壁が超えられそうになっている理由。
それは魔獣達の死体だ。自然の脅威から逃げ出すために何度も体当たりを繰り返し、息絶える。それが積み重なり、折り重なって山となり、鉄壁であるはずの外壁を脅かしている。
「王都周辺までの到着予想時間は?」
私は水をちびちびと啜りながら尋ねた。
「このまま何もしなければおおよそ五日後くらいだと推測している」
これを短いと言うべきか、意外に猶予があると見るべきか。
「今回の魔物や魔獣の種類と特徴、好物、その習性を教えて下さい。
できるだけ細かく。でなければ対策は立てられません。
私が直接戦って倒したことのある魔物はワイバーンだけです。後はせいぜい鹿や猪程度ですから図鑑でしか魔物や魔獣をほとんど知りません」
私の言葉に周囲がざわめき出す。
そりゃあそうだろう。ろくに魔獣や魔物を倒したことのない子供の言う事など信じられるわけもない。
「生き物である以上、特徴や習性、特性等が解ればその行動もある程度は予測がつきます。但し、絶対ではありませんのでそれを補うために騎士団の方々の経験や知識が必要になります。
団長にも申し上げた通り、私だけの力ではたいしたことはできません。
策を考えることは出来てもそれを実行して頂く方の協力なくして成功はありえませんし、絶対大丈夫と断言することもできません。失敗の責任も取れないのでそれを実行するか否かの判断はおまかせ致しますし、後で責任の所在をこちらに問われても困りますのでその書状もお願いします。
それでもよろしければ手伝わせて頂きます」
結構言いたい放題主張させてもらったが、言う事は言っておかないと後で全ての責任を押し付けられて縛り首にでもなるのはゴメンだ。
これは本来、私の仕事ではない。だが放っておけばウチの領地もタダで済まない可能性もある以上は手伝わないという選択肢はない。
キッパリ言い切った私に対して団長が再び頭を下げた。
「全ての責任は俺が負うのでそれで構わない。感謝する」
約束は取り付けた。周囲のざわめきはひどくなっているが構っていても対処に使う時間が減るだけ。
ならばとりあえず無視だ。
精巧に作られた立体地図をみるとかなり特殊な形をしている。
おそらく波がそれなりに強く、削れこういう形になったのだと思うけど。
私はぐるりと一周まわると半島のクビレの部分で立ち止まった。
「まずは外壁をなんとかして時間を稼ぎましょう。
すぐに思いつく手段は二つ。
一つ目の方法は水魔法の遣い手を集め、一気に外壁沿いに向かって放ち、死体を半島内側へと押し流します。水魔法はあくまでも外壁沿いに。生きている魔物に当てて数匹倒したところで山は崩れませんので時間は稼げません。
もう一つの方法は大量の油を上から流し、火を射かけて死体を焼き払う。
ここで重要なのはくれぐれも火魔法を使用しないこと。
魔法は魔力が尽きれば消えてしまいますが油は染み込めば魔獣にも脂肪という油があるので燃え続けます。それに魔力の通っていない火ならば火に耐性のある魔獣にも多少は有効なはず。燃えれば死体の山は低くなり、多少の時間の猶予は出てくるでしょう。
因みに私のオススメは火炙りです。魔獣の死体を放置すれば魔素の取り付きを許し、より強力な魔物の誕生を許すかもしれませんので後々の脅威が発生しないとも限りません。
それから海岸沿いですが、直接対峙する必要はありません。
魔獣の多くが疲弊しているというならこの崖の高いこの位置、風属性持ちの弓兵を多く派遣して射かけ、手傷を負わせ、魔獣同士で食い合いをさせます。
回復のためには栄養が必要になるはずですからトドメを刺す必要はありません。血の臭いで争いになるのではないかと考えますので警備隊の方々は今後の兵力温存のため準備が整い次第、下げて下さい。
そしてそれを抜けてくるものは崖の続くこの場所で対処します。
まずは両側が切り立った崖が続くこの中間地点に岩を落とし、塞いで下さい。ある程度登れる高さで。入口を塞げば誘い込めなくなるので避けて下さい。登れないとなれば他の道を探されても面倒になります。個体によって登る速度にバラツキが出れば対応しやすくなりますのでそれをこの崖の終了地点で待ち構えます。出来ればここの出口を土魔法の遣い手を使って狭めて下さい。
そうすれば一度にこちらが相手をしなければならない魔獣の数も減るはず。
班を三つに分けて交代で当たれば疲弊と体力の消耗も少なくなると思います」
まずは単純な時間稼ぎと群れの分断方法。
大量に押寄せられては対処できない。ある程度群れをバラす必要がある。
今後のためにも兵の消耗は極力避ける方向で動くべきだろう。
咄嗟に考えついたのはこの程度。
まくしたてるように喋り終わると辺りはシンとしていた。
「この策は使えますか? 不備、不都合があれば教えて下さい。
そこをどう対処するか考えてみます」
さっきまであんなにヒソヒソ話が横行していたはずなのに、この静けさはなんだろう?
無理なら無理だとハッキリ言ってもらわなければわからない。
側にいた団長を見上げて返事を催促すると我に返ったのかすぐに団員に指示を出した。
「いや、すぐに手配する。
赤の騎士団、第一、第二班はすぐに準備を整え、城壁へ向かえ。
出来れば火炙りだが状況によっても変わる可能性があるのでどちらの手段を使うかはお前らの判断に任せる。第三班は弓兵を集め、指定された崖上部へ向かえ、第四、第五、第六班は岩で道を塞いだ後、崖入口で待機。第七、第八班には補給を任せる」
なんとか作戦は使えそうということか。
「それから大量の油と樽、ワイヤーとその網、精肉店を回って捌いた動物の血を分けてもらって樽に詰めて下さい。それに木材とそれを加工できる作業員の手配もお願い致します。
使用するかどうかはまだわかりませんが私の作戦にはそれらを多用することが多いので先に準備して頂いたほうが時間の短縮になります。
後は思いつき次第、その策が使えるようなら資材の手配を。
私はコレを見て他の対応策を考えますので暫く話しかけないようにお願いします。思考を中断させれると思いついたものを忘れてしまうことがあるので極力声をかけるのは避けていただけるとありがたいです。緊急の場合には大声で名前を何度か呼んで下さい。一度では気が付かない可能性もあるので。
それとロイとマルビスが到着したら二人にも事情と経緯の説明を」
「わかりました」
指示を出している団長の横で私を見ていたイシュカと呼ばれていた人が私の注意事項とお願いに返事をくれたので私は再び地図の回りをウロウロと歩き、思考の海へと沈んだ。
聞いた限りではそんなに頭のいい魔獣はまだいないようだ。
それならば手の打ちようがあるはずだ。
相手はワイバーンと違い、少数であれば充分対応できる相手。
何か、何か手があるはずだ。
考えろ、考えろ、考えろ。
噴火の終息まで極力直接対峙せず、兵の消耗を避ける手段があるはずだ。
思考を止めるな、一つ一つ、考えた策の穴を埋めていけばいい。
この間とは違い、戦力も、人手も、予算も充分にあるのだから。