第百三十一話 無事に一件落着です。
倉庫の外では突然いなくなったベラスミの宰相の行方について大騒ぎになっていたらしいがロイが私と一緒に散歩に出掛けていると言ってくれたらしい。誤魔化すために勝手口から外に出て、メイド達が忙しく昼のバーベキュー準備に取り掛かっている中をのんびりと歩きながら玄関ロビーへと回る。
「未完成ではありますが明日にでもこのリゾート施設をよろしければ御案内致しますよ」
「はい、是非とも見学させてくださいませ」
ベラスミの宰相から向けられる、この何とも言えない熱苦しい視線。
こそばゆいと言うよりもある意味居心地が悪い。
結局私の提案が通されることにはなりそうだが、こういうものは手順を踏む必要がある。
ガイが捕らえてきた男も一先ず父様の管理する地下牢で沙汰を待つことになった。
表向きは一旦ウチからの制服縫製作業を中心とした下請けの発注と検問所付近の山林の買付による運河建設費用の補填。後はこの件をフィア達が王都に持ち帰り、段取りが決まり次第実行に移される。彼らの然程多くはない親戚一同は父様の屋敷で契約魔法を結び次第徐々に私の私有地敷地内に移動を始めることになる。主犯の二人は契約魔法ではなく、拘束力の強い奴隷紋となるが彼らには存分に働いて貰おうと思っている。
補足しておくけれどちゃんと他の従業員達と同じように扱うよ? 但しウチの領地内で犠牲になった人達の家族への補償金は月々の給料から少しづつ差し引かせてもらうけどね。ペナルティはそれなりに受けてもらわねば。
こうして会談という悪巧みはつつがなく終了を迎え、本日二国の使者達は各々自分達が戻るべき場所へ帰ることとなった。
「この度は誠に有難う御座いました。特にハルスウェルト様におかれましては感謝の言葉もありません」
馬車の前で深々とベラスミの重鎮達に頭を下げられて私は慌てて首を横に振る。
「私は王子殿下の補佐の一人として協力せよという陛下に従っただけですから」
今回の関与は大々的にされては困るのだ。
上手く纏まって契約、条約が結ばれたとしてもそれはあくまでフィアの手柄。
私はお手伝いという立場なんですと強調する。
とはいえ、大量のお針子さん獲得に飛びついてガッツリ関わる結果となってしまったわけなのだが。本当に私はいつまで経っても学習というものをしない。
クスクスとベラスミのお歴々に笑われている。
「そうでしたね。ではフィガロスティア第一王太子殿下、国王陛下に宜しく申し伝え下さいませ。貴方達お二人が居らせられますシルベスタ王国の未来は必ずや明るいものとなることでしょう」
フィアはともかく私はどうだろう?
こんなトラブルメーカー、関わらない方がフィアのためのような気がしないでもない今日この頃だ。国の治世は安定、平和が一番、厄介事に巻き込んで国が混乱しても困るだろう。遠くから応援を送るだけにしておいた方が良いようにも思える。
ベラスミの宰相は私の隣にいたマルビスに向き直ると手に持った書類を大事そうに抱え直す。マルビスが急いで建築士に引かせた別荘の図面だ。しっかり私のリクエスト、手足を伸ばして入れる広い露天風呂だけでなく室内風呂も完備されている。内装を凝らない分、早ければ年末前には完成するそうだ。
「マルビス殿、こちらの手配は我が国の職人でも屈指の者に受注させ、早急に取りかからせます。それからこちらを」
そういって差し出された封筒、開けると一通の許可証が入っていた。
「仮ではありますが我が国へのフリーの入国許可証です。必要な職人リストと正式なものを用意してお待ちしております」
「ありがとう御座います。こちらも早急に準備に取り掛かろうと思いますので宜しくお願い致します」
お陰様で心配だった施設オープン時のスタッフ用の制服は間に合いそうだ。
やはりこういうのはお揃いのユニフォームが基本だろう。
一目で来客とスタッフの見分けがつくというのは色々な意味で重要なのだ。
ベラスミに戻って行く馬車を見送ると今度はフィア達のお帰りである。
「じゃあ、こちらも王都へと戻るとしようか。様々なことが正式に決定次第、こちらに報告を入れさせます。この度も御協力頂き、ありがとう御座いました」
「フィア、またね」
私はフィアと別れの挨拶と握手を交わす。
その後ろで宰相が御礼を述べる。
「ハルスウェルト殿、今回も貴方の機転で多いに助けられました。
今後も末長くお付き合い願えることを期待しておりますよ」
末長く? フィアはともかくあの陛下は全力でお断りしたい。
できるならば。
どうにも掌の上で踊らされてる感があって釈然としないのだ。
「私としては極力御遠慮願いたいのですが」
「それは無理な相談かと。ここはやはり是非とも姫様のお輿入れを・・・」
「勘弁して下さいっ」
冗談はやめてっ!
何のための婚約者だと思ってんのっ!
非常に贅沢な状況と言えなくもない状態だけれども。
「実に残念です。まあすぐにではないとはいえアインツ連隊長と縁戚になられるということで、今はそれで我慢しておきましょう」
そっ、それがあった。
色々と発生した問題に記憶の隅に追いやられていたのだが結局着実に国の重鎮達との繋がりは増えているわけで。
たらりと冷や汗が流れて不意に上げた視線の先に団長の姿があった。
ハッと何か思い出したかのような表情に私は振り向いてすかさず声を張り上げた。
「テスラッ、早く逃げてっ」
わけもわからず一瞬驚いたようだがニヤリと笑った団長の迫力に悪寒が走ったのかテスラが一目散で階段を駆け上がり、三階に続く階段に飛び込んだのを確認してホッと息を吐く。
それを見て団長が悔しそうに唇をへの字に曲げる。
あっ、舌打ちしたっ、全くもう。
変なところで張り合って大人気ないんだから。
そこで無駄に煽るように胸を張って高笑いしないでくださいよ、連隊長。
折角の男前な威厳が台無しですってば。
色々と問題や不都合が起こる前にここはさっさと退散して頂こう。
私は謝罪しながらフィアの背中を押して馬車に押し込むと早く帰れとばかりに手を振った。
面白そうにクスクスと笑いながらもフィアは馬車を出発させてくれた。
台風一過。
なんとか平和で忙しい日常に戻れそうだ。
私達は出発した馬車が見えなくなるまで見送るとそれぞれの仕事に取り掛かる。
まずは両国御一行様滞在のお片付けからだ。
屋敷の中の清掃片付けその他を忙しく取り仕切り始めたロイとベラスミに向かわせる人材の選抜を始めるマルビス、テスラと叔父さんは新しい娯楽施設開発のための相談、ついでに雪を溶かすための魔石を使った道具を利用してコタツの設計もお願いしておいた。イシュカは護衛達の持ち場や指示を行っている。私はキールと一緒に四階に上がると湯を沸かし、背後の日向の窓際で昼寝をしているガイの横を通り過ぎ、机の前にレインとと三人で座り、お茶を淹れる。
忙しく働いているみんなには悪いけど、まずはホッと一息だ。
まずは何から取り掛かるべきかと考えていると父様が階段を昇ってきて、そのまま滞在していたロイの部屋に入って行った。ロイは父様がこの屋敷に滞在している時は基本的に私の寝室にある窓際のソファベッドで寝ている。私が起きる頃にはいつもソファに戻されているあたりがロイの几帳面なところだけど。
私はガタガタと聞こえ始めた音に立ち上がるとロイの部屋を覗いた。
どうやら帰り支度をしているようだ。
もともと田舎の貧乏貴族。使用人の雇い入れを一年前まではかなり絞っていたこともあって父様や母様、兄様達も側仕えや執事が側にいない場合、基本的に自分のことは自分でやる人達だ。それは勿論私もだけど、今は大概私が手を出す前にロイに片付けられているけれど。
「父様ももう帰られるんですか?」
私が戸口から声を掛けると父様は手を止めることなく手早く荷物をまとめている。
「ああ、いつまでも屋敷の者に不自由をさせておくわけにもいかない。私もこれから益々忙しくなる」
主に私のせいで、だよね。
「すみません、ご迷惑をお掛けします」
「何を謝る必要がある。助けられているのは私だろう?」
私が謝罪するとそう、父様の声が返ってきた。
そして片付けていた手を止めて私を振り返る。
「お前は私の誇りだ。好きなように思う存分やりなさい。それを私も、お前の大事な仲間達も望んでいる」
そうだろうか?
でも、そうならば嬉しい。
みんなは私の前で嫌な顔を見せないから逆に不安になる時がある。
本当は迷惑だと思っていないのか、面倒だと思われていないのかと。
そうでないと信じたいけど、嫌ならば嫌と言って欲しいのに滅多にその言葉は口に出されることがない。
私はなんとなく不安になってポツリと愚痴を漏らす。
「物好きが多いですよね。私のどこがそんなに気に入ったのか、いまだ謎です」
不安なのはそれがわからないからなのだろう。
側にいたい、夢中だって言ってくれるけど、私のいったいどこに?
聞いてみたいけど少しだけ聞くのが怖いのだ。
私は自嘲気味に笑って思わず俯いた。
「多分、お前のそういうところだろう」
父様は私の前でしゃがみ込むとポンッと頭の上に手を置いた。
顔を上げると優しい笑顔がそこにある。
「前にも言ったと思うがお前には自信がなさすぎる。だからこそ心配で支えたくなるのだろうが」
「頼りないという意味でしょうか」
「違う、お前は自分が穴だらけだと思っているだろう?」
それは確かに、そう思っている。
そのせいでみんなに迷惑かけているし、手間もかけさせている。
「お前はその歳以上にしっかりとしているが抜けているところが多いのも事実だろう。
人は完璧な者に頼ろう、付いて行こうと思っても、支えようとは思わないものだ。皆がお前についてくるのは支えたいと思わせる魅力がお前にはあるのだと私は思うぞ?」
そう、なのかな。
私にそんなものあるのかな。
そういう形にハッキリできないものはわかりにくいものだ。
だからこそ私は自信が持てないのだけれど。
「でも婚約者である必要まであるのでしょうか? いくら御令嬢方々の縁談を断るためとはいえ」
「あまりにもあっさり受け入れし過ぎている、か?」
私は小さく頷いた。
「三人いっぺんにという時もみんな揉めることもありませんでした。それどころかみんな進んで私の婚約者を増やそうとしているフシがありますし」
独り占め出来るとは思っていない、イシュカがよく言う言葉だ。
私に向けられる視線の意味。
柔らかくて、優しくて、温かい。
穏やかだけど熱いと思ったことは殆どない。
それが私がイマイチ自信が持てない理由でもあるのだけれど。
父様は小声で囁くように言った私の言葉に考えると徐に口を開いた。
「多分、だが。あくまでも私の推測だぞ?」
父様はそう言い置くと先を続けた。
「お前の周りにいる者、特に中でもお前の婚約者達は人との縁が薄い。主人であると同時に彼らにとってお前の側は戻りたいと思わせる場所、居心地の良い家でもあるのだろう。
伴侶というよりお前の家族でいたいのではないのかと、私はそう思っている。
少なくとも今の時点では、な」
人との縁が薄い?
言われて思い当たるフシはいくつもあった。
戻りたい場所、居心地の良い家?
私の家族でいたい、なりたいと思ってくれたから婚約者になってくれた?
それが事実かどうかはわからないけど、なんとなく父様の言葉は私の心の中にストンと落ちた。
それならば婚約者を増やそうという理由も納得できる気がして。
伴侶を増やすというよりも家族を増やそうとしている?
「一応曲がりなりにもお前の婚約者として受け入れる者達だ、調査は入れている。結婚すれば彼らはいずれは私の義理の息子にもなるのだからな。
ハルトはそれを知りたいと思うか?」
尋ねられて、私は少しだけ考えて首を横に振った。
「知りたくないと言えば嘘になりますけど、私が大事にしたいと思うのは今の彼らです。知るのなら私は本人の口から聞きたい。隠したいと思うのなら、それを暴いてまで知りたいとは思いません」
私にも言えないことはたくさんある。
それを全部知らなければ受け入れられないなどと言うつもりはない。
過去に何があったとしても、今は私の大事な人達だ。
「ならばお前の好きにすれば良い。安心しなさい。多少訳アリな者もいるが、それが他者に知られたとしても困るほどのものではない」
「私は困るようなものでも構いませんけど?」
それがあるから今の彼らがあるのだと思えば気にするほどのこともない。
「お前は本当にそういうところは豪気だな」
「もしそれに文句をつける者がいるというなら、私が文句をつけられぬほどの人物になれば良いだけのこと。私は己の大事な者を離さないで済むのなら、それに足る人物になれるよう努力致します。
もし父様の言うように私の家族でいたいと思ってくれているのなら、尚更、ずっと長く、私の側にいたいと、私のところに戻って来たいと思ってもらえるような、温かい家を私は作りたいと思います」
疲れて戻って来た時に『おかえりなさい』と言ってあげられる場所。
温かい食事と、柔らかな寝床があるだけで、人はホッと息を吐けるものだ。
「だが変わらず彼らがお前を好きでいたとしても人の心というのは変化するぞ?
敬愛や親愛、友愛が恋愛や情愛にならないとも限らない。
それに気づいていない場合もあれば隠していることもありえる。
夫婦というのは家族の最小単位のひとつでもある。
お前が子供と呼べないほどに育ち、もし彼らに本気で恋された時、お前はいったいどうするのだろうな?」
私が子供で無くなった時?
ロイやマルビス達が本気で私に恋をする?
今でも過剰過ぎるほどの口説き文句とスキンシップ、それが更に激しくなるってことなのか?
私はそれを頭の中で想像し、思い描こうとしてみたが及ばず、私はボンっと顔を真っ赤に染め上げると、ワタワタとその場で慌て出した。
その様子を見ていた父様にクスクスと笑われる。
「そんなに慌てなくともまだ先、可能性の話だ」
そ、そうだよね、まだ先、まだ当分先なのだ。
ホッと胸を撫で下ろし、気を落ち着ける。
だけど、
「私はたった一人でもいい、私が大事だと思える者を手に入れたいと願い、イイ男になりたいと思っていました。でもこんなにたくさんの大切だと思える相手がいて、少し戸惑っています」
「しかし、お前のそれは恋ではないのだろう?」
恋か恋でないかと聞かれても私にはその基準がわからない。
「正直なところ私にもわかりません。もしかしたらもう誰かに恋しているのかもしれません。ただ、今の私は五人の中から一人選べと言われても多分選べないと思います。
非常に贅沢な悩みだろうな、とは思いますけど」
「いいのではないか、今はそれで。お前の婚約者達はそれを受け入れているのだから。焦る必要もない。成人まではまだまだ時間もあるだろう?」
「はい、今はそれに甘えさせて頂こうと思っています」
「アヤツらはお前を甘やかしたくて仕方がないのだから存分に甘えてやれば良い。私はお前を甘やかせてやれなかったからな」
「でもその分、将来支えて下さるのでしょう?」
それが陛下との約束だ。
父様は義理堅い、約束は守られるだろう。
「無論だ。陛下の御命令であり、私の贖罪だ。違えるわけにはいかぬ。任せておけ」
「ありがとうございます」
「礼を言うべきは私であろう? 息子に借りを作ったままでは親としてあまりにも情けない。必ずや私はお前の支えとなり、役に立ってやろう」
「期待しております」
私はそう言うとぺこりと頭を下げてリビングに戻って行った。
その一カ月後、シルベスタとベラスミの併合は執り行われた。
私の提案通り、ベラスミの宰相を生贄として。
彼の長かった髪と髭はバッサリと切り落とされ、彼がいつも身につけていたブルーサファイアのブローチは彼を裁いた証拠としてオーディランスにフィアとシルベスタ宰相の手で運ばれた。
一年半後の留学生受け入れと私の講義開講という手土産を持って。
そうして無事、戦争は回避され私は更に近隣諸国に名を馳せることとなった。
ベラスミの宰相だった男と実行犯は胸に奴隷紋を刻み、名前を変え、今私の屋敷の使用人棟に住んでいる。
四十人入るそこには現在下二階に専属護衛ニ十人、上二階にウチの幹部達がとりあえず敷地内の事務所完成までの間、そこに入居した。専属護衛の中にはライオネルやガジェットの他にランスとシーファの姿があって私達はそれを歓迎した。やはり見慣れた人がそこにいるというのは嬉しいものだ。このメンバーは半年毎に入れ替わりもあるらしいので入れたからといって気を抜けば、また男子寮に逆戻りということだ。
だが屋敷内がムサ苦しい男所帯なのは変わらず、女性を住まわせるには些か問題ある状況で、メイド達は道を挟んで向こう側の女子寮から通っている。
「ハルト様、こちらにサインをお願い致します」
ベラスミのもと宰相、今はビスマルクス、通称ビスクはそう言って私に書類を差し出した。
現在ここの経理担当になっている彼は国の財政を扱っていただけあって数字はマルビス並みに強かった。そこで今までゲイルがやってくれていた経理の書類管理を一手に引き受けてくれているのでゲイルは本来の商人としての仕事に戻り、今はウチとベラスミを数人の弟子と一緒に精力的に動き回っている。
地下牢にいた男も今はケイリッヒ、通称ケイはガイの下についた。
時折実践訓練と称してイシュカやガイと中庭で打ち合っている。
騎士団支部も出来上がり、講義も始まった。
やはり私の説明下手は相変わらずで、私の推測していた通り二回の講義を終えたところで解りづらいと苦情が出て、講師をイシュカに交代、私は講師兼御意見番として講義の間教壇横の椅子に座り、口を時折挟みつつ教えることとなった。
団員達が警備しているリバーフォレストサラマンダーも無事にスクスクと育ち、五センチ程だった個体が今では二十センチ以上の大きさにまでなっているそうだ。始動し始めた騎士団支部も地方から持ち込まれる魔獣被害に対応しつつ、借地契約の一つとして盛り込んだ、アスレチック施設をトレーニングの一環として利用している。施設開園までは時間の規定はないけれど、オープン後は朝日が昇ってから開園時刻までの限定利用、そして利用料は無料にする代わりに点検の一環として利用時の安全確認と異常の報告をお願いした。
オープンに向けてフルスピード、アクセル全開での進行が始まり、多少の問題は発生したもののたいした混乱もなく準備は進み、雪が降り始め、積もってくると町への配達も難しくなり、この際店は閉店、本格的にモール街でのオープンに備えての商品ストックや合間を見て簡単な読み書き計算の教育を始めることにした。
すぐに教師が見つからなかったため、ロイは臨時でその講師をしている。
執事見習いのエルドとカラルは仕事もだいぶ覚えて今では三階以下の管理をロイから任され、一生懸命仕事をしている。
そして年末が差し迫った頃、ぬくぬくと開発したコタツで温まっていた私達のもとに念願の温泉付き別荘完成の連絡が届いた。