詩 延命の巫女
「私たちは、巫女です」
「いいですかあなたたち」
「一秒たりともそのことを忘れないように」
自分の事よりも大切なことがある
それは「 」につくすこと
命令は絶対で
その内容に
疑問を持っては
決していけない
下されたものが
何であっても
果たすべき職務が
どんなものでも
毎日の仕事はかかさずに
祈りごとに
祭壇の掃除と手入れ
おそなえ物も忘れずに
いついかなる時であとうとも
巫女であれ
巫女であらねば
意味がない
「巫女になった理由を忘れてはいけませんよ」
――生贄の延命
「職務を放棄した場合は、わかっていますね?」