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マッチを売る少女

作者: 社畜3年目

今日は大晦日。雪が降り、とても寒い日でした。


夕方を過ぎ、辺りもだんだん暗くなって来ています。


「マッチいりませんか?」


「マッチを買ってもらえませんか?」


少女は、肌寒さを感じながら、街行く人に声を掛けます。


チラチラ見ていく人は居ますが、誰も少女に耳を傾けようとしません。


「どうしよう…。」


舞い降りる雪が少女の長い髪を覆います。


髪が街頭に照らされ、少女が少し幻想的に見えます。


でも、少女はそんなことなんか考えていません。


すでに仕事納めをしたからでしょうか。いつもは多い人通りが今日はとても少ないようです。


すっかり暗くなってきた頃、周りは灯りが灯しだしました。


とても大きな建物に、少し人が並んで入っていっています。


「手が痛いよ。寒いよ。」


凍える手を擦りながら、少女はその建物の前で、座って小さくなりました。


「マッチを買いませんか。」


震える寒さの中、少女は通りすぎる人に声を掛けますが、誰も買いそうな雰囲気はありません。


しかし、諦めることはできません。


マッチはまったく売れていないからです。


このまま帰ったって、いいことなんて何もない。


それにマッチが売れなかった日はとても寒いのです。


少女の両手は冷たさのためにもうかじかんでおりました。


すると…


「マッチ…。買いましょうか。」


ああ!遂に買ってくれる方が現れました。


声を掛けてきてくれた少女は、自分と同じくらいの髪を赤く染めた少女でした。


「私は、これですけど、大丈夫ですか?」


赤い髪の少女が、右手と左手を交互に前に出します。


少女は軽く頷きました。私はこれです。少女の右足がひゅうっと空を切りました。


じゃあ…。


少女は赤い髪の少女の手を取り、建物に進みだします。


入っていった建物は、大晦日の格闘アリーナ。


相手選手が風邪でダウンし、試合が無くなっていた少女は、


これでファイトマネーが入ると、赤い髪の少女に感謝するのでした。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 最初は何の事かわからなかったけど理解した瞬間、声を上げて笑いました。
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