愛がささやけない
ひどいことばかり起こったのに
きみが笑ったから、案外平気だった
背骨の折れそうな荷物を下ろして
くつも脱がずに少し泣いた
とくべつと思えば思うほど
ありのままを受け入れてほしくなる
でも求めた途端、愛は呪いになるから
わたしのこと何ひとつ知らなくていいよ
液晶画面の夕日しか知らない
愚かなわたしを、どうか笑って
小さな袋のお菓子をあげるような
無害なやりかたで機嫌をとりたい
いとしいと思えば思うほど
近づいてすがりそうで怖くなる
そう望んだ途端、恋は娯楽じゃなくなる
わたしのこと何ひとつ知らなくていいよ
もうすぐこの歌も終わるのに
美しい景色も入れられなかった
まともに愛もささやけない