魔女の守護者

災厄―――およそ人知の及ばない、けれども人間にとって困難をもたらす出来事。その責任は「魔」という架空の産物に押し付けられた。災厄だけではなく、政治の腐敗による混沌といった人為的な物事もまた「魔」に責任を押し付けることで人々―――為政者は、言い逃れをした。しかし、人々は、具体的な刑罰がなければ自分に降りかかった災いに対して矛を収めることはできない。人々は、「魔」に堕ちた人々―――「魔女」の噂や話を作り出し「魔女」とされた人々を罰することで矛を収めた。
いつからか世界では「魔女狩り」が始まり罪のない多くの人々がその命を落とした。
青年、アストラは、とあることを理由に罪なき人々の犠牲を少しでも減らすべく旅をする。
そして……
理不尽に抗う元貴族の青年と魔女狩りで両親を失った少女、そして本物の魔女による物語、開幕です。