生きる為に
ども!源泉です!初投稿です!ツイッターやってます!フォローお願いします!感想聞かして下さい。
1日の始まりを告げる朝日が昇る
浴びるだけで色々な生物を浄化し綺麗にしてくれるような光が空を照らしだす。
そんな朝日を拒む壁。法と情の交わる最高にして最頂点である裁判所である。朝早くから始まった法廷に裁判長の声で遂に終結を迎える。
「被告人瀬村優は東京都秋宿区で罪のない善人を12人殺害し情状酌量の余地も無い。よって被告人を死刑とする。」
『被告人死刑』と書かれた紙をマスコミの前で広がると同時にあちこちで喜びあう者、安堵する者、泣き合う者、ただ傍観する者が見受けられた。
警察官に連れられ車に乗せられ監獄へと向かう中で1人憎悪に満ちた目をしている者、瀬村優がいた。彼は車の揺れに身を任せると同時に色々な事を考えていた。
これから自分はどうなっていくのだろうかという心配をかき消す為に......。
僕は天才だ。世界で一番と言われているし自分でも自覚しているぐらいだ。これは、決して自分に惚れているのではなく自分がかわいい訳でもない。事実。ただそれだけである。
僕は物心がつくのがとても早かったと思う。正確な日数とすると1年2ヶ月19日だ。憶測では無い。はっきりと覚えている。自分がたっぷりの水が入っている水槽から出るような感覚がした。その時にはもう家族も自然と目に写っていた。
あれは5歳の頃だった。自分の書いた論文があの世界的有名な雑誌『nature』に載った。まぁ、どんな内容かと言うとタイムスリップの原理とタイムマシンの製造方法だった。当然現代の技術では製造する事が出来ないが作れるという事を証明しただけだ。
今度は小学生の頃。数学の天才アルキメデスや万有引力の法則を発見したアイザック.ニュートン。当時、天動説が有力とされていたのにも関わらず地動説を唱えたガリレオ.ガリレイが生涯を尽くしてでも解けなかった数式に挑戦した。
当然周りの人間は無理だと言って僕達一家を馬鹿にしていたが僅か1週間で解読出来た時は周りの人間はすごすごと黙っていた。今までは少し浮かれてはいたがマスコミからも追いかけ回され疲れてきたのもこの頃からだ。
そして中学生の頃、あらゆるノーベル〇〇賞とつくものを全てとってきた。また世界中の研究所や大学からオファーが殺到したが僕はそれを全て断った。理由はとても単純。僕は自分が研究したいと思った事しか研究しないタイプなんだ。タイムマシンが欲しかったから勉強しただけ。数式を解きたかったから勉強しただけ。ただ、それだけ。
そんな僕でも過去に2回挫折を味わった事がある。1つ目が中学校を卒業して高校にはいかず数年経った時小学生の頃から病気の妹、麻友を助ける為自ら医学部に入学した時だ。
当然医学部に入学することは目を瞑りながらでも合格できるほど簡単だった。しかし、その大学、学部こそ僕が中学生の頃に僕をオファーした大学であった。
オファーを受けなかった腹いせに教授は僕に対して色々と難癖をつけ単位をくれなかったりするなど色々な嫌がらせをしてきた。
どんどん大学に居づらくなってきて、遂には妹を救う夢を捨てて僕は大学を辞めてしまった。それ以来医学に対して興味を無くしてしまった。
麻友が死に近づいているとも知らずにただ単に自分の都合だけで諦めてしまったこんな僕にも優しい言葉をかけてくれた麻友は本当に自慢の妹だ。
髪がロングでツヤツヤで顔もとても可愛いとまではいかないが整っていて何と言っても性格が優しい。僕に対しても親に対しても友達に対しても赤の他人に対しても誰にでもだ。僕はそんな麻友が大好きだ。
そんな麻友が病気にかかったのは小学生の頃だった。突然、ろれつが回らなくなり立つ事すらもままならなくなった。今ではまだ補助付きで動けるようにはなったが酷い時では会話もままならなかった。
そんな麻友を救いたい。あの頃の自暴自棄の僕に戻って1回でもいいから殴っていたらどんなに変わっていただろうか。それこそ自分が開発したタイムマシンで戻れたらいいのに。
これが僕の1つ目の挫折。2つ目の挫折はそう、僕がこうして連続殺人の犯人として捕まってしまった事だ。勿論免罪である。そんな事やった事はないしやるつもりも一切ない。何せアリバイがあるからだ。そもそもこの事件こそ僕を犯人に仕立て上げたような事件なのだ。何かおかしいのである。
殺人が起きている日はずっと付きっきりで麻友の世話をしていた。麻友もアリバイを証明してくれたが警察は脅されているだの話を合わしているだの全く聞き耳を持たなかった。また、いつもは余計な所まで首を突っ込むマスコミでさえ異例の実名報道を避けるという手段に出ていた。
こうして容疑者となった僕でも早々に諦めたりしない。自分が幼少期に稼いだ金も麻友の治療費で底をつき弁護士を雇うお金も無かったので自ら法学を学び自分で自分の弁護をする事にした。
自分をシロと説得するのは簡単だった。ただ裁判長は客観的視点に欠けるなどと言い僕の言っている事をはなから信用しなかった。こうして僕は死刑が決まった。
諦めてはいない。再審を申請している。ただ、全くもって相手にされないのが現状だが。
こうして僕は人生で2度の挫折を味わった。ただ、まだノコノコと死ぬ訳にはいかない。生きる。そして麻友を助ける。だから今では牢獄内で法学も医学を独学で勉強している。全ては麻友を助ける為に......。
ジリリリリ...... ガチャ
朝7時の目覚ましが鳴ると同時に眠い目をこすりながら止める。6畳1ルームの部屋(監獄)に設置されている洗面所で顔を洗う。いつも通りの顔。
朝食が運ばれてくる。いつも通り冷たい味噌汁とご飯とおかず。味はとても薄くお世辞でも美味しいとは言えない。僕はそれを我慢しながら頬張る。いつも通り。
朝食を片付け、いつも通り六法全書を開け目を一通り通す。内容が写真を撮ったように脳内に入ってくる。とても簡単だ。その後医学に関する本をひたすら読み手術のイメージトレーニングをする。いつも通り。
9時。この時間はいつもドキドキしている。そう、現在死刑執行は自殺防止の為に当日の朝9時に知らされる事になっている。死にたくない、死んではいけない僕は心臓の音が身体中に響き渡る。
看守の足音が聞こえる
コツコツコツ......。コツン!
僕の扉の前で止まった!僕は今でも心臓が飛び出そうな気持ちを必死に抑えてしっかりと身体を身構える。
バンバン!「おい!瀬村!」看守の声だ。忙しく監獄のドアを叩く。僕は即座に言い返す。「なんだ?」看守は言葉でも伝わってくるほど面倒くさそうな声で言う。「面会の時間だ!」良かった...。僕もいよいよ死ぬのかと思っていて少し安心した。
少し安堵の声で僕は言う。「面会?麻友なのか?誰なんだ?」看守は再び面倒くさそうに言う。「お前に言う義務は無い。さっさと出やがれクズ!」荒々しく言われた僕は少しイライラしたが渋々出て看守の言う通りに手を前に差し出す。
ガチャ!
鉛製の手錠が両手にかけられ足枷を足につけ看守とともに歩く。
はて?僕に面会?一体誰なんだろうか?父母は中学生の頃事故で死んだ。ましてや祖父母はとおの前に死んでいる。本当に麻友なのだろうか?いや、違うだろう。看守の態度的にも麻友の体調面でも。
なら、本当に誰なのか?ジャーナリストの者?いや、そういう系は全て断っている。弁護士?いやいや、自分が自分を弁護しているんじゃ無いか。来るはずもない。頭を必死に回転させるがそれでも全ての予想は悉く論破してしまう。自分の悪い癖である。
そう考えている内に面会所に着いた。看守がドアを開け中に入る。古いパイプ椅子が置いてある。きっと使い回しなんだろう。
ギシギシと音を立てながら座る。後ろの方でドアの閉まる音がする。看守が出て行ったのだろう。僕は面会所を見渡す。ガラス板で仕切られた部屋が対称的に向こうにある。よくテレビのドラマで出てくるような部屋だ。
こうして観察する事は僕の癖だ。この世の中何が起こるか分からない。免罪だって起きる世の中だ。
今か今かと思い待っていたが中々来ずイライラしていた。本当に来ない。もうかれこれ20分は経っているぞ。いつになったらくるんだ?
すると、眼鏡をかけたおおよそ30代ぐらいの長身の男性がピシッと決めたスーツを着て入ってきた。ガラス板で仕切られているにもかかわらず香水が鼻をつく。
男が話掛けてくる。「瀬村優様ですね?」僕は誰だと思いながらもはいと答えた。すると男がポケットの中からクラッカーを出し大きく音を鳴らしながら言う。
「おめでとうございます!貴方は犯罪者を救うポーモーリアゲームに当選いたしました!」
続く
優どうなるんでしょうか?心理戦はまだまだですが引き続き見てくださったら嬉しいです。