[エルク]バロンへの宣戦布告
バロンへの工作を進行。
正面から事実を説いても、効果が薄かった。
並行して、裏で噂を流す。
また、戦力を削ぐ為、各都市の軍事施設に宣戦布告。
数日の猶予の後、強襲、破壊活動を行う。
魔獣やゴーレムを退避させた場合は、被害拡大する旨、伝えておく。
出来れば、魔導ゴーレム部隊の試験運用を兼ねて、一般兵士メインでの作戦も行いたいが、戦闘時の連続稼働時間や動力源に不安がある為、防衛が主な運用となる。
ユグドラシル占拠後の混乱は、意外とあっさり収まった。
まだ2ヶ月であるが、そろそろバロン攻略に乗り出せそうだ。
「バロンに宣戦布告する」
エルクが集めた幹部に、告げる。
「今回は、攻略メンバーは俺とセリア、アレクシアのみ。アレクシアは市街地で工作、俺とセリアで突入する」
「はい」
セリアとアレクシアが応じる。
「激戦が予想されるのは、ユグドラシル、レイアー、アルケー。ここに防衛戦力を集中させる。ただし、首都にも守備を残す。リアは首都ソロモンの魔柱の間を防衛、ノエルとパラスはユグドラシル、ジャンヌはレイアーの防衛。ノエルは、危なそうな拠点があれば加勢に行ってほしい」
「はい」
リア、ノエル、パラス、ジャンヌが応じる。
「理想を言えば、洗脳されている住民は助けたいが、その余裕はない。邪魔する者は排除すると強く宣言する」
ここで言葉を区切り、
「それと・・・一般兵士や上級士官にも、戦いを経験させる必要がある。最初はなるべく手を出すな。聖女の加護付与もなしだ。聖者がいなければ、ある程度は対応できると思う」
「はい」
防衛にあたるものが頷く。
ファーイースト一国なら良かった。
今となっては、幹部抜きでもある程度は防衛してくれなければ困る。
元々は幹部との連携前提で鍛えていたが、今は指揮から幹部無し前提で訓練している。
「それでは、アレクシア、草案作成を頼む」
「承知しました」
アレクシアが、力強く頷いた。




