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[エルク]新型のゴーレム

「これが新型のゴーレムです」


エルクがアレクシアに連れられて行った工房。

そこに並ぶ、新型のゴーレム達。


「これは・・・凄いな。格好いい」


エルクは感嘆の声を漏らす。

人型を基調とし、スマートな体型。

外は白く塗装され、要所に青や赤といった色でラインを引いている。

肩には魔導砲台、頭部には水晶をはめ込み、周囲を確認できるようだ。

本人は心臓のあたりに乗るらしい。


「背中の大剣と、肩の魔導砲で戦う想定の機体です。他に、大型魔導砲を手で持って撃つ、遠距離用の機体や、大盾を持った防御主体の機体も建築しています。魔導杖を持ったタイプも設計中です」


「うむ、凄いな。これは戦場が一新されるぞ」


「はい。内部には魔導結晶を搭載しているため、本人の魔法素養に関係なく動作が可能です・・・そして」


次のタイプを手で指し示し、


「こちらの少し小型なタイプは、飛行能力を有します。まさに革命を起こす機体となるでしょう」


「飛行能力。魔力波の乱れで見つかりやすくなったり、制御が難しかったり、風の魔法に弱かったり・・・色々と欠点があるが、手軽に運用できるようになれば確かに劇的な変化をもたらすな」


「早速新型のテストを兼ねた訓練をしております。ご覧になって下さい」


「勿論だ。見せて貰おう」


アレクシアがエルクを伴い、平原へと移動する。

平原では、兵士達が訓練を行っていた。


「1番から12番、発進せよ」


上級士官の言葉に、兵士達が待機モードから走行モードに切り替える。

マナが渦巻き、ゴーレムを包む。


タンッタンッタンッ


決して高速とは言えないが、それでも巨体から考えられるのよりは遥かに早い速度で、移動を開始する。

また、本来想定される足音、地面への影響よりも、遥かに小さい。

魔導を用いて、重量を軽減しているのだ。


「止まれ」


ゴウッ


前面に炎を射出、勢いを殺し、立ち止まるゴーレム達。


「ほう・・・これはなかなか」


楽しそうにエルクが言う。


「向こうでは模擬戦を行っています」


アレクシアがエルクを促す。

エルクがそちらを見ると、2体のゴーレムが戦っている。


片方のゴーレムが、大剣で斬りかかる。

攻撃の際は、逆に重量を増す事で、威力を上げているようだ。


「ショルダーガン、威力行使」


もう一方の兵士が叫ぶ。

肩に付いた魔導砲が、魔導弾を射出、牽制を行う。

そのまま飛びすさり、大剣を躱す。


加速(チャージ)


大剣を使った兵士が叫ぶと、ゴーレムの周りをマナが渦巻く。

そして、ゴーレムが今までより早い速度で動き、肩の砲台から牽制弾を撃ちつつ遠ざかる機体に肉薄。


飛行(フライ)


遠ざかっていた兵士が叫ぶと、ゴーレムが空を飛びつつ、空中で宙返りし、ゴーレムの背後を取る。

ちゃ、大剣を構える。


「そこまで!」


上級士官が叫ぶ。


止まる二つのゴーレム。


「うむ、なかなか凄いな。ゴーレムも、乗っている兵士も、素晴らしい」


「はい、実に上手く使っていると思います」


アレクシアも満足そうに頷く。


「早速増産配備をしてくれ。優先は、レイアー、ユグドラシル、アルケーの3都市だ。平行して、訓練もするように」


「はい」


アレクシアが力強く返事した。

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