[パラス]ソロモン防衛戦
「敵が攻めて来ました」
偵察兵から情報が入る。
レイは念の為、柱の間から動かない。
兵士とパラスだけでの防衛となる。
パラス直属の部隊は、重装歩兵隊。
動きは鈍いが、防御力は圧倒的だ。
ソロモン防衛の要として配置された。
セリアの直属の部隊は、剣士部隊。
高速の動き、連携、技術・・・攻守のバランスが良い部隊だ。
機動力もあるので、遠征にも参加出来る。
今回は、ユグドラシル遠征に参加し、北上している。
アレクシア直属の部隊は、魔道士部隊と諜報部隊。
魔道士部隊は、3列の陣形を取る事で間断なく撃つことと、一点集中して火力を上げる訓練を受けている。
諜報部隊は、非戦闘員だ。
魔道士部隊はレイアー防衛、諜報部隊は散っているか、ユグドラシル攻略に参加している。
ノエル直属の部隊は、魔騎士部隊、神官部隊、医療部隊だ。
魔騎士は、重装歩兵と剣士の間のような武装に、神官としての力も持つ。何でも出来るが、特化した部隊には負ける、そんな存在。
医療部隊は魔法が使えない者、神官部隊は医療もこなすが、場合によっては攻撃や防御も出来る。
今は各地に分散している。
直属の部隊でなくてもかなりの練度を誇るが、直属の部隊は直接指導していることもあり、やはり武力の要となっている。
パラスは、正面に重装歩兵と魔騎士の混合部隊を展開させ、敵を迎え撃つ。
攻めて来ている数は多くない。
200程と言った所だ。
北上するユグドラシル侵攻部隊を避けて来る必要があり、数は動員できない。
しかし、中には聖者が混じっていると見ていい。
パラスが盾を前衛に付与、余裕を持って対応していたが・・・敵の一人が、鎌を構え、盾の隙間を突いて前衛を切り崩す。
「あれが聖者!」
他の前衛が聖者を牽制、隙を突いて傷を負わせる。
後衛の攻撃が、聖者に飛ぶ。
聖者が何かを振るうと、後衛の攻撃が消える。
迎撃の概念だ。
兵士の練度が高い事と、パラスの盾が強力な事もあり、死傷者は出たものの、聖者を含めた敵部隊の撃退に成功した。
聖者を、喉を潰して生け捕ろうとしたが、溶けるように煙となって消えてしまった。
後でアレクシアに報告しなければ、とパラスは思う。
「みんな、お疲れ様!」
パラスが皆をねぎらう。
聖女がいて、兵士も練度が高い兵を集中させている。
敵の数も、そう多くは動員出来ない。
しかし、レイアーやアルケーは、こうはいかない。
レイアーは、敵と多く接するものの、柱のある都市ではない。
この為、陥落させてもあまり意味がない。
一番危ないのは、アルケーである。
陥落すると、セリア砦やソロモンも危険となる。
アルケーは激戦となる、作戦会議でも、そういう結論となっていた。




