[エルク]デルタ要塞攻略
投降も、蜂起も、無かった。
要塞からは最後の一兵まで死を賭して堅守するとの回答。
城も守りを固めているし、むしろ一般国民を城内に入れ、炊き出しを与えているとの報告。
盾の代わりなのだろう。
「徹底的にやってくれるな・・・」
報告書を見て、エルクは苦々しく言う。
「仕方無いですね・・・こんな事をさせない為にも、柱を奪い返さなければなりません」
「よし、行こう」
ソロモンからデルタ要塞が、通常の兵士で3日。
デルタ要塞からユグドラシルが、通常の兵士で2日。
エルク達が空路を取れば、ソロモンからデルタ要塞まで4時間、デルタ要塞からユグドラシルまで3時間と言ったところだ。
「先行して、ユグドラシルの街に潜入します」
ノエルが提案する。水流を通って侵攻出来るので、ノエルなら2時間程で街に行ける。その後も、隠密性の高い行動が出来る。
「分かった。頼む」
エルクがそう言うと、ノエルは頷き、出発した。
「セリア、ジャンヌ、アレクシアは付いてきてくれ。パラスはここに残ってリアとここを守って欲しい。嫌な予感がする」
「分かりました」
一同、声が唱和する。
「氷よ、在れ」
エルクが魔法を構成、発動。平たい氷塊が出来る。進軍メンバーが乗り込むと、
「浮遊」
「風よ」
アレクシアとジャンヌが浮遊を担当し、エルクが風を操って気圧変化や衝撃波を緩和する。
一般兵士は、追って要塞に徒歩で向かう。
4時間程かけ、デルタ要塞に近付く。矢や魔法で攻撃してくるが、魔力結界を張って防ぐ。
地面に降り立つと。
「岩よ」
数メートルの岩が複数出現、次々と要塞にぶつかり、壊していく。デルタ要塞駐留軍も迎撃してくるが、アレクシアとジャンヌが防ぐ。
そして、セリアが人影を見つけては、黒の剣で射貫く。
トップが潰れたのだろう。兵士達が潰走していく。
「先を急ごう」
エルクが、再び氷塊を創り出した。




