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激痛から生還

「ブレイン!コードブルーだ!」

『コードブルー認証しました、鎮痛剤投与開始、鎮静剤投与開始、両手足ロック完了』

医療班が何かを言うが痛みで頭が働かない。

「ひひゃい!ひゃいひぇひゅ!」

「今から顔に生体治療薬を掛けるぞ!踏ん張れ!」

その声とともにどろっとした赤色の液体をぶっかけられる。

ツンとした刺激臭と共に饐えた臭いが口内や、鼻に入る。

「ひゃあああああああああああああああ」

痛みが引くのかと思い力を緩めた顔が凍らせた刃物で削ぎ落とされる感覚になる。

あまりの激痛で目がカッと開き、手足以外が跳ね、筋肉で体が一瞬縮む。

「まひゅい!まひゅい!」

「んなもんお前は警備員だろ?耐えろ!」

「いひゃああああ!!」

失禁し、顔からシュブブブブ!っと言う音と共に気絶をし、痛みでまた目が覚める。

何度も寝ては起きてを繰り返し、1時間ほど経っただろうか、体感では一日以上の拷問を受けたような感覚になり痛みが引いてきた。

しかし、体の震えは止まらず頭が可怪しくなりそうになる。

「マシな顔になってきたな?もう大丈夫だ、ブレイン、コードブルー解除だ」

その声と共に手足の自由が効くようになる。

肢体を縮ませ、自分の体を抱くように丸くなり震えが止まらず寒いと繰り返し歯の根が合わない口からはガタガタと音を鳴らし何もない空間を見続ける。

『鎮静剤を投与します』

その声と共に、頭がスッキリとして行き、精神状態が安定してくる。

深く冷たい海の底に居たような感覚が徐々に溶け出し、ベッドから起き上がる。

「大丈夫そうだな?、兵舎に行ったのか?よく生きて帰ってこれたな」

「あの人達は味方じゃないのですか?」

「味方と敵で分けたら味方だが、それは戦闘中だけであって、それ以外は、敵と言っても間違いじゃない野蛮な奴らだ、此処の考え方と、地球の考え方を同じと考えるなよ?」

「はい....」

「俺の名前は、カーティス・ミラーだメディックをやっている」

「斎藤 勝谷です...喧嘩っ早いって言うどころか、あんな早く殺そうとするものなんですか?」

「俺達は嫌われもんだからな、彼奴等が表で戦っている裏で、楽しているとか、功績を掻っ攫うって言われてるからハイエナや、ハゲタカって言って蔑まれている。あと、昔俺達が1つの国を滅ぼす時に爆撃しまくって潰してそこを占領国として俺達が管理しているんだ」

「その人々が彼らってことですか?

「身体能力が高く、肉弾戦ならああ言った化物に俺達は負けるぞ...だからだろうな、俺達が弱いって事も知ってやがる...まぁ何だ、関わりを持たなかったら大丈夫な奴らだ犬に噛まれたと思ってほっておけ」

「犬に噛まれたほうがまだ痛く有りませんよ...」

ノックされ部屋にアリスともう一人女性が入ってきた。

「お体?いえ、お顔は大丈夫ですか?」

そう言って顔を凝視される。

「痛みが引いたので恐らく大丈夫です」

「おいベッティ、生体治療薬の補充を頼んどくわ」

「畏まりました」

少しこっちをキッとベッティという女性が睨んだあと直ぐに部屋を出ていった。

「あいつはベッティだ、お前のアリスと同じで、人口生命体だ」

「じ、人工生命体?」

「なんだ?説明を受けてねぇのか?...DWASの入社の仕方が全く分かんねぇな」

「それぞれ別々の入社の仕方をしてもらっているので」

「まてまて、待ってください、人工生命体ってなんですか?」

「....俺の口から言って良いのか?」

「どうぞ」

頭を少し掻きカーティすさんがコチラを見据えた。

「はぁ...彼女らは、人工生命体と言ってだな、まぁなんだ、人じゃねえ」

「....」

「....」

「え?それだけですか?」

「いや、それ以外人だからよ、人工的に作られただけで、生殖もできるし、なんだ?専門的な話をしてお前分かるのか?」

「...」

「わかりません」

「まぁ何だ、俺達の補佐を行い、時には母親に、時には彼女になる相談役だ...まぁこいつらと寝た奴は俺は聞いたことねえがな」

「...わかりました?」

熱くなる心を込めアリスさんを見る。

アリスが何かボソッと言ったかと思うと部屋にマーシャが入ってきた。

「大丈夫かい!?ごめんごめん、今日の夜についでに話そうと思ってたのにもうこの基地の闇に手を出しに行ったと聞いて僕らはびっくりしたよ!」

するとぞろぞろとガタイの良い男性や女性が入り、入れない者は外にでて何か声援を送ってくる。

「任務に出ていない警備員を全員集めてきたよ、此処に居るのは30人で、残りは皆任務に出ていてね」

「ケンタウロスに一撃でノックアウトされたとか笑えるね、アタシの班には来ないでね」

「まだ教育機関も終わってないひよっこを今見定めてどうする」

「戦闘データも全てダウンロードしたら良いじゃない、てか最初にしているはずでしょ?」

「何に長けてるんだろな?近接班に配属されたら俺達は歓迎するぞ!」

「お前たちみたいなラリった集団に行くと直ぐ死んでしまうわ、俺達みたいに破壊工作班として行かないか?ジェームズ・ボンドも真っ青な爆破を行えるぞ?」

「戦闘機乗りとして来いよカッコイイし女にもてるぞ?」

するとアリスが話をさえぎるように前に出てきた。

「斎藤様は、マークスマンとしての活動をしてもらうことが決まっています」

「ガブリーの後釜に決まってるのね、あいつも運が無いわね、こんな奴が後釜なんて」

「はーいはい!もう良いですか?では、斎藤くん、今日は君の歓迎会だ、行こうか!」

そう言うとマーシャが俺の腕を掴み引っ張って行った。







「へぇー元SEなのかい!?エンジニアをやるって凄いじゃないか!何か格闘とかやってなかったのかい?」

「こんなナヨッとしたやつがやってるわけ無いだろ」

「おい新人斎藤と言ったか?飲め!飲め!どうだ?旨いか?噛み締めろよ!」

「腕の調子はどうかな?それの調整は僕も一枚噛んでるんだ!これで何時でもマス掻けるね」

「汚え話ししてんじゃねえぞキッド!あいつのことは気にするな、あいつの脳味噌は宇宙の彼方まですっ飛んでるからな」


皆からの質問や、色々な有り難いお言葉を受けたりしながら時間が過ぎていき、夜も遅くなってくる。


「そろそろお開きかな?、いつもくどいと思うけど、寝る前に大量の水を飲んでブレインにアルコールの分解を頼んでおいてね」

「「「イェッサー」」」

「じゃあ勝谷くんも明日から大変だろうから早く寝ると良いよ」

マーシャがそう言うと食堂を後にし、ぞろぞろと皆も部屋から出ていった。


自分も自室に戻る。

部屋に帰ると微かに食事の匂いを感じアリスも食事を取った事がわかったが部屋に戻ったようで机に手紙と水のペットボトルが置かれていた。

カー!カー!

『脳内では痰を切る事は出来ませんよ』

ブレインの言葉を無視しながら水を飲み焦点が合わない目で手紙を読む。


「斎藤様、歓迎会はどうでしたか?明日は、早朝からの訓練になります。

朝食を取る前に、武器庫からM2010を取り、射撃場へ向かってください、時刻は....」


読み終え、水を舐めるように口の中で転がし、アルコールの臭いと水を胃に納めベッドに飛び込む。

「はぁ...好き...」

『おやすみなさいませ』


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