異邦人異世界に降り立つ
外に出ると周りは山岳地帯だった。
もう一度いう周りは山岳地帯だった。
「すみません、南アルプスの方ですか?」
「違います資源第8惑星になります」
「へー...へー...」
見ただけなら分からない。
周りを見ると何処か軍事基地を思わせる建物になっており、金属製の物見やぐらや、有刺鉄線が張り巡らされ、大きな格納庫も有り中には、ヘリや、航空機が見える。
「ようこそ異世界へ!君はヤポンスキーかな?どうだい個々は?」
両手を広げこっちに近づいてくる青ベレーの優男だ。
線は細いが、両手は金属製に変わっており同僚なのが分かる。
「日本語がお上手ですね...」
『ヴァーダント語に設定されております』
「ブレイン?ヴァなんて?」
『ヴァーダント語です』
「ブレインが入ったとおりに僕は今ヴァーダント語で話しているそして」
「Это がロシア語だ」
『ロシア語に変わりました』
「へー...語学の勉強要らねえじゃん」
「いえそういう事はありません、ブレインは学習機能が搭載されており、その地その地のスラングを覚えさせなければなりません」
「他の皆が喋ったことをサーバーに上げて統一とか出来ないの?」
「もしウイルス等に侵された場合を考えると、個々での情報維持で留めておくのが一番なので...通信を行い会話はしているようです」
「なんかそれ聞いたこと有るぞ、AI同士が独自の言語を使って会話しているの」
「そんな事よりどうだい、異世界に来た感想を僕はまだ聞いてないよ?因みに僕はボビリョフ・マコヴィッチ・マルク、マーシャと呼んで良いよ」
「斎藤 勝谷です宜しくお願いします。まだ、さっぱり来たところなので、どういった所が異世界なのかまだ分からなく...」
「ハハッ、だよね~、僕も初めてきた時は、お菓子の家が有ると思っていたくらいさ」
「はぁ....」
「日本人のそういう所良くないよ?テンションがなぜ低いんだい?」
「マーシャさんは、ラテン系のように高いですね」
「よく言われるよ、これでも僕は元VDVなんだけどね」
ブルーのベレーをかぶっている所を見て、納得した。
「VDVとかロシアのエリートじゃないですか、まだお若いのに」
「親父が高官だからね、まぁコネとかではなく、容姿端麗文武両道の僕からしたら当たり前の事だよ」
左遷でもされて辞めた口か?
「モスクワで、女の子に手を出しすぎてマフィアに燃やされる所を助けてもらったのさ...まさか高官の娘さんを二股掛けている事を、燃やされる時に教えてもらったけどね」
「へぇ...で、助けられたって言う形ですか?」
「徴兵された時に変わったテストを受けさせられるなと思っていたけどまさかDWASの試験も受けていたとは気づかなかったよ」
「そろそろ宜しいですか?この基地の使い方や説明を初めたいので」
「失礼クラシーヴァヤ、お名前をお聞きしても?」
「アリスです、それ以上それ以下でもありません」
「へぇ....斎藤?勝谷?まぁどっちでもいいや、僕が案内するから君は備品を運んでおくと良いよ」
「いえ、私の業務ですn「勝谷君で良いかな?では行こう」
「は?...いえ...」
アリスの方を見ると目を逸らされ歩いてった。
「じゃあ勝谷君行こうか!」
「彼処が給水塔だよ、で其処が獣舎で、その隣のハンガーがヘリとか置いている所、そして、其処が武器庫、使わない武器をそこに入れておいて、必要になったら中にいる兵士に言うと直ぐに持ってきてくれるからね」
「で、兵舎は北側の出入口に有って、此処の建物が君や僕が住む所、さっきのアリスさんも其処に住むよ、ああ!説明が忘れてたね、一応僕たちは警備員だけど僕や君のような警備員は下士官から始まり、最大で将校まで上がれるよ」
「へぇ...士官候補生って事ですか?」
「いや、君も僕も下士官だよ、あと、僕らは基本的に雑兵と行動せず、僕ら警備員は単独での行動を許されているんだけど、僕らより弱い人達を連れて行くと僕らが死にかけるからね...でも連れての分隊行動を行なったりする人もいるよ」
「へぇ、ブレイン今の言葉を全てメモっておいてくれ」
『すでに行なっています』
「あとは、僕は此処で将校を行っているよ、戦績を上げるほど上がるけど、一定の数しか警備員は配属されないんだ、で、僕は、たまたま上の人達がバタバタと亡くなったから将校に上がったんだけどね」
「失礼しました!」
腰を曲げる。
「日本式の最敬礼かな?良いよ気にしなくて、司令官は別に居るし何より僕たちは少ない、仲良くやっていこうじゃないか!」
そう言い抱きつかれ背中を叩かれた。
「ヤポンスキーは初めてなんだ、此処は何処の国だろうが国籍も全て関係なく皆同士なんだ、何故か分かるかい?」
「ハッ!我々は地球から来ております!」
「いいって!見たところ歳も近そうだ、そんなに固くならなくて良いよ!....そう!僕らは皆地球人だ、だ・か・ら、僕らだけでも仲良くやっていこうって話なんだよ、まぁ何だ、君は才能ありだったんだ、選民意識は無いが、ちょっとは、鼻にかけても誰も怒らないよ?」
「ハッ!おいおい慣れようと思います!」
「....まぁおいおい慣れていけばいいよ、そうだ!良いウォトカが今日来たはずだから皆で飲もう」
「ハッ!お呼ばれさせていただきます!」
するとブレインから電話が入る。
『アリス様からのお電話です出られますか?』
「電話かい?」
「アリスさんからですね」
「....でると良いよ、また後で連絡するからじゃあね~」
そう言ってマーシャはその場を後にした。
「電話に出る」
『わかりました』
『斎藤様、お部屋の準備ができました、部屋の番号は409号室になります』
「きっつい部屋の番号ですね」
『ブレインを使用し、直接会話も出来ますがしておられませんか?』
「....」
『あーあーテステス聞こえますか?』
『聞こえてますよ、では、お部屋で待っておきますので、着てください』
『わかりました』
「409...409...ここか」
部屋をノックすると扉が開く。
そっと扉が少し開きアリスがコチラを覗き込むとガチャッと音が鳴り扉が開いた。
fooooooooo!
『何でしょう?』
『何でもない』
間違えてブレインの方に送ってしまった。
「此処が斎藤様の部屋になります、どうしましたか?」
密室に二人きり何も起こらないこともなく、僕らは
「ベッドを部屋の中心に置くのはちょっと...あと、丸い机を壁際に置くのって嫌がらせですか?」
「いえ、斎藤様が着いて来なかったので、私なりに配置させて頂きました、奥の部屋は私のスペースになり、その隣は物置になります」
お前!ちょ!若い男と女が同じ部屋か!部屋同じか!滾るぜ!...いや、こいつは俺の肢体をもぎ取った女だ、女豹だfooooooo!
「隣が物置ってそれ私の部屋ですよね?」
「いえ、物置です。あと、私の部屋はブレイン錠が入っているので入れませんよ?」
奥を覗き込むと、扉が有り部屋が2つに別れていた。
「あと、初期設定で両方とも私のブレイン錠を掛けているので、では」
そう言いそそくさとアリスが奥に引っ込んだ。
半泣きになりながらベッドを隅に置き机を部屋の中心に置く。
部屋の模様替えを行い、ベッドに倒れ込みキッチンを見る。
「やっぱりおかしくねぇか?」