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無い両手、書かされる契約書



その後1時間ほど藻掻き芋虫のように動いたが何も状況が変わらず怒りも落ち着いてくる。

少し落ち着いた脳を動かしHUDを起動させる。

『初期プログラムを開始しますしばらくお待ちください』

周りが少し青くなり薄く文字が見える。




『心拍数問題なし、脳波異常なし、体温異常なし、精神状態:興奮、両手足反応無し、斎藤勝谷様の網膜パターンを記憶、脳波を記憶、毛細血管を記憶、両手足ロック、状態:異常、直ちに医師への診断をしてください』

画面に大量の文字が現れ、目の眩みを感じながら悪態をついた。

「うるせえボケ」

文字が煩い訳でもないのにキレる。




『音声をお選びください。男 女』

「女」

すると女性の声が脳内で響く。

『ようこそ、DWASへ、私は、脳内オペレーターです、ブレインとお呼びください』

「ブレイン...」

『何でしょう』

「はぁ...」

『ため息をつかれるのは心外です』

「....」

『HUDを終了しますか?』

「いや、情報を教えてくれ、ここはどこだ?」

『秘匿事項です開示できません』

「俺はどうなる?」

『斎藤様は本日より、訓練生として活動してます訓練過程を終えてください』。

「....」

『男の子なら喜ぶところだと思いますけどね』

「何故そう思うんだ?」

『斎藤様はこれから剣と魔法の世界で生活をしてもらいます。そこで英雄的行動をしてもらい皆からの富、名声を集め、DWASへの地位向上を行なってもらいます』

「はぁ....」

『先程も言いましたがため息は』

「分かった...」

こいつと話していても進まないことがわかったので、そこで話を切り上げた。





暫くするとまた沸々と怒りが湧いてくる、すると。

『鎮静剤投与完了、精神状態良好』

「何頭をいじってんだ!...どういった所だ?」

最初は強い口調で言ったが、段々と落ち着き、普通の言葉になる。

体は楽になり、頭がスカッとしている。

『どういった所とは?』

「第8惑星だったか?」

『資源第8惑星です。そこでは地球とは異なる世界になっており、独自の進化をした動植物や、機械ではなく、常軌を逸脱したエネルギーで世界は回っております。』

「それが魔法って事か?」

『そうです、その世界では、人体が使うエネルギーを魔力と呼び魔法を使って発展しています』

「産業革命が来ていないってことか?」

『産業革命と言いますか、機械ではなく魔力革命と言うものはずっと昔に来ているようでそこで発展が止まっているようでそれ以上の機械の発展は無いようです』

「車や乗り物は無いと」

『一応有るには有ります。生体を使用した乗り物は色々有ります。または、DWASが持ち込んだ車輌も存在します』






「....どうやって異世界に行くんだ?」

『カプセルに入ってもらって地球時間1秒以下で現地に着きます。宇宙船といえば宇宙船ですが体感的には、ワープと言っても良いでしょう』

「それって事故とか無いのか?」

『秘匿事項です開示できません』

「....」

『では、本日はお休みください眠剤を投与します』

「おい、待て、まだ聞きたいこぉぉ....」

強制的にブレインから意識を手放され俺は眠った。







『起床時間です』

その声とともに頭が一気に覚醒し目が覚める。

『お早うございます。斎藤様、お客様がお見えです。』

「おはようブレイン....アリスか」

「お早うございます、よくお眠りになられましたか?」

「ああ...何の用だ...ですか?」

「昨日は混乱されていたようでしたので、給料や待遇のお話、後は、契約書へのサインをお願いします」

「混乱って...説明してください」

「わかりました」





「一応我々は警備員ですが、侵略者みたいな物で現地の金属や宝飾品を色々な惑星でプールさせているので、その給料を払える形になっております」

「だったら黄金で出来ている世界とかも有りそうだな」

「天文学的な数字が絡むと思いますが、世界には0%は存在しないので」





「...まだ騙されねえ!行っても地球に帰られないだろ?」

「帰ることは可能です、コンプライアンスに関わる話を第三者に話したらブレインの削除機能が働きますが、それ以外は、休日も存在します」

「帰ってそのまま辞めたりってことは?」

「十分の一以下に落ちた両手足を渡されその体で生活をしてもらうことになります」




「死んだらどうなる?」

「働き次第で、死亡保険が変わる形になっており、初期で死ねば、交通事故として処理されます」

「....今辞めたら?」

「借金という形で我々の機関で被験体として暫く生活してもらい、ある程度の自由は有りますが、日の目は二度と拝めないと思いますが」

「いや、いい。...地球ってもう開発する所が無いってことか?」

「いえ、地球は資源に恵まれた惑星になります...もし、のはなしですが、地球が資源第2開発惑星だとしたら頷けませんか?」

「宇宙人でも居るのですか?地球に?」

「紛争ダイア、石油の争奪戦、他にも見えない所で起こる争い全て我々のような人々が絡んでいたらどうでしょう?」





聞かなきゃよかったと思いながら汗が流れるのを感じる。

「ダイヤだけではありません、なぜ金がどんなに産出されても価値が上がらないと思いますか?変動の振れ幅は?多少は推移しますがほぼ一定をキープし続けるのは?皆が貯めているのかそれ以上に我々が貯めているのか?」

「少しずつしか取れない...いや、何でもないです...」

「宗教戦争が起こった理由は?唯一神というものは?仏教?キリスト?イスラム?ヒンドゥ?全てが利権です、そこに関わるのは?我々が神と崇めるのは?宇宙人か?地球人か?貴方は?私は?ブレインも人が作ったのか?宇宙人が作ったのか?ワープゲートは?作れるか?不可能か?」

「止めてくれ!何でもない悪かった!」

『精神状態が不安定になってきています、鎮静剤を打ちますか?』

「その鎮静剤は?どこから来る?最初から?可怪しいとは思いませんか?」

「止めろ!」

「まぁこの話は月刊○ーの様なもので、今適当に考えた言葉なんですがね」

信用できない、何が本当でなにが嘘か、こいつらは宇宙人なのか?俺はキャトルミューティレーションされて改造されたのか?

『鎮静剤を投与します、投与と言っても脳内から発せられるエンドルフィンを利用し...』

フラフラになっていた頭がだんだんとスカッとしてきて感覚が戻る。




「今ブレインがエンドルフィン使っているって言っていたぞ?」

「ですので今までの話は嘘になります資源第2惑星は別の惑星になります、我々が観測している惑星で一番発展しているのが地球になります」

「それは良かった...で休みとかは?」

「それは....」



そうして色々話し、契約書が出される。

「で、どうですか?わからない所はありますか?」

「いえ、大丈夫です....1つ思ったのが、私以外にも私のような人は存在しますか?」

「総人口70億人その中に居る才能を持った方と言うのは少ないです。ですが、百万人以上存在すると考えれば多いと感じませんか?」

七千人に一人...駄目だ頭がまた混乱してくる。

「まぁその中でもこうやってDWASに務めてもらえる人っていうのは極僅かになってしまいます」

「アメリカとかロシアが黙ってないですよね?」

「我々は国に務めているのではなく、世に務めているのでその辺りは気にしなくても大丈夫です、税金とかは気にしなくても大丈夫ですよ」

「....頭が痛い」

大量に有る紙に軽く目を通しながら気づく。

「すみません、手がまだないのでサイン書けません」

じゃっかんしてやったりと思い、口角を上げ言った。

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