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スリ

司令室に行く途中廊下でマーシャに会い、報告書を渡すと、二枚書類をもらう。

「今渡した書類を渡すと、並ばずに街に入れるよ」

「有難うございます、ディーノは何方に?」

「ディーノはもう門の所で待っているから行くと良いよ、僕はこれからこの報告書を上に持っていかなきゃいけないからね」

そう言ってマーシャは歩いていった。



アリスと俺は、歩き、門まで向かうとディーノがハンヴィーにもたれ掛かっていた。

俺とアリスはバラグラバを被りディーノに挨拶をする。

「遅れました」

「いやぁ待ってねえよ、良いもん付けてるじゃねえか」

ディーノがバラグラバを指し親指を立てる。

「似合うでしょ?息苦しいのが傷なんですけどね」

「まぁ顔を見られるとお前たち2人はヤベえもんな」

「そう思うなら早く行きませんか?」

アリスは、ぱぱっと車の助手席に座る。

「睨まれているし、さっさと出るのが基地か?、ディーノ運転頼む」

すると、ディーノは吸っていたタバコを兵士達に飛ばし助手席に乗り込んだ。

「うっし、行くか」










車を走らせ、街道を駆ける。

「やっぱり仲悪いんですね」

「勝谷の顔面ミートチョップにして、勝谷は許せんのか?」

「いや、まぁ許せないんですけどね」

キューポラを開けそこから頭を出しタバコを吸う。

草木が流れ文明の利器に感謝しつつ指先から火を出しぼーっとしている。

「勝谷さんの冴えない顔が更に酷くなって帰ってきた時は恐慌しましたけどね」

「うるせえやい、アリスも珍しく驚いていたよな?」

「私の担当が異世界に来た初日に死なれたら、私は後ろ指さされて生きていかなくなりますからね」

「まぁ今なら秒でボコボコにしてやるよ、サイクロプスぼこぼこにしたからな」

「ギリギリの戦闘でしたけどね、やっぱり我々の流儀が一番ですよ」

「銃と火薬かぁ?まぁ一番それが信用できるけどなっと、次右か?」

ディーノがハンドルを切り若干のGを受けながらタバコを吸っていると歩いている集団を見かけタバコを捨てバラグラバを被る。

口からタバコの臭いを感じ、少し顔をしかめながら中に戻る。

「行商人のようだな、最前線の街に物資を運んでいるんだろう、俺達は軍の分しか運ばないからな」

「雇用を俺達が取らないようにしてるんですね」

速度を緩め近づいていくと、行商人の一人がこっちに手を振る。

「アクセル踏むぞ!IEDを持ってたら厄介だ!」

一気に車が加速し、背もたれにGがかかりウッと少し呻く。

路面からの悲鳴と、エンジンからの咆哮、クラクションが叫び行商人がびっくりして路肩による。

「ひええええ!」

俺が叫びアリスを見る。

「...!...!」

頭を伏せ路面からの突き上げのたびに体が跳ねている。


そのまま走り抜け、見えなくなった所で速度を緩めた。

「前に一度もっと前線で、コンボイを組んでた時にオッサンが前に飛び出したんだ、その時に一番前を運転してたやつが止まってしまって、オッサンを助けるためだろうな、ドライバーが降りた、その瞬間に大爆発よ、あん時は俺も死ぬかと思ったな」


「IEDとか、何処の中東だよとか思いますが、敵も爆発物を持ってることが有るんですね」

「そこまで授業をせずに、任務に行ってしまったもんな、ここでのIEDは特殊でな、魔石って言う、俺達の飲んでるエーテル生成前の物があるんだ」

「そんなもん俺は飲んでたのか? オエッ!オエッ!」

そう言ってえづく。

「まあ聞け、その生成前の物を凝縮し固形化すると簡易的な爆弾になる、火力は、バンカーバスター位の威力がある代わりに、非情に不安定で、魔力の波動?みたいなのが有るんだが、それを当て続けなければ勝手に自壊する糞みたいな爆弾だ、しかもデッドマンスイッチ付きだ」

するとアリスが話に混ざる。

「ブレイン錠にも使われていますよ、各自の魔力は千差万別なのと鍵穴要らずで重宝しています」

「はえー、何時かは元の世界でも鍵いらずってことか」

俺は素直に感心した。







そこから暫く走っていると、城壁が見えてきて、城壁の隣に駐車場も合った。

「よーっし、やっと着いた、勝谷とアリスは先に手続き済ませてくれ、俺は車停めてくる」

列をすっ飛ばし門の前まで着けてもらうと降ろされた。

行商人や、農民から好奇の目に晒されながら門の前まで行く。


「止まれ、PMCだからと言って手続きを通さず通すわけには行かない」

そう言ってやりを突き立てられそうになるが、アリスが書類を門番に見せる。

「ふむ...わかりました、先程は申し訳ございません、コチラへ」

そう言って衛兵が後ろを向き城壁の中に入っていく。

それに俺は着いていき、中に入ると小屋の中に連れられ一緒に入る。

「これが、貴方がた2人の通行証です、身体検査は行わないので、中で問題は起こさないで下さい」

顔も調べられず、サッと通される所を見ると金か徳を積んだだろうな。

無言で俺達2人は受け取り、そそくさと小屋から出て門の前で待っているとディーノが中に入ってきた。

「まず何処行くか?飯でも食うか?」

そんな話をしながら中に入って歩く。

かなり人が多く、大阪や、東京よりも多く感じる。

「前線に近いから、人が集まってんだ、ここはかなりの金が今動いているからな」

刀剣や、槍、スタッフ、異世界おなじみの奴隷まで選り取り見取りの商店街を俺達は歩く。



暫く歩いていると誰かに体当たりをされたようでアリスが転ける。

当たった人は子供で、足を掬われ転けたようだ、その子供が脇目も振らずに走っていくのを見ると。

「アリス! 財布は?」

「取られました! 全財産が!」

こいつ全額持ってきてたのか!? 少しくらいなら俺が補填しても良いと思ったけど金貨はデカイ。

「しゃあねえ! アリス着いて来い!」

「俺は先に飯や行っとくわ、何か合ったら無線しろ」

ディーノがそう言って歩いて行く。

俺は子供を追いかけようと足に力を入れようとするが、人混みが凄く、アリスを脇に抱え一気に跳躍した。


「ブレイン! ロック掛けたか!」

『すみません、失敗しました』

「糞!何処だ? 何処だ?」

屋根の上に衝撃を殺しながら降り子供を探す。

「見つけました!あそこです!降ろして下さい!」

そう言ってアリスを下ろすとアリスは屋根から飛び降り駆けて行った。

俺も一緒のような動きで別の屋根に飛び降りると思いっきり屋根を突き破り下に落ちる。

「ゲホッ!ゲホッ!」

中は娼館のようで裸の女性達がこちらを凝視している。

「やっべえ!すまん!」

狼の獣人だろうか、抜刀してこちらに来る。

「待て待て!悪い!人を追いかけてて屋根を突き破ってしまった!これで許してくれ!」

アリスに何か買ってあげるのが王道だと思い、持ってきていた金貨を袋からだし投げ渡す。

すると、娼館に居た全裸の女性たちは垂れ掛かるように近寄り首に手を回す。

「おっほぉ!首は駄目なんだ!まてまて!ジッパーを下ろすな!一旦離れて!一旦!」

そう言うと女性たちが離れ横に並び扇状的に誘惑してくる。

そのすきに跳躍して元の穴から俺は飛び出した。

「また時間が有ったら来るからねー!」

そう言って俺は泣く泣く娼館を後にした。




無駄な時間を食ったせいで何処にアリスが行ったかも分からず、無線を送る。

『何処に居るか?』

『現在の場所はスラムです、結構広いので、こちらから見えたら誘導します』

『了解』

無線を切り俺は広い地面を蹴り跳躍した。



『右見て下さい、右です!逆です!右!』

その言葉を聞きながら跳ねてアリスの近くまで向かうとアリスが見えこちらに手を振っていた。

一気にドスンと地面に降りアリスを見る。

「この家がさっき盗んだ子の家です」

「この家を解体したら良いのか?」

「いえ、中に入って下さい」

「中? いやまて、なんか嫌な予感がする」

すこし問答が有ったがこちらが負け中に入る。

「ケホッ、すみませんうちの子が盗みをして...衛兵にはどうかケホッ何卒お許しをケホッ!ケホッ」

ゴザの上でまだ若い女性が土下座をしていた

『こうなるのは分かってたって!外からでも咳が聞こえてたぞ!』

『ですので、どうすればいいか対処を聞こうと思いまして』

『無茶苦茶言うな、衛兵に言わないなら言わない!言うならスッパ捨てて言う!それだけだろ?』

『....』

アリスは黙ってしまい、言いたいことが分かるが、どうしようもなかった。

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