帰投
「さあ着いたぞ、お前の事は噂になってるぞ斎藤さん、コレをやるから顔を隠していけ...気をつけてな」
「有難うございます、また頼む時は宜しくお願いします」
「ああ、その時はまた呼んでくれ」
俺とアリスはバラグラバを被り、マーシャが居る所へ急いだ。
司令室に着き、俺達はノックをする。
女性の声でどうぞと言われ、俺達は中に入る。
「やぁ、待っていたよ、見たところ王子と合流出来たようだね?」
「ハッ、斎藤とアリス、只今帰投しました」
「はーい、とりあえずよく帰ってきた、勝谷くんは、腕が壊れたようだね?後で、修理をして貰うといい、...アリス、君もよく帰ってきた、報告書を頼むよ....ん?ああコレは僕のオペレーターだよ、ビッキーって言うんだ、それより勝谷くんどうだった?僕の思惑通りに進んでいるかな?」
怒涛の言葉攻めを受け少し戸惑うが、恐らく、思い通りに行っている事と、次のターゲットが出来た事を伝えると、顔を喜色に染め僕達を褒めた。
「そうか、それは良かったよ、じゃあ、これから僕は会議だ、また後で僕から顔を出すよ」
そう言われ俺とアリスは、部屋から外に出た。
「怒られなくて良かったですね」
「アリスもそう思うか?、俺もそう思う」
俺は流れる汗を服の袖で拭き、整備班の所へ行くと言うと、アリスは自室に一度帰って、報告書をまとめると言って別れた。
「お邪魔しーまーす」
もう暗闇が降りてきているが、整備ハンガーは、明々と電灯が灯っており、皆忙しなく働いているのが分かる。
「いらっしゃ...勝谷じゃないか!」
頭から目にかけて、単願の暗視装置のような機械を付けている人が気さくに話しかけてきた。
「....カミラさんですか?」
「眼は治らなかったからね、後歯もさ、流石にくり抜かれたら生体治癒薬を使っても治らないさ」
「...良かったー生きてて!俺が処刑されるって言われて脱走してたんだよ!」
「しってるさ! マーシャがそのまま極秘任務に入れるから脱走の話だけ聞けたんだけどね....元気そうで良かったよ」
「カミラさんは何故ここに?」
「アタシは、前線を引退したんだ、ディーノと結婚したからね」
それを聞き俺は吹きそうになるのを堪える。
「おめでとうございます! へぇ、ディーノさんと結婚か!」
「そうなんだよ!ぐちゃぐちゃのアタシを見て何が何でも結婚して、後方に送ると言って聞かなかったからね」
すこし心にズキッとくる。
「さぁ勝谷、腕が壊れてるようだね、とりあえず治そうか、飯も食べずらいだろう」
そう言って手に持っていた袋をカミラは奪うように取り持っていく。
「カミラさん治せるのですか?」
「任せな! アタシにかかったらこんなの一瞬で治してやるよ」
そう言うと奥に進むので着いていった。
暫く待っていると、マーシャとディーノが一緒にやってきた。
「おう! 勝谷!」
そう言って汗臭いディーノが抱きついてくる。
片腕では引き剥がせず、ムギュッと抱きつかれマーシャに助けを求めるが無視をされカミらに話しかけた。
「どうですか?腕は治りそうですか?」
「4日は掛かるね、部品を発注しなきゃならない」
「勝谷ぁぁぁぁ! お前のお陰でカミラを救助出来た!! 本当に良かった!!」
マーシャを見ると人差し指を口元に持っていきフゥと吹いた。
怖えよ、何だよ、何も俺は言わねえよ。
「煩いディーノ! 勝谷を放してやりな」
そうカミラが言うと渋々と言った顔でディーノは俺を開放した。
それから暫くディーノとカミラあと、マーシャを交え話し、夜も遅くなってくる。
「さぁ、そろそろ寝るかい?」
「そうですね、そろそろ寝ますか、勝谷君は、暫く休暇ですね、どうです?麓の街に観光でも行ったらどうですか?」
そう言われ少し思案する。
「観光ですか....良いですね、アリスも連れて行ってみます」
「お?じゃあ俺が、護衛に着いてやるよ、恩返しがまだ済んでねえ」
「恩を返すのはアタシであって、アンタじゃないよ」
「まぁとりあえず、これでお開きにしますか、僕らが居たら、ここの人達も帰りづらいでしょう」
その言葉を聞くと、こちらの話を聞いてる人がチラホラと居た。
「じゃあ、また明日」
そう言って俺はハンガーを後にした。
部屋に帰り中に入る。
「ただいまアリス、一人で、報告書掻いてもらって悪いな」
「いえ、仕事ですので」
部屋の中は、埃っぽさも無く、空気清浄機がずっと動いていたお陰と、誰かが定期定期に掃除していたんだろう。
「明日、麓の街に行くんだけど、アリスも行くだろ?」
「はい、ご一緒します」
「じゃあ、報告書を書くの手伝うから、さっさと終わらせて、明日に備えて寝よう」
そう言ってペンを持ちアリスの斜め前の椅子に座った。




