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王子達

俺達は、階段に腰掛け話す。

「で、襲撃者は誰なんですか?7番目の兄で良いんですか?」

「いや、違う、7番目の兄は、手は早いが、此処まで考えなしに引っ掻き回そうとする人ではなかった」

するとアリスが言った。

「ではおかしいですね、襲撃の情報がどこから漏れたのか...何か心当たりはありませんか?」

「俺達を生かして牢屋に入れているのもおかしい話ですしね、その場で殺しておけばサーリス王子を確実に葬る事も出来たんですけどね」

頭をポリポリと掻き俺は立ち上がった。

「とりあえず7番目の兄に会いに行きますか?馬車はコイツ等の使ってもいいと思いますよ?」

「そこで襲撃が会った事を伝えるか...これを兄がやった行いだったら敵陣に殴り込むことになるんだけどな」

空は段々と白い雲も見え、明るくなってきているのが分かる。

「一度帰って装備を整えませんか?此処まで遅れたら、変わらないでしょう」

「今から帰るか....結構遠いな...」

「いや、このまま行こう、なに、あの兄は、自分で戦うことを選ぶはずだ、」

サーリス王子は少し胸を張った後歩き始めた。

「行くぞ、馬車の扱いが出来るものは?」

「....」

「....」

ふたりとも下を向いて目を逸らす。

「仕方がないか、俺が運転する」










それから半刻ほど走ると、石畳に変わり、きれいな荘園が見えてきた。

馬車を駆け、朝方の街を駆け抜ける。

「商人は早いですねもう動いていますよ」

荷を馬車に詰め込んでいる商人らしき、人々が多数居て、荘園の発展具合が見受けられた。


そのまま走ると、石の城壁に囲まれた、小さい城が小高い山の上に有った。


門を守る衛兵が両隣に立っており、我々を見ると、ピシッと体制を伸ばした。

「タニオン・ラ・ヘラティウス・サーリスだ!私が来たと兄に伝えてくれ!」

「ハッ!」

その声とともに衛兵が走って一人城の中へ駆けて行った。


「しっかり、していますね」

「そこいらの雑兵と比べるまでもねえってことか」






暫く待っていると、走っていった衛兵とは別に執事の格好をした男性が出てくる。

「タニオン・ベ・ヘラティウス・ウェイトン王子様が、広間でお待ちです着いてきてくださいませ」

「頼む」

サーリスがそういった後馬車から飛び降りた。

「おつきの方は、別室を用意していますので、そこでお待ちを」

メイド服を着た妙齢の女性が歩いてきてコチラへと言った。

「斎藤とアリスは、そこで待っていてくれ」

「了解」

「了解」


サーリス王子と別れ、メイドの後ろを着いていく。

「此処でお待ちを」

「解りました、ありがとうございます」

アリスがチップを包み渡し、俺達は部屋の中に入った。


中に入り扉を締めるとアリスが無線を飛ばしてきた

『斎藤様聞こえますか?』

『感度良好、何だ?』

『今から部屋の中の隠し部屋、盗聴の類を探します、扉の前で聞き耳を立てていないかと、毒ガスを送られていないかを確認して下さい』

『了解』

扉の前に立ち、ブレインに聞く。

薬物のたぐいを確認できるか?

『確認できません』

了解、そのまま確認を怠るな。

『了解』

ほっと胸をなでおろし、扉に張り付き耳を澄ませる。


ちらっとアリスを見ると椅子に座り、お茶と茶菓子を楽しんでいた。

「あれ?、確認は...?」

「ソナーを飛ばしましたが、隠し部屋を見つけられなかったので、終わりました」

「.....わかりました」

「斎藤様は、扉からの盗聴を確認していて下さい」

「なんかズルくないですか?」

「いえ、私は改造をされていませんし、ブレインもオペレーターモデルなので、斎藤様が行うのが妥当かと」

「....」




それから扉の前に一分ほど立った後、釈然としなかったので椅子に座った。

「王子は大丈夫ですかね?」

「サーリス王子ですか?それとも、ウェイトン王子ですか?」

「どんな奴かまだ聞いてないしな、ひねた男なのか、あくどいやつか...」



  1時間後

紅茶をずずずっと啜っていると騒がしい音が響き、立ち上がり窓から外を見る。

「処刑か、王子じゃなくて肝を少し冷やした」

断頭台がこの位置から見え、ズタ袋を被せられた男が立っている。

声は聞こえないが、ワーワーと声が聞こえ笛の音も響いていた。

「王子も見ていますね、その隣に居るのがウェイトン王子でしょうか?」

ウェイトン王子らしき人は、口を固く結び、冷ややかにズタ袋を被せられた男を見ている。

「俺の予想では、あいつが情報を漏らした男だ、銀貨一枚」

「賭けになりません、このようなタイミングで人を殺すのは1つしか無いでしょう、ズタ袋を被っているのは小奇麗な服を着ていますし」

そう言っていると首に縄を掛けられるのが見えた。

「首を切るのじゃなくて、吊るすのか?」

「貴族だけに許されているのを考えると位が低い人なのかもしれませんね」

階段の上で男が頭を振り回しているのが見え叫んでいるのだろう、閉まった窓からは何も聞こえない。

すると男の足元の板が外れ男が落ちる。

「あれは死にきれてねえな、ロープが短い」

男はビクンビクンと体が揺れ暫くすると括約筋が緩んだのだろうズボンが暗く湿っていくのが見えブレインのズームを切った。

「もしかしたらこの部屋はわざとかもしれないですね」

アリスが席に着き茶菓子を頬張っていた。

「俺達にも見せて溜飲を下げさせるためか」

俺は紅茶をまたズズズっと飲み始めた。



それから暫く待ち、便所に行きたいなと思っていると扉が開く。

「サーリス様とウェイトン王子がお待ちです、広間へ着いてきて下さい」

「その前に便所に行って良いですか?」

別のメイドに促され便所へと向かった。










トイレが終わり、ゆっくりと広間の扉を開け中に入る。

「失礼します」

「うむ」

中に入るとウェイトンが大きな椅子に座り、その前にサーリス王子が座っていて、アリスは壁の方で立っていた。

そそくさと俺もアリスの横に立ち無線を送る。

『話はどうなってる?』

『ウェイトン王子は、サーリス王子に王位を譲る代わりに、この地をウェイトン王子の直轄地にして、国境沿い全てに城壁を建てるのであれば、良いとの事です』

『国境沿いって中々メチャクチャな...』

『あと...私を妾にしてやるとも言ってましたね』

それを聞き吹き出しそうになる。

『断っておきましたが、あの目は諦めていませんね、他には、斎藤様と此処に居る一番強い兵士と戦わせるとも』

『サーリス王子が要らないこと言っただろ?』

『ですね』





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