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脱柵から脱走に

はい、ばっちい手で俺は今パンを千切って、蝿を叩き落としたりしています。

「ヴォエ!」

「貴様!その食料は、市民からの税金で買われているんだ!吐くな!」

「なら少しくらい水浴びさせて下さいよ」

そう言いながらパンを食べ垂れ流す。


今日は約束の一週間後だ、これで来なかったらこの体でアリスに抱きついてやる。

ネトネトしている頭を掻きながら外を見る。


朝来ない、昼来なかった、夜...来なかった。


夜中の1時頃だろうか、もう一週間と一日だ、蝿を落としたり蚊をを落としたりしているとガサッと音が鳴った。

NVに切り替え見てみるとアリスが茂みに隠れていた。

檻を掴み力を入れる。

ヒィーンと甲高い吸気音が聞こえ、腕が赤熱してきた。

「どっせい!」

檻は支柱から折れ、檻の外に出る。


「何だ!敵集か!?貴様!どうやって外に出た!」

テントからわらわらと兵士が出てくる。

カシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャ!!


何かの作動音と共に寝間着姿だった兵士は倒れていく。


「サンクスアリス!」

「斎藤様が出てこなかったら貴重な弾も使用せずに済んだのですけどね」










アリスに着いていくと、大きな箱が2つ置いてあった。

「どうやって一人で運んできたんですか?」

「ヘイローで一緒に降りました」

上を指差すが、全く見えず、夜の降下とか死ぬ気かとも思ったが、まぁそれは良いだろう。

「さっさと箱を開けて下さい」

「あーいあい」

箱の隙間に爪を入れ手を撚ると、中から鞄一杯の物資と、手紙が入っていた。

「大きい箱ですね...」

「中には、斎藤様の予備のパーツと、剣になります、後これは人工皮膚です」

「へ?剣?銃は?」

「銃を使うと、もしかしたらDWASにバレるかも知れないので、非情に危険です、これは最後の切り札です、私が持っておきますね」

そう言ってHK416Cを鞄にいそいそと直す。

「僕の武器は?」

「これからは、斎藤様は、戦士にでもなってもらいましょうか?」

「アリスさんは?」

「....魔法使いで」

「何自分で言って恥ずかしがってるんですか!」

「夜の街道を動くのは危険と言われてますが、私達なら大丈夫でしょう、急いで、西に向かいましょう、ここが一番西の国、タニオンに近いんで」

「歩きで?馬に...乗れないか」

「ブレイン、馬の乗り方分かるか?」

『申し訳ございません分かりません』

それを聞き、諦めて歩くことにした。










荷物は俺が120kgアリスは30kgになっている。

「大丈夫ですか?少し休みますか?」

「いえ...まだ大丈夫です....」

俺達は走りながら移動していた。

跳ねて体の調子を確認する。

「アリスさん体重何キロですか?」

「最低ですね、女性に体重を聞くのは」

「俺達みたいに強化されてないだろ?軽いかなと思って...どう?」


「っKgです」

真似をして言う

「っKgか!ちょっと休憩しよう」

鞄を前に回し折ってきた枝で椅子を作る。

「よし!アリスさん、ここに座ってください!なに、アリスがいくら重くても200kgなら体が保つ筈です」

そう言うと頭を叩かれたが椅子の上に座ってくれた。




「ほーいほいっと!」

なるべく衝撃が行かないように地面を駆ける。

日も上がり少し気温も上がってきた。

暫く走っていると国境まで来た。

汚い山岳から景色が一変し、だだっ広い景色へと変わる。

「へぇー、こっから先がタニオンか?」

「これから国境なので、そろそろ降ろしてください」

しゃがむとすこし重さが消える。

鞄を後ろに戻し背負い直す。




歩いて、国境に近づくと砦の上から声が響いた。

「止まれー!何しにこの国境に来た!」

「俺は戦士だ!傭兵としてこの国に来てたんだが、目標の金額が溜まったからタニオンの方に行こうと思ってな!」

「何か証明できるものはあるかー!」

「金貨なら持ってる!一枚か二枚までなら渡すから通してくれ」

そう言うと跳ね橋が降り、男が歩いてきた。

「その話が嘘だったら射殺すからな」

「毎回毎回こんなことしてたら商人も上がったりですね」

そう言いながら金貨を二枚渡し、銀貨を握らせる。

「ふん...この先は、野盗が多い、今からならギリギリ街まで行けるが、夜になったら死ぬと思え、あと、この門を通るのは、正規の商人は通らない」

そう言って男が手を振ると上で構えていた弓兵が引っ込んだ。







暫く歩いていると、アリスが無線を送ってきた。

『囲まれています』

『了解、位置はわかるか?』

『はっきりとは分かりませんが、100mは切っています』

「フンッ!フンッ!フンッ!フンッ!」

俺が急に剣を取り出し素振りをする。

『何をやっているのですか?』

『急に剣を振り回したら敵がビビって襲わないんじゃないかと思ってな』

剣圧は凄く野太い風切り音が辺りに響く。

『まだ居ますね、どうされますか?』

「キエエエエエエ!!」

剣で思いっきり木の幹を叩く。

そこそこ太かった木が切れるというか千切れるように倒れ、剣も無くなっていた。

「ウォラ!」

折れた木を持ち上げ振り回す。

『何処かへ行きましたね、あとあまり近づかないで下さい、すこし離れて歩きましょう』




それから1時間ほど歩くと街が見えてくる。

「やっとか」

「私は楽でしたよ?」

「剣の重みが無くなってもあんまり変わらなかったな」

「あれは一般の兵士用の鋳造品でしたしね」



街に近づくと並んでいたので一緒に後ろに並ぶ。

「何時もこんな感じなんですか?」

「ええ、しかし今日は遅いですな」

「どうするアリス、別の町に向かうか?」

「いえ、もう暗くなるので今日はこの町で泊まりましょう」

「りょーかい」


暫くするとまた一人また一人と外壁の内側に入っていった。

「よし、通れ、次」

「何か遭ったんですか?」

「最近盗賊がこの街に入って金品を売りさばいているって話が有ってな、皆の荷物を確認させてもらっている」

「へえ」

「よし、次」

アリスの顔の血の気が少し引いている。

「カバンの中身を」

「どうぞ」

そう言って俺の鞄を見せる。

「ふむ...この金属の用途は何かな?」

「これは、かの有名な細工師が作った、金にも勝る宝飾品です、どうですか?奥さんに1つ、今なら金貨十枚で取引しますよ?」

「要らぬ、どうせ、騙されて買った口だろ?次、隣の嬢ちゃん」

「おっと失礼」

金貨の入った袋を落とす。

中身は金貨が5枚入っていた。

金貨はこぼれ出て兵士の目に入る。

「いやぁ失礼失礼」

落ちたのは三枚か、もう少し上手いこと落とせばよかった。

金貨の袋だけを広い後の金貨には見向きもしない。

小さい声で言う。

「盗賊は金貨なんか持ってませんよ?」

「い、行ってよし」


湯水のように金貨をバラ撒いてしまった、これからは節制だっ節制。


外に出るとアリスが大きく息を吐く。

「先進国以外は金で何とかなると聞いていたが、これは便利だな」

「そうですね...お金は後幾つくらい有りますか?」

「金貨は残り2枚と銀貨が数十枚だ、銅貨は数えるのが面倒くさい」

「そのお金は、貴方の死亡保険っていう形になっていたんですけどね」

「....俺達の金じゃないの?」

「私のはちゃんと有ります」

「はぁ.....」






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