牢獄
「おはようブレイン」
物凄く頭が痛い。
『脳波は正常です』
「疑って無えって」
起き上がり自分の手を見る。
メタルカラーな両腕が見え生きてることを少し実感する。
「いよっし!行くか」
ベッドから立ち上がり、部屋を出ようとする。
扉は金属製の板だろうか、鈍色に光、大きな鏡も有る。
嫌な予感が有り、見回すと便所も有った。
「俺捕まってる?」
ドアをノックしたり、鏡に指をくっつけると、ガラスの隙間がない。
「おーい!誰か居ませんかぁ?」
鏡に影を作り中を覗こうとするが、暗いようで、全く覗けなかった。
「灰皿とタバコは有るんだな」
タバコに火を着けベッドに座る。
胸いっぱいにタバコを入れ吐き出しブレインにふと思ったことを聞いた。
「俺って何日くらい眠ってた?」
『私も、正確な時間はわからないのですが、私が覚醒してからの計算ですと2ヶ月ほど眠っていました』
「2ヶ月かぁ....2ヶ月!?飯は?いや、うんこは俺どうやってたんだ?いや、答えなくていい!」
体を見ると衰えを知らない体だった。
『私が、ずっと達用管理を行っているので体が鈍る事は絶対にありません』
「そうかい....この扉って開けれねえか?」
『不可能です』
「なら、警備員の奴ら近くに居ねえ?」
『この部屋は電波を通さないようで...』
「積みか」
ぼーっとしていると天井に張り付いているスピーカーが響いた。
「あーテステス、勝谷君聞こえるかな?」
「マーシャ!聞こえますよ!」
「良かった良かった!生きてて本当に良かったよ!」
「なら出れますか?」
「....勝谷君に反乱の疑いが掛かっている」
「脱柵しただけで反乱ですか?」
「脱柵してカミラを助けたのは僕達側からしたら凄く嬉しい、しかし、こちらの世界の王は気に入らなかったみたいだ」
「面倒くさい話ですね」
「この中なら君は安全だ、外に出たら、僕らの敵になる」
それを聞きペットボトルのお茶を吹き出す。
「DWASからも敵認定ですか!?また何で!」
「君は、カミラの手足を持って帰ってこなかった」
「.......」
「あ、今はカミラは、元気にディーノと生活しているよ!」
「それは良かった...いや、良くねえ」
「そう、事態は凄く良くない」
「地球に帰されるんですか?」
「君は死んだことになっている」
「....最悪だ」
「どうする?君が起きたから移送することになってるんだけど」
「どうするも何もお手上げでしょ?...移送ってヘリですか?」
「いや、馬車を使っての移送だよ2週間は掛かるね」
「馬車って...乗り心地がすごく心配だ...ディーノさんとかカミラさんは知ってますか?」
「多分皆それを知らないですよね」
「知っていたらディーノが次こそ暴れまわるよ、あとカミラもね」
「俺はどうやって死刑に?」
「斬首だよ、この世界では、貴族のみに許された執行方法だ」
「....はぁ」
「後2週間の命って考えたら、勝谷君ならどうする?」
「童貞を捨ててから死にたいです」
「ハハッ...話を終わるかい?」
「...移送方法ってどうやって移送ですか?」
「この国の馬車でだね」
「へぇ...さぞ強固な馬車なんでしょうね」
「乗ったら分かるさ、そうそう、ずっと西の方は、今戦っている国を平定してから攻めるって話なんだよ」
「西の方はまだ手を着けてないんですね」
「西の方は、平原が多いのは良いんだけど、産出するの物が弱くてね...」
「原油か....この世界なら無用の長物ですよね」
「これを気に経済でも発展してくれたら良いんだけどね」
「それはないでしょう、魔法の方がクリーンですし」
「じゃあそろそろ行くね、ああ、アリスが落とし物をしたらしくて一週間後に探しに行くって」
「今から一週間ですね、解りました、さようならマコヴィッチ・マルク」
「またどこかで、斎藤勝谷」
暫くすると扉が開き、外から出ろと言われた。
「貴様が、斎藤勝谷だな?」
甲冑を纏った兵士が言う。
「はい、斎藤です」
「貴様は、これより、ヴァーダント国、首都、ヴァルカミリアに移送し、斬首を行う、異議が有るのであれば申せ」
「異議があると言った場合どうなります?」
少しおどけて聞くとガントレットで顔を殴られる。
「貴様は分かってないようだな?我々は首だけ持ち帰っても良いと王に言われている」
鼻血が出るがすぐに止まる。
『止血完了』
サンクスブレイン
「すみません!すみません!わかりました!殴らないでください!着いていきます!意義は有りません!」
気を良くしたようで汚い笑みを浮かべた後手錠を掛けられそのまま馬車に放り込まれた。
出て直ぐ馬車の中かよ、皆の顔を見れねえし、まだあの気が強いお姉さんにひんひん言わされて無いのによお。
「出すぞ!」
その声とともに椅子もない馬車が走り始めた。
「俺トイレはどうしたら...」
「そこでしろ」
口には出さないがこの馬車に椅子が無いってことはだ...床が,,,,
空中に浮きたいがそうも行かず地面に諦めて座る。
馬車と言っても周りは柵に覆われ屋根は、分厚い木の板、雨風余裕で入ってくる最高な仕上がりだった。
その日の晩は皆宿に入っていくが、俺だけ柵の中だった。
一週間は長いぜアリスさん。




