初めてのステータス開示
初投稿です。よろしくお願いします。
僕の名前はレオン。今日で15歳になる。
この国、グロード王国では15歳になると女神さまからスキルを授かる。
そして今日は教会に行ってスキルを授かる日だ。
スキルというのは自分の潜在的な力を引き出し、開花させる力らしい。
剣士の才能を持っている人は剣士スキルを、火魔術の才能を持っている人は火魔術スキルを貰うんだって。
スキルは鍛錬していればレベルが上がるらしいから別にレベルがⅠでも問題は無い。
問題はどんなスキルをもらうか、だ。
もらったスキルとはこれから一生付き合わなければいけない。
スキルで職業が決まるからこの1日で人生が決まると言っても過言ではない。
10年ほど同じことをしていたらそれがスキルとして現れ、増えることもあるらしいがそんなにのんびりと僕は出来ない。
ああ、女神様魔王様国王様、僕にすごいスキルをお願いします…
協会に来た…
ここは僕の住んでいる町、サリスの唯一の教会だ。
この町はオリスティン伯爵領の中の町で冒険者ギルドや商業ギルドもありそこそこ大きい町だ。
それにしても教会って大きいなぁ~…
ここでステータス鑑定を受けるのか…
「こんにちはー!ステータス鑑定を受けたいんですがー!」
「はーい、あ、レオン?そっかー、今日ステータス鑑定の日かー。おっきくなったなー!レオンもー!と言ってもまだ160cmくらいなんだけどね!お、顔も整ってきたんじゃない?将来モテるぞ―これは!ほら、昔よくぎゅっってしてあげたよね、ほら、ぎゅーっ!」
茶髪がきれいなシスターが迎えてくれた。
この人はナナ姉。僕より8つ年上でいつもお世話になっている。
神聖魔術のスキルを持っているからシスターになったんだって。
それにしても…スキンシップが激しい!
ナナ姉僕より10㎝も背が高いからなんていうか…その…胸が…
「あ、ナナ姉ちょっと苦しいよ…暑い…」
「ああ、ごめんごめん!で、なんだっけ?」
「ステータス鑑定だよ!いったいどんなスキルが出るのかなぁ?」
「それはやらなきゃわからないわねぇ、でもいいスキルが出るといいわね!さ、この玉の上に手を置いてちょうだい。」
出た。これが鑑定玉か…
スキルの数だけ光の玉が出るんだっけ。
さあ!僕にステータスを見せておくれ!
お?光の玉がどんどん増えていくぞ!?
これは凄くいいんじゃないか!?
あ、ナナ姉が映ったステータスを書き写すんだね。
あれ?なんか笑いをこらえてるような…
鑑定が終わったようだよ。ちょっと様子がおかしかったけど…
さあ、いくぞ!僕のステータス、オープン!!
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レオン オルク
ヒト族
15歳
体力:18/18
魔力:15/15
筋力:17/17
敏捷:14/14
スキル:胆力Ⅱ 口笛Ⅹ 指笛Ⅹ 草笛Ⅹ 指パッチンⅩ ペン回しⅩ 弾きⅩ ちねりⅩ
称号:暇つぶし名人
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「…え?」
なんだこれ。
全然いいスキルがないじゃないか。
胆力はまあいいよ。
なんで口笛とかあるんだよ。
指パッチン?え?舐めてる?冗談だよね?
なに最後の「ちねり」って。わけわかんないよ。
で称号よ。いや確かに!スキルはすごい遊んでるけどさ!こんな不名誉な称号貰っても嬉しくないよ!
「ちょっ、どういうことなの、おかしいでしょ。壊れてるんじゃないの?」
「いっ…いやっ…、壊れてなんかっ…ないよっ…?たぶん…フフッ…まあ使ってればっ…使い道とか見つかるんじゃないの?ククッ…」
いやどこで使うんだよ。近所の子供騒がせるくらいしか使い道ないよ。
もういいや…帰ろう…終わったものは仕方ない…
「レオンにっ…女神さまのご加護があらんことをっ…ププッ…」
いやナナ姉いつまで笑ってるんだよ…