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青春っぽい物語。  作者: ルナ
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幼馴染み4人組の日常

幼馴染み4人組の青春っぽい日常生活。

そんな話。

4月8日。入学式。


鏡を覗き込むとぼんやりと間の抜けた顔が見える。顔を洗って少し丈の長い新品の制服に着替え、朝ご飯を食べる。

中学生になったが変わったのは学校と着る服くらいだろうか。だが私という人間はどうやら結構単純なようで、周りの環境が少し変わっただけで胸を踊らせている。


──クラス替え。それは私にとって一大イベントである。嫌いな人と同じクラスにならないように、仲のいい人と同じクラスになれるように。ただ、祈る。生憎、私には好きな人と呼べるような人がいないのでそれに関しては祈ることもないだろう。まぁ、この中学生活でできたらいいとは思っているが。


そんなことを考えていると時間が待ち合わせの時刻に迫っていた。急いで身支度を済ませ、家を出る。あぁ、待ち合わせ場所にもう3人はついているようだ。ここから待ち合わせに他の3人が喋っているのが見える。ついたら怒られそうだなぁ。嫌だな。


「おせーよ、綾羽。」

あ、つく前に怒られてしまった。

「考え事してた。いーじゃんちょっとくらいさ。綾人もこの前遅れたくせに。」

「ぐっ…。あれは妹が体調悪かったんだって!これとそれとは別だろ?…ほら。間抜け面してないでさっさといくぞ。」

間抜け面ぁ?こいつムカつくな。まぁ、朝自分でも思ったけどさ。人にいう言葉じゃなくない?こんなやつと名前が少しでもかぶってしまうなんて。本当に運がない。

「ほらほらー。ムスッとしてると可愛い顔が台無しだよ?」

「撫でんな。葉月。」

私の頭を撫でてきた、この葉月という少女はいわゆる、天然タラシというやつだろうか。白い肌に整った顔。その顔に良く似合う短髪。女子のくせに無駄にイケメンだ。

「あーあ、綾羽を怒らせたー、謝れよー!」

ニヤッと笑いながら葉月は綾人に謝罪を要求する。本当に笑顔が無駄にカッコいい。

「そーだそーだー!」

この場にいるもう1人の男子、拓磨も葉月に便乗し、綾人に謝罪を要求している。

「なんで俺が謝んだよ…。普通は遅れた綾羽が謝るべきだろ…。」

スッと目を逸らし、苦笑いをしながら綾人はそう言った。フフッと葉月が笑い、それに合わせるように拓磨も笑う。

小学生の頃から変わらないな、と思う。

ほんと、普通に会話も小学生っぽいしな。

まぁ、あえて言うなら幼稚園から、かな。

この3人とは幼稚園からの付き合いだ。幼馴染みってやつかな。

この幼馴染み4人組で中学生になっても仲良く過ごしたいなぁ。


「…なぁ。」

ボーッとしてると、綾人が小声で話しかけてきた。

「ん、なに。」

「あのさ…さっきの、ごめんな?」

少し恥ずかしそうに相変わらず小声で話しかけてくる。

さっき?さっき何かあったかな。謝られることなんて…。

私が戸惑っていると綾人はもどかしそうにした。

「…だから!間抜け面とか言ってごめんて言ってんの!」

あぁ、忘れてた。ついさっきまでその事話してたっけ。そんな事で謝るなんて随分と今日は素直だなあ。

「えぇ?いいよいいよ。気にしてないし。」

そう言うと綾人はニヤッと笑って、良かった!と言った。

新生活への胸の高まりと雲一つない青空からの日光で

いつもよりその笑顔が輝いて見えたのは、私だけの秘密。

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