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SF草子

N氏の災難

作者: 志方克雄

ちょっとムシャクシャとすることがあって、気分転換に久しぶりに書いてみました。

勢いで書いてるので誤字脱字があったり文法的な間違いがあったらすいません。

もし、誤字脱字等に気がつかれたら、お知らせいただけますようお願いいたします。



 N氏は何時も同じことを考えていた。

「時間が止められないかなー、もし時間が止まったら、あんなことや、こんなことできるのに」

 あんなことや、こんなこと、が真っ当なことであろうはずはない。真っ当なことであればわざわざ時間を止める必要がないのだから。

 ところがそんなN氏の望みを叶えてやろうというものがいた。悪魔である。悪魔は言った。

「お前の望み通り時間を止めてやろう。その中でお前の時間だけは動かしておいてやる。その代価はお前の魂だ。どうだこの話に乗るか?」

N氏は一も二もなく悪魔の申し出に飛びついた。

「では、契約書にサインをもらおうか。これでお前の望みは叶えてやろう。特別サービスだ。何時時間を止めてほしいか希望を聞いてやろう」

という悪魔にN氏は答えた。

「今すぐに。時間が止まってしまえば何でも好きなことができるだろ。待つ必要なんかないよ。」

そう勢い込んで言うN氏に悪魔は笑いながらうなずいた。

「そうか、そうか、ではすぐにでも時間を止めてやろう。そしてお前が死んだときにはお前の魂は私のものだ。」

 そう言って悪魔は指を鳴らした。

 その途端N氏は息ができなくなった。体を動かそうとしても何かにがっちりと体を固められ、全く動くこともできなくなった。息ができずもがきたいが、完全に体を固められたN氏は万力で全身を締め上げられるような痛みと酸欠の苦しみの中で悪魔の声を聞いた。

「時間が止まればすべての物質の動きは停止する。だからお前の周りにある空気も動くことはなく、息も吸えなくなるし、動きたくても動くことができなくなる。僕は肉体を持たないからこんな状況でも動けるけどね。」

そう言うとニヤッと笑い

「それと、お前の魂が代価じゃ、時間を止めるなんてことしたら、とんでもなく赤字になっちまう。だからお前には時間を止めた結果だけ提供してやった。」

N氏は悪魔が言っていることは理解できなかった。もう考える力が残ってなかった。N氏が最期に聞いた言葉は

「毎度あり」

だった。

昔から「もしも時間が止まったらどうなるだろう?」と考えてきました。で、出た結論がこれです。SF仕立てにするかもっとホラーテイストにするか考えてみましたがショートショートの形がシンプルでいいだろうとこの形に落ち着きました。

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