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海燕  作者: 天山
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第一章

「この株価の記事は差し込みますか?」

「夏野菜のネタ大きすぎないか・・・。」

「おい、ここもっと詳しく書けないのか・・・。」

NBB中央テレビの報道局は、日々繰り返されている業務上の会話で満たされていた。


「オスプレイの飛行ルートが判明したんだな!」

大畑局長の大きな声が、局内の空気を一変し、一瞬黙らせた。

「沢田!内山!四国ルートだ!防衛省に裏を取れ!」

「矢島!外務省に電話しろ。」

局長は、目に付いた局員に、こっちに来るよう手首を扇いだ。

「だれか、首相官邸付き記者に電話しろ。」

「皆、5時のニュースに間に合わせるぞ!」

「吉川!銀座で町の声を拾って来い。」


5時のニュースが、始まった。

「最初のニュースです。NBBの取材によりますと、アメリカの新型輸送機オスプレイの飛行ルートが判明しました。こちらの画面をご覧ください・・・これまで、オスプレイの飛行ルートの候補は、7つ存在するといわれていましたが、防衛省関係者からの取材で、四国ルートであることが判明しました。それでは、航空評論家に取材しましたのでVTRをご覧ください。・・・」


各局のトップニュースは、このオスプレイの飛行ルートに関する報道であった。

やがて、ネット上でも話題が広まり、「危険だ!」「殺す気か!」「日本の空を勝手に使わせるな!」などの批判が相次いだ。

日本国内の世論は、「中止させるべきだ!」が、多数意見を占めた。


取材を進めるうちに、米国国防省も万一不時着のことを考え、陸地のあるルートを選んだことが、判明した。

海上を飛行した場合、機体に異常が発生した時など、対応が難しくなるからだ。

少なくとも、陸地さえあれば、万一不時着しても、機体の回収が、容易であることが理由となった。


オスプレイ訓練飛行当日、米軍の基地には、多くの報道カメラが押し寄せていた。

直前の発表で、飛行ルートが、変更になった。

新ルートは、奄美諸島のルートとなった。



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