23つ、指摘されてました。
すこし、前のことも。
マジックキャンセルフィールド。
それが、あの違法取引で発動されていたらしい。
そのなか、あたしがスペルを使用した。
なんで、あたしは、あの中で発動できたの?。
「どうでもいいじゃない。」
それを紡ぐ。
解りたくない。
理解したくない。
「今は、コボルトを狩るんだ。」
決めた事を口にする。
『目標を確認したわ。』
はじめよう。
狩って狩って、生き残ろう。
それがあたしの目的。
「お願いね。アズ。」
彼はおとり。
数は多い。
さぁ、あたしにできる最大火力で打っ飛ばす。
それで、お金を返すんだ。
「纏え、光。集まれ、太陽の熱。」
もう少しだ。
複数のスペルを同時に発動して、
それに詠唱を加えたらどうなるかって。
それは、大火力になる。
「雷よ、光よ、一線、多方攻撃、開始!。」
受けて、コレが制空権を有したあたしの一撃。
「ライン'z シュート。」
粉砕、切り刻み。
アズはすぐにその場から、離れる。
空から、光の線が降る。
打ち込みと集中。
命中力は要相談だ。
見通しが良い場所までアズが誘導したのがよかった。
「すごいです。」
魔結晶を回収中にアズが言う。
コレのどこが、すごいのだろうか。
比較対象が無いのでわからない。
「複数の属性を操るなんて凄いです。」
記憶は消しても、
戦闘知識までは消してないらしく、評価もできるらしい。
そこまで消したら、アズの商品価値が下がると言うわけかな?。
アズは、元々剣を使いこなせていたから
戦闘面が売りにされていた、と見た方がいい。
あたしには、解らない事だけど。
「そう言う物なの?。」
「はい!。」
アズって素直で可愛いなぁ。
あたしより、背が高いけどさ。
「アズは、記憶を取り戻す事をしないの?。」
自分を形成するのが記憶だ。
良くも悪くも記憶です。
「自分にはまったく無いです。」
え、あたしなら不安になりそうだ。
なんせ、前も後ろも解らない。
そんな事、怖くて怖くて嫌だ。
「それに、あなたに仕えたいのです。」
駄目ですか。
とも、聞こえてしまう。
全然いいけど、あたしなんかでいいのかな。
「どうかしました?。」
一瞬、頭によぎった。
前に進む、今の立ち位置に留まる。
あたしの立場は、微妙だ。
あたしは、迷子。
あたしは、異質。
あたしは、この世界で生まれてはいない。
本来は、ここに居ない。
「なんにも。
はやく、換金して、鎧代と剣代を払わないとね。」
うん、考えなきゃいい。
怖いしね。
魔結晶の回収を終わらせて、帰ろう。
ようやく、一歩進んだような気がする。