第1章 4話『紅桜』
「次は何処に行くんだ??」
「そうね、授業に使う本や教材は学校側が用意してくれるから、後は魔術に使う媒介兼武器ね、それと後、目をどうするかね・・・。」
「目なら大丈夫だよ、カラコあるから。」
「カラコって何??」
「カラコはカラーコンタクトレンズの略式名称、ちなみにこんな奴。」
と言いながら俺は愛用のコンタクトレンズをとりだした。(ちなみに色はグレー)
「どうやって使うの??」
「目に付けるだけ。簡単だろ??」
と言いながら俺は愛用のカラコを装着した。」
「痛くないの??」
「慣れれば平気だよ。」
「へぇ~。ツカサの住んでたところは便利がいいのね。」
「でも魔法は使えないけどね。」
「魔法が使えないってどうして??」
「魔法の代わりに科学が発達したんだよ。」
「科学・・・って何??」
「科学とはこの世界にも木や土や水や火や鉱物って物があるよね??それを利用して人間の手で創っていくもの、また、公式で分同志を結合させて違う物に変える事が出来るのが科学かな??後は水や太陽の熱を利用して電気を造ったりかな。そして出来た電気を利用して発展したのが科学世界さ。」
「へぇ~、科学の世界って奥が深いのね・・・。」
「でも魔法の世界も奥が深いんじゃない??だから似て非なるもの、又は真逆の考え方になるのかな??」
「へぇ~、科学世界か・・・。なんだか楽しそう。」
「まぁ俺にとっちゃ、苦だったよ・・・。」
「・・・そう・・・。あっ、見えてきたよ。あそこが武具屋さんだよ。」
「へぇ、じゃああそこまで競争だ、よ~いドン!!」
「あっ、ずるい、まってよ~。」
「ずるくて結構・・・ははは。」
「まって~。」
こうして俺達は武具屋まで無事に辿り着いた。
「いらっしゃい。おっ、シイナちゃんじゃないか、珍しいな、どうしたんだ??この前買って行ったばかりじゃないか。」
「実は私の新しく入った執事も入学することになってそれで、・・・。実はこの子魔法を見るのが初めてでそれでおじさんの所に来たの。」
「そうか、名前は何て言うんだ??」
「神堂司です。よろしくお願いします。」
「司か。よしわかった。じゃあ着いてきな。司にあった媒介を見てやろう。」
「はい、お願いします。」
そしておじさんは後ろのドアを開けてこっちに来いとうながしてきたので素直に従った。
ドアの向こうには階段があった、多分地下室に繋がっているのだと思う。
長い階段を抜けるとそこには色々な物が置いてある地下室についた。
「ここには何でも置いてある、多分この世界でも一番の防具やだ。まずは司君、君の魔導に反応する物を探すんだ。」
「どうやってですか??て言うか魔導って何ですか??」
「魔導とは魔法を使う時に使う体の中にあるエネルギーの事じゃ。それを外に放出するよう思い浮かべれば自然と反応を起こすようになるよ。」
「へぇ~、じゃあ・・・。」
俺は目を瞑って先ほど感じた魔導を言われた通り外に出すイメージで放出した。
「何と・・・。大したものじゃ・・・。」
「凄い・・・。」
「どうしたの??って何だこれ??」
「これはファイヤードラゴン、ブリザードドラゴン、サンダードラゴン、アースドラゴン、スチールドラゴン、ウィングドラゴンの牙と鱗にダークドラゴンとホーリードラゴンの血じゃないか。」
「それって凄いのか??」
「凄いわよ、なんたって世界のドラゴン大集合みたいなものじゃないの。」
「へぇ~、でこれをどうするんだ??」
「これをお前さんの魔導とそれから鉱物とを組み合わせて魔法の媒体を創るんじゃ。イメージが形になるからの。これが大変なんじゃ。創るのに1週間かかる奴もおるからの。」
「へっ、へぇ~。1週間・・・。(そんなにかかるのかよ!!)」
「まぁ、私は10分程度でしたのにそんなにかかる方もいらっしゃるのですか。」
「えっ、そんなに早く出来るのかよ。」
「まぁ、人それぞれじゃ。まぁとにかくやってみなさい。じゃが、こいつに耐えられる鉱物と言ったらオリハルコン位じゃの・・・。確かこの辺りにあったような・・・。」
「オリハルコン・・・って何??」
「オリハルコンは世界で一番強度が高いと言われている鉱物ですわ。でもこの鉱物はモンスターの体の一部だと言われていますの。だから鉱物とも言い難いのですわ。」
「へぇ~・・・オリハルコンか・・・。ちなみに高いの??」
「えぇ、普通に家が建つ位かしら??」
(普通に家が建つ位ってどん位だよ。)
「へっ・・へぇ~・・・。」
「おぉ、あったぞ、これじゃこれじゃ、さぁ早速始めてみなさい。わしは今から店の方に戻っておくからの。」
「分りました、出来たら真っ先に見せますね。」
「ありがとう、おじさま。」
そう言っておじさんは店の方に戻って行った。
「でもイメージしながら魔導を送り込むか・・・。なんだか難しそうだな・・・・。」
「大丈夫よ、私でも出来たんだから、きっとうまくいくわ。」
「だといいけど・・・。じゃあいくよ。」
そう言って俺はまず獲物のイメージをした。
何にしようか迷ったけれどやはり日本人魂(??)には逆らえず、刀をイメージした。
そして今度は魔導をイメージ通りに形にしてそれぞれの媒体をとらえながらイメージを膨らませて行った。
「わぁ~、すッ凄い・・・。」
「へっ??」
見てみるとそこにはひと振りの刀が出来ていた。
しかもカラフルな・・・。
「また、派手になったなぁ・・・。まぁいっか。」
「じゃあ、名前を付けなければね・・・。」
「名前か・・・。刃が紅いから紅桜がいいな。どうかな??」
そう言った途端紅桜が金色に光った。
「へっ??」
「嘘、何これ・・・。」
紅桜は光りながら鞘と鍔が付いた。
「へぇ・・・。紅桜か・・・気に入ったよ。」
「凄過ぎて頭が着いて行かない・・・。とりあえず、おじさんに見せに行こう。」
「そうだな。」
俺達は元来た階段を上がって店先に出た。
「おっ、もう出来たのか。早かったじゃないか。」
「はい、紅桜って言います。」
「紅桜か・・・いい名じゃ。ところでそれは剣か??」
「いえ、刀って言います。」
「カタナか・・・。頑張って使いこなせよ。」
「はい。ありがとうございました。」
「それじゃあおじさま、またね。」
「それじゃ。」
「またこいよ。」
こうして俺達はシイナの家に帰った。
名刀『紅桜』…。
ちなみにこの紅桜には特殊能力があります。
ハッキリ言ってこれは、反則的な代物になりそうです…。
それから最後に鞘と鍔が現れたのは一種の封印と制御装置的な役割と後は秘密にしておきましょう。