第2章 15話『転入生は美女??』
俺達は学園に向かっている。
しかし、回りは何故か女ばっかり…。
(なんだこの状況は??)
過去、これまでモテタ事のない俺は正直焦っていた。
右にはシイナとジュリア、左にはマリーとシンディーと言う周りから見れば羨む様な状況で俺は登校している。
しかも、男子からの目は殺気に満ちており、女性の目も少し複雑だった。
(早く学校に行って寝たい…。)
そう思っていると、学校に着いた。
「じゃあ皆は先に行っててね。俺はマリーと職員室に行かなきゃならねぇから。」
そう言うと俺はマリーの手を取り、職員室に急いで向かった。
正直、登校するだけでここまで目立つとは思っていなかった俺はどうしていいか分らず、ずっとマリーと手を繋いだまま職員室に向かった。
そこで俺は担当の先生にマリーを預けて早々に退散した。
そして授業が始まった。
『では、今日は転校生を紹介する。じゃあ入って来い。』
そんなニーナ先生の声で入ってきたのはマリーだった。
先生を見ると何やら楽しそうにニヤニヤと俺の方を向いて笑っていた。
『では紹介する。ホーリーエルフ族のメヒエル・O・マリーンだ。何故、エルフがと思ったかもしれないがこいつは司の使い魔でもある。皆仲良くしてやってくれ。じゃあ、マリーン自己紹介。』
そう言われマリーは皆の方を向き、自己紹介を始めた。
「メヒエル・O・マリーンです。マリーンと呼んで下さい。でも、マリーなんて呼ばせないんだから。」
そう言うと俺の方を向いてニコッと笑った。
正直可愛い…。
多分この教室の男子のハートを全て掴んだに違いない。
そして俺は悪者役なのだろう…。
そんな風に思っていたら、シイナのストーカーが俺の方を向いて嬉しそうにしていた。
多分奴の頭の中は(まだ俺にもチャンスが)とか思っているのだろう。
正直ないから、かわいそうだけど…。
そんな感じで、ホームルームが始まった。
ホームルームの内容は、どうしてマリーが俺の使い魔になったのかと言う話題と、エルフが人間をどう見ているのかと言う事と、後ごく一部の変態がスリーサイズを聞いていた。
正直どうでもいいので俺は寝ようとしていたが、ニーナ先生に睨まれたので真面目にホームルームを受けた。
そして今日も一日が始まって行くのだった。
そして次の休み時間、地獄は訪れた。
そう、皆からの質問攻め。
誰が好きなのか??とか、マリーと寝たのか??とか、正直どうでもいい様な事ばかりだったので俺は逃げた。
しかし、皆も必死で追いかけてくる。
そこで俺は途中の道に俺様スペシャルの結界(雷魔法属性付き)を配置してなんとか逃げきろうとしかし、途中で誰かに捕まってしまった。
しかし、そいつは俺を掴みそんまま、近くの部屋に俺を連れて入った。
そして、しばらくすると、皆の足音がしたがしかし通り過ぎて行った。
どうやら匿ってくれた様だ。
誰だろうと思い見てみると、シンディー先輩だった。
「どうやら行ったみたいね??大丈夫だった??」
そう言って彼女は微笑んだ。
そんな彼女の微笑みに俺は一瞬ドキッとしてしまった。
「あっ、あぁ、ありがとう先輩、助かったよ。」
そう言って俺も笑い返した。
「でも、どうして追われてたの??」
「あぁ、マリーが俺のクラスに転校してきたからだ。」
「司君も大変ね。困ったらここに来ればいいわよ。結構穴場なんだから。」
「へぇ~、でここは何の部屋なんだ??」
「王家御用達の開かずの間よ。ちなみに授業をサボる時にはもってこいね。」
そう言ってシンディー先輩は悪戯をする小悪魔の様に微笑んだ。
正直、シンディー先輩が身近に感じて嬉しかった。
そう思いながら俺は、先輩と一緒に次の時間まで時間をつぶしたのだった。